プレゼンターは左脳を鍛えよ!~プレゼン初心者をエース級に引き上げる原稿の作り方と事例紹介~
※本記事はプレゼン初心者向けの内容です。これからプレゼン力を伸ばしたい方、あるいは新人を教育したい方にとって、役に立つ内容になっています。本記事の内容を、ぜひ周りに教えてあげてください。
こんにちは!恋愛マーケターの古川です。
新型コロナウイルスの影響でテレワークになっている企業が多い中、ウェビナー(web上でのセミナー)を開催する企業が増えてきましたね。
実際、ウェビナーは見込み客開拓において非常に有効な手段だと思います。
しかし、これまでセミナーをやってこなかった、あるいは特定の人に任せていた企業にとっては、なかなか手が出せない現状もあるのではと思っています。
私の担当するクライアントでも
「ウェビナーを開催したいんだけど、できる人が上役のみで、かつ彼らは他の仕事で手一杯だから、今はできない」
というところもいらっしゃいます。
そこで今回は、新人でも即戦力のプレゼンターになれるよう、プレゼンテーションがうまくなる方法についてのお話ししようと思います。
自己紹介
少し私の話をすると、私自身は営業系、採用系、恋愛系、その他諸々様々なジャンルでプレゼンを行って来ました。
手前味噌ではありますが、そのすべてにおいて参加者からは高い評価を頂けており、有難いことにリピーターになって下さった方もいらっしゃいます。
また、一部私のセミナーを取材して下さった企業様もいらっしゃいました。
▼取材を受けた記事
そういう経緯があって、プレゼンテーションについて質問を頂くこともちらほら出てきたいので、この際ここで知見を共有してしまおうと思い、筆を執った次第です。
プレゼンテーションの重要性
では、早速具体的な話をしていきたいところですが、その前に、プレゼンテーションについての認識を揃えておきましょう。
プレゼンテーションと聞くと、何を思い浮かべますか?
セミナーでの発表?
それとも、商談での1対1の説明?
いえいえ、そんな小さな話ではありません。
プレゼンテーションは営業活動に留まらず、採用、資金調達、恋愛、結婚、家庭、その他諸々、人生のあらゆる場面で登場します。
そしてプレゼンがうまくなればなるほど、人気が出るし、儲かるし、モテるし、思い通りに行くことが増えるしで、どんどん人生が楽しくなります。
冗談抜きで、プレゼン力は豊かな人生に続く扉の鍵であると言っても過言ではありません。
プレゼンテーション力が不要な人などいません。
誰しもが身に着けるべきであり、身に着けたいと思うはずの能力なのです。
プレゼンテーションとは
では、プレゼンテーションとは何なのか。
私は、プレゼンテーションには2つの意味があると教わりました。
▼プレゼンテーションの2つの意味
①プレゼント
②プレゼンス
①プレゼント
①の「プレゼント」とは、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントと同じように、相手が喜ぶ魅力的な贈り物のことを指しています。
「プレゼント」ですから、当然、プレゼンテーションは、受け手が喜ぶような、あるいは楽しくなるようなものでなければなりません。
イメージは劇団四季や宝塚歌劇団、あるいはディズニーランドのエレクトリカルパレード。
五感の全てを使って、いかに聴衆を楽しませ、惹きつけるか。
それがプレゼンテーションの基本の考え方なのです。
ところが、これができていない人がほとんど。
聴衆のことを考えず、自分が話したいように話して満足する。
もっとひどい場合は、自分が聴衆からどう思われるかばかりを気にしている。
これでは決して、相手を楽しませることなどできるはずがありません。
魅力的なプレゼンをしたければ、自分ではなく相手に意識を集中させることが重要であり、それができてようやくスタートラインなのです。
②プレゼンス
プレゼンスとは「存在」という意味であり、ここで言うところの「誰が話をするのかが重要」ということを指しています。
例えばあなたが、頭が痛くなって、頭痛に効く薬を探しているとしましょう。
その時、医者、あるいは薬剤師から「この薬が効くよ」と差し出されたら、「ありがとう!」と言って受け取るでしょう。
ところが、同じ薬であっても、ボロボロの浮浪者から「この薬が効くよ」といって渡されても、果たしてそれを受け取ろうと思うだろうか、ということです。
「プレゼンス」にはもちろん、実績なども含まれますが、最も重視すべきは、身なりと、特に話し方。
