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夫を介護することになりました マイストーリー 第二話

しかし、時が経つにつれ、私はある変化に気づきました。
動けず、言葉を発することもできず、自分では何一つ出来ない夫が、私の介護を穏やかに受け入れている。そんな姿を見て、夫がどれほど強い人間なのかを感じ始めました。

「もしかしたら、すごい人なのかもしれない」

そんな思いが湧き上がり始めました。
無力な状態でありながら、瞳をキラキラさせて嬉しそうにスイーツを楽しむ夫の姿は、とても可愛らしく私にとって新たな希望の光となりました。

もし私が彼の立場だったら、同じように穏やかでいられるだろうか?
そう思うと、自然と夫へのリスペクトが生まれ、介護に対する見方が少しずつ変わっていきました。


やがて、私は介護の負担を減らすために公的サービスを利用するようになりました。そのおかげで自分の時間を持つことができ、一人旅に出かけて心をリフレッシュすることもできました。
自然の中で過ごす時間が増えるにつれ、私の心もまた穏やかさを取り戻し、夫との時間が大切なものに変わっていったのです。

かつては苦痛だった介護が、日常の一部として受け入れられるようになり、たとえどんな結末が訪れても構わないと思えるようになりました。

第三話につづく
https://note.com/lovinglook/n/n94f57939f7c9

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