ryuchellさんが残したもの。
タレントの、ryuchellさんが亡くなって、
早1ヶ月が過ぎた。
共に歩んだ女性と結婚し、子供を授かり、
夫として、父として、懸命に生きた。
しかし、その心の声にそむくことはできず、
離婚。
新しい家族の形を、示していってくれるものと、思っていた。
このような最期を迎えると、誰が
想像しただろう。
ryuchellさんが、髪を伸ばし、女性的に
なっていくにつれ、誹謗中傷が増えたという。
言葉は、時に、刃物より強い武器になる。
離婚する時のコメントで、ryuchellさんは
『死にたいと思いました』
としている。
それほど、奥様、お子さんのことを考えて、
夫、父を法律上とはいえ、やめていいのか、と悩んだのだろう。
奥様の理解があり、離婚し、
自分らしい姿で生きていく決意をし、
歩み始めたryuchellさん。
育児放棄、という中傷があったが、
それを言えば、世の父親は、ほとんどが
育児放棄ではないか。
いわゆるワンオペで、苦しんでいる母親が
多いことを知らないのだろうか。
どんな姿になっても、ryuchellさんは、
父親として、務めを果たしていたと思う。
女性ホルモンを注射していたようだが、
すると、精神的に不安定になる。
女性が、生理前、生理中に、精神的に不安定になるように。
その隙間に、魔が差したのだろうか。
私は、常々、自分に言い聞かせる言葉がある。
死ぬ勇気があるなら、生きろ。
私も、かつて、死を選ぼうとしたひとりだ。
しかし、手首を切って、死にきれなければ、
非常に痛い思いをした上、皮膚に跡が残る。
餓死も、空腹という本能に逆らうのは、
容易ではない。
死という、自分の人生を終わらせる覚悟が
なければ、簡単には死ねないのだ。
ryuchellさんが、死を選んだことは、
非常に残念で、悔しい。
今では誰も、ryuchellさんを話題にしなくなった。
ryuchellさんが生きた証が、消えていくようで悲しい。
自分の心の声に、従っただけ。
それなのに、誹謗中傷に晒されて、
どんなに辛かっただろう。
あなたの選択は、間違っていない。
そう、言い続けてくれる方が、側に
いなかった訳ではないだろうが、
ryuchellさんは、追い詰められてしまった。
家族での写真を、公表して間もない頃だった。
奥様も、悔やんでも悔やみ切れないだろうが、
お子さんと共に、強く生きていって欲しい。
ryuchellさんのことを思う時、私は、
死ぬ勇気があるなら、生きろ。
そう、自分に言い聞かせる。