プレゼンの成否を分けるポイントとして、しっかりした原稿を作ることはもちろんなのですが、それは準備段階の話。
当然、当日のプレゼンターの態度はそれと同等、あるいはそれ以上に重要なポイントになります。
堂々とした話し方には引き込まれますが、おどおどした話し方には不快感を覚えます。
この辺り、プレゼンに慣れていないとうまくいきづらいかもしれませんが、気持ちの切り替え方さえ知っていれば、すぐにでも堂々としたプレゼンができるようになるので安心してください。
では、どうやって気持ちを切り替えるのか。
それは、当たり前のことではありますが、今から話す内容について、この中で一番詳しいのは自分だと、気持ちを振り切ることです。
内容が間違っていたら。。。とか、質問で意見を否定されたら。。。とか、自分より詳しい人がいたら。。。とか、そのようなことはどうやっても気になってしまうものですが、その考えは一切捨てます。
というより、プレゼンの内容について、会場で一番詳しいのは、気休めでもなんでもなくプレゼンターです。
研究発表を経験したことがある方であればイメージが湧きやすいかもしれませんが、相手が権威ある方だったとしても、自分が話す専門分野についてであれば、自分の方が詳しいのです。
そしてもう一つ、プレゼンの本質は自分の伝えたいことを伝えること。
つまり、正解不正解を議論するわけではないということです。
間違ったって良い、というか、世の中のプレゼンはどのレベルの人であっても間違いだらけです。
政治家も、教授も、歴史に名を遺す高名な研究者でさえも、後々間違いが発覚したなんてことは、当たり前に起きています。
自分より詳しそうな人が会場にいるかもしれないといったって、その人の主張が正しいとは限りません。
自分の意見が否定されることは、プレゼンの成否においてあまり重要なことではないと、私は思っています。
大切なのは、聴衆を自分のプレゼンに惹き込ませること。
ですから、意識してでも堂々とする、という以外の選択肢はないのです。
そういう、身なりや話し方といった「存在」という点も、プレゼンテーションにおける重要な要素であることを認識し、意識するようにしてください。
プレゼンテーションの位置づけ
ではここから、プレゼンテーションについて、徐々に具体的な内容に迫っていきます。
魅力的なプレゼンをするには、まずそのプレゼン位置づけと目的を明確にすることから始めます。
プレゼンの目的はケースによって変わってはくるのですが、ここでは一例として、営業活動におけるプレゼンに焦点を当てます。
営業活動は、分解すると次の6つの要素で構成されています。
▼営業活動における6つの要素(6つの販売力)
①ブランディング
②マーケティング
③プレゼンテーション
④ヒアリング
⑤クロージング
⑥ライティング
営業活動は、①~⑤を番号順に実施することで成り立っています(⑥は①~⑤を支える屋台骨のような要素です)。
最初に企業やサービスのブラディングを決め、そのブランディングに惹かれた人をマーケティングで集客し、集まった人達に対してプレゼンテーションを行い、そのプレゼンに魅力を感じた人に詳しい話をヒアリングし、最後にクロージングをかけて契約となるわけですね。
そして、これらの要素について、次の2点に注目してみてください。
①それぞれの要素が何人に向けて行っていることなのか
②それぞれの要素の主語は誰か
①ブランディング、②マーケティング、③プレゼンテーションは、基本的に複数人に向けて行う要素です(プレゼンテーションは、個別のデモなど個人に向けて行うこともありますが)。
また、いずれも主語は「自分or自社」です。
自分or自社のブランディング、自分or自社のマーケティング、自分or自社のプレゼンテーションといった具合ですね。
これに対し④ヒアリング、⑤クロージングは、個人あるいは1企業に対して行う要素であり、主語は「相手or見込み客」です。
相手or見込み客のヒアリング、相手or見込み客をクロージングといった具合ですね。
つまり、③と④を境に、対象が複数から個に、主語が自分から相手に切り替わるわけです。
だから何?と思うかもしれませんが、実はこのことが、プレゼンテーションの目的を明確化するうえで非常に重要な前提となるのです。
プレゼンテーションの目的
プレゼンテーションの準備をする際、プレゼンテーションの目的を意識していますか?
意識したことがないという人は、まずは目的を意識するところから始めましょう。
目的が明確化されていないと、次につながるプレゼンになりません。
目的を意識しているという人は、何が目的だと考えていますか?
