出来るならCoccoさんみたく顔を隠したい。
歌手のCoccoさんが、今後は、顔を出して活動はしない、と発表した。
実際、TV番組には、顔にベールを着けて、出演している。
それを観た時、私は、それが出来るCoccoさんが、羨ましかった。
というのも、私は顔に対して目が大きく、まつ毛が長くてカールしているので、
中学、高校と、『宇宙人』と呼ばれていた。
大人になった今でも、ふいに目を覗き込むご老人がいたり、
ジロジロ見られることがあり、
出来るなら、顔を隠して外出したい、と思っていた。
Coccoさんは、デビュー当時から、顔を隠して活動したい、とスタッフさんに訴え、
しかし、シングルのジャケットは顔を出すもの、と言われたそうだ。
25年目にして、ようやく分かってもらえて、顔を隠しての活動が叶った。
私の場合、帽子で隠せばいい、と思う方もいらっしゃるかもしれないが、
私の移動手段の主は自転車なので、
深く被ると、運転に支障が出る。
『目が大きくて悩むなんて、嫌味か、無いものねだりだよ』
と言われたこともあるが、では、あなたは私と同じ思いをして、我慢出来る?と問いたい。
廊下ですれ違う生徒達から、口々に『宇宙人』『ブス』と言われ、それを6年間。
大人になれば、知らない方から、あからさまに目を覗き込まれたり、ジロジロ見られる。
そんな人生を、送りたい?
確かに、この目のお陰で、職場ですぐ、名前を覚えて頂いたり、ということはあった。
しかし、プラスより、圧倒的にマイナスに働くことの方が多い。
お年寄りという存在は、年齢がそうさせるのか、何をしても良いと思っているのか、
目を覗き込んでくるのは、ほぼ、お年寄りだ。
「何か御用ですか?」
と言うと、慌てて去っていく。
そうするくらいなら、初めからしなければいいのに。
女子高校生も侮れない。
あからさまに、「あの人、目が大きくない?」「ほんとだー!」と言ってくる。
それは、どんな感情なのか、知りたい。
母が、やはり目が大きな人だったので、恐らく遺伝だと思うが、適正な大きさで生んでくれたら良かったのに。
何度、思ったことか。
高校生時代の親友に、
「あんた、わざわざ、つけまつ毛する人も、二重の手術、目頭切開の手術する人もいるのよ。全部揃ってるなんて、お得だし、安上がりじゃない」
と言われたが、まだその境地には至らない。
だから、顔を隠すことを許された、Coccoさんが羨ましい。
勿論、日常生活に、Coccoさんが着用しているベールを持ち込めないことは、分かっている。
彼女は歌手で、それも衣装の一部になり得るから、成立しているのだ。
そして、顔を隠しても、滲み出る美しさが、Coccoさんにあるからだということも。
しかし、隠せるものなら、隠したい。
それが本音だ。
私も年齢を重ねて、少し目が小さくなってきた気がする。
それでも、上記のような、他人の行動は止まない。
世が世なら『無礼な!切り捨て御免!』という行動を、平気でしてくる人達。
どうしたら、やめてくれるだろう。
あぁ、Coccoさんが、羨ましい。