君の声
男性に惹かれるポイントがいくつかある。
骨格フェチなので首が長く顎のラインが美しく、横顔が綺麗なこと。背中に無駄な贅肉はなく、大きめのTシャツを着たら夏なんて風通しが良さそうね、、と思わされる元々食べても太れないような飄々とした雰囲気の男の子が好き。
高身長であるが故の猫背なんてセックスアピールにしかならないし、綺麗な指は細く長く、目にかかった髪をかき上げる仕草にも見惚れたい。
そんな、服が似合う、シルエットの美しい男の子が好きだ。
あとは、声。
甲高くなく落ち着いた色気のある声がいい。
今まで好きになった子、頻繁に会っている子はみんな声がいい。
こうくんも初めて会った時、声が素敵だと思った。
頭の良さそうな話し方、低過ぎない落ち着いた声。
こうくんと会う時だけは、ハメ録ってやつをしてしまうのよね。
撮るんじゃないのよ、録るの。
音声ね。
セックスしてる時のこうくんは、その辺の若い子にありがちな自分だけが興奮しちゃって訳がわからなくなる、、とにかく出したい、みたいなのがない。
最初から最後まで、良くしようと丁寧に抱いてくれる。
私を見つめて揺らしながら
〝これ好きじゃないの?大好きでしょ?“
それ好き、もっとしてと言えば
〝うん、知ってる“
〝気持ち良すぎる“
お願いだからもうやめてと言えば
〝まだ、ダメ。ほんとにやめていいの?“
と、少し甘くなったあの声で言う。
そんなこうくんを見下ろしていると、頭の中が痺れそうになる。
後から聞き返すと、彼と話してる時の私は、いつもすごく楽しそうで、だれか自分じゃない恋人同士の会話を聞いているようで、幸せな気持ちになる。
抱き合う事に条件なんて関係なくて、
ずっと見ていたい横顔、声、匂い、触れた感触。
恋をする為に必要なのは、多分それだけだ。