もし、プレゼンの目的を「相手に内容を理解してもらうこと」と考えているのであれば、その考えは今すぐロケットに括り付けて宇宙の彼方に飛ばし、ブラックホールで消滅させてください。
確かに、内容を全く理解されないプレゼンでは、聞いてる側が苦痛になるだけなのは間違いありません。
しかし、相手に本当に理解してもらうには、各個人に合わせた話が必要であることは、同意いただけるでしょう。
小学生に理解してもらうには小学生に合わせた話を、大学院生に理解してもらうには大学院生に合わせた話をしなくてはなりません。
足し算引き算ができない子供に微分積分を教えても、まず理解できないでしょう。
要するに、こちらのことを本当に理解してもらうには、個別で話をする必要があるということです。
ところが先に述べた通り、セミナーのようなプレゼンテーションは基本的に1対複数で行います。
相手が複数ということは、バックグラウンドも理解力もバラバラな人達に対して同じ話をするということですから、本当に理解してもらうことが、そもそも不可能なのです。
ここをはき違えると、話の構成を大きく誤り、高い確率で誰の心にも刺さらないプレゼンになってしまうので、気をつけてください。
では、プレゼンテーションの目的は、何にすべきなのでしょうか。
先述の通り、これが営業活動であるならば、契約を獲得するには①~⑤を順に辿ればよいわけです。
したがって、③プレゼンテーションのゴールは④ヒアリングに繋げることになります。
では、どうすればヒアリングに繋がるのか。
これこそがプレゼンテーションの目的になるわけですが、ヒアリングに繋がるとは、言い換えると相手が「個別でもっと話をしたい」という状態になっているということです。
恋愛に例えると分かりやすいかもしれませんが、クラスで、あるいは合コンで、見た目や雰囲気が自分好みの人がいたら、本能的に話してみたいと思いますよね?
その人のことは詳しく知らないけど、なんとなく良さそうだから、もっと知りたい、2人だけで話をしてみたいという感情が沸き上がってきますよね。
ヒアリングに進むにはこれと同じ状態を作り出せばよいのです。
つまり、「詳しくは分からないけど、なんとなく良さそう!」と思わせることこそが、プレゼンテーションにおける最大の目的なのです。
プレゼンを聞いて、「なんとなく良さそう」と思ったら、もうちょっと話を聞いてみたいと思うのが人の性。
逆に、のっぺりした「いい印象を受けないプレゼン」をされたら、もっと話を聞いてみたいとは絶対に思いません。
「なんとなく良さそう」という、右脳的な好感を刺激することが、プレゼンを成功させる重要なポイントなのです。
右脳的な好感を刺激するには
では、右脳的な好感を刺激するには、どのようなプレゼンをすれば良いのでしょうか?
よく使われるのが、綺麗なスライドや音声、動画などを活用した、五感をフルに刺激する手法です。
実際、この方法は非常に効果的で、私自身も毎度活用しています。
メラビアンの法則からしても、聴覚や視覚を刺激することは非常に有効であるというのが筋が通っているでしょう。
▼メラビアンの法則
メラビアンの法則(メラビアンのほうそく)とは、矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかを判断するアルバート・メラビアンが行った実験についての俗流解釈である。
人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。
Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87)
しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、「言語情報は7%しか影響しないから、適当でいい」というわけでは決してないということです。
むしろ、7%の言語情報にこそ、プレゼンの成功が隠されていると私は思っています。
言語情報が、つまりプレゼンの原稿が支離滅裂だと、聴衆は内容を理解するのに脳をフル稼働するため、高いストレスがかかり、不快感を覚えます。
逆に言語情報がしっかりしていると、全くストレスを感じない、聞きやすいプレゼンになり、視覚情報や聴覚情報といった他の要素がより輝いて見えます。
いうなれば、7%の言語情報は、聴覚情報及び視覚情報の土台となる、最重要要素であると言えるでしょう。
事実、大統領や総理大臣は、スピーチの原稿を専門家に作らせていますし、売れるお笑い芸人も、これでもかというくらい原稿を作り込んでいます。
世の中の、話がうまいとされる人たちは、必ずと言っていいほど話す内容に神経を尖らせているのです。
ICCサミットで、過去最高のプレゼンと大絶賛されたe-Educationの三輪代表も、プレゼンに臨むにあたって念入りに準備をし、100回以上練習をしていたそうです。
私も、過去数えきれないほどのプレゼンを聞いてきましたが、プレゼンがうまいと思った人は皆、口をそろえて「原稿を作れ」と言っていました。
セリフはもちろんのこと、どこで笑いをとるのか、どこで盛り下げるのかまで事細かに書くのだと。
逆に、プレゼンが下手な人の特徴は明確で、原稿を書かず、練習もしていません。
こういう人はよく
「原稿を作ると、自分が原稿という型にはめられて、機転の利いたリアクションができなくなる」
と言うんですが、それは大きな勘違いです。
原稿を作り込み、幾度となく練習を重ねた人は、本番で話すことに一切頭を使わなくなります。
頭を使わなくても、自然とセリフが出てくるからです。
すると、本番では頭に余白ができるので、その余白を、聴衆の反応に応じた臨機応変な対応に回すことができるようになります。
つまり、原稿はプレゼンターを縛る鋳型ではなく、プレゼンを一定のレベルまで引き上げる土台なのです。
魅力的な原稿を作るには
ここからは具体的に、魅力的な原稿を作るために気を付けるべきことをお伝えしていきます。
まず大前提として、プレゼンテーションの主語は自分であり、相手がどうとかではなく、こちらの伝えたいことを伝えることが重要になります。
つまり、自分の主張に相手をすんなり同意させることが求められるわけですね。
この、「自分の主張を相手にすんなり同意させる」ということが容易ではないのですが、ある1点さえ気を付ければ、実現できる可能性は格段に上がるのです。
そのポイントとは、決して相手の頭の中に「?」を作らないこと。
ランディングページやメルマガ、コラム、ブログなどを本気で書いたことがある人なら分かると思うのですが、ロジックが破綻して相手の頭の中に理解不能の「?」が現れた瞬間に、人は理解することを止めてしまいます。
プレゼンでも、相手の頭の中に「?」を作った瞬間、相手は話につ行けなくなり、理解することも、続きを聞くことも放棄して、パソコンやスマホを開いて別のことを始めてしまします。
こうなっては元も子もありません。
このような事態を防ぐためには、話のロジックがしっかりしていることが必要。
ロジックがしっかりした話は、まるで階段のように、聴衆がストレスなく登っていくことを導きます。
逆に、ロジックが飛躍、あるいは破綻した話は、聴衆にとって断崖絶壁を前にしたような絶望感を与えてしまいます。
その絶望感を感じてなお、他人の話を聞こうとする人などほとんどいませんし、仮にその絶壁を登ろうとする人がいても、登る際に必ずその人の解釈を挟むので、意図したメッセージが伝わらない可能性の方が高い。
私自身、他人の話を聞くのが得意ではないので、ロジックが破綻した瞬間、話についていけなくなり、聞くのを止めてしまいます。
そうならないためにも、飛躍も破綻もない、聴衆がストレスなく登っていけるステップストーリ―(階段)を用意してあげねばなりません。
場合によっては、できる限り段差をなくしたスロープストーリー(坂)にしてあげることも必要だったり。
プレゼンにも、バリアフリーが求められるんです。
ただし、スロープもあまりに長いと登る側はストレスなので、できる限り短くまとめるのが重要。
そこが難しいのですが、会得するには文章を書きまくるしかないですね(笑)
プレゼンのバリアフリー化の先にあるもの
人間の脳は右脳と左脳にわかれており、これらはトレードオフの関係にあります。
つまり、右脳が活性化すると左脳が抑制され、逆に左脳が活性化すると右脳が抑制されるのです。
そして、右脳は感覚を司り、左脳は論理的な思考を司っています。
プレゼンのバリアフリー化が進むと、聴衆は話をすんなり理解できるようになるので、左脳を使わなくて済むようになります。
それはつまり、聴衆の右脳が活性化できる状態を作り出すということを意味します。
すると、聴覚や視覚など、感覚に近い部分の刺激をより受け取ることができるようになるため、プレゼンが魅力的に映るようになるのです。
逆に、話を理解するのに精一杯な状態では、左脳ばかりが働いて、右脳で刺激を受け取ることが困難になります。
先に述べた通り、プレゼンテーションの目的は
「なんとなく良さそう」
という右脳的な好感を刺激することにあるので、ちゃんと右脳が刺激を受け取れる状態を作ってあげることが大切なのです。
これが、7%の言語情報が、他の情報の土台となるとお話した理由です。
さらにプレゼンに磨きをかけるには
ここまでのことを実践すれば、悲惨なプレゼンになることはまずないでしょうが、ここでさらに磨きをかける方法をお伝えします。
プレゼンといいますか、話や原稿にも関係することなので、あえて文章という表現を使いますが、文章には3つのレベルがあります。
▼文章の3つのレベル
レベル1:分かりにくいことを分かりにくく伝える文章
レベル2:分かりにくいことを分かりやすく伝える文章
レベル3:分かりにくいことを親しみやすい形で伝える文章
言うまでもなく、レベル1が最も低く、レベル3が高いわけですが、信じられないことに、世の中に出回っている文章は、レベル1であるケースが非常に多いのです。
横文字を使ったり、専門用語を使ったりして、知識のない人を煙に巻くような文章ですね。
偏見かもしれませんが、IT系の大手企業やイケイケベンチャー企業がよくこのような表現を使っている気がします。
難しいことを簡単に表現することができない、というならまだしも、あえてそういう表現をしているのだとしたら、その裏側にある意図は、相手のマウントを取りたいということでしょう。
自分が有意な立場、つまり相手から見て先生という立場をとることで、自分の主張を通しやすくするという論法です。
もし本当にそうであれば、自分のことしか考えていない、非常に不親切な手法だと思います。
プレゼンテーションの基本は自分の主張を伝えることではありますが、そこで注力すべきは相手のことを尊重することです。
相手が理解できないことを前提としたプレゼンは、その場は良くても後々不満を生む種になりかねません。
ですから、最低でも
レベル2:分かりにくいことを分かりやすく伝える文章
には持っていくようにしましょう。
ここまでお伝えした内容を意識すれば、できるはずです。
ただ、ぜひ狙っていただきたいのは、その上である
レベル3:分かりにくいことを親しみやすい形で伝える文章
です。
親しみやすい形で伝えるには、大きく2つの方法があります。
▼分かりにくいことを親しみやすく伝える方法
①例え話を織り交ぜる
②プレゼンを親しみやすい形で企画する
①例え話を織り交ぜる
分かりやすく、親しみやすい形で伝える手法として、例え話はよく使われますよね。
話が上手い人ほど、例え話が上手いと言われます。
例え話といっても、いっぺん通りではいけません。
プレゼンをする相手にとって、もしくは、自分がターゲットとする相手にとって、最も親しみやすい話を用意してあげることがポイントになります。
それも、ニッチであればあるほど刺さります。
これを実現させるには、プレゼンがどのような場なのか、聴衆はどんな人なのかを事前に調査することが重要になるのは、言うまでもないでしょう。
②プレゼンを親しみやすい形で企画する
これは、例え話の上位版です。
「①例え話を織り交ぜる」は、プレゼンの内容の一部を理解しやすくするために、局所的に使う手法ですが、こちらは例え話をプレゼン全体に適用するというイメージ。
例えば、マーケティングという、ちょっと説明しづらいものを、親しみやすい何かに例えて話をする企画とかですね。
これについては概念で説明するより実例を見ていただいた方が理解しやすいと思うので、私が実際に行ったプレゼンの事例をご紹介します。
プレゼンテーション企画の事例
プレゼンを親しみやすい形で企画した事例を2つ紹介します。
▼プレゼンテーション企画の事例
①マーケティング×恋愛セミナー(マーケティング×恋愛)
②基本俺らの昔話(7つの習慣×自分の過去話×日本昔話)
①マーケティング×恋愛セミナー(マーケティング×恋愛)
「彼女ができました」と報告したら「じゃあ、それセミナーにして」という社長の一言で開催が決まったセミナー。
人気につき何度も開催していて、リピーターになる人まで現れました。
さらに、日経doorsとKADOKAWAにも取材していただきました。
本セミナーは、説明しづらい「マーケティング」というものを、恋愛という親しみやすいジャンルに例えて説明しています。
そのため、誰が聞いても分かりやすくなっており、実際、セミナー後には「とても面白かった」「衝撃だった」「凄く分かりやすかった」などのコメントを頂いています。
②基本俺らの昔話(7つの習慣×自分達の昔話×日本昔話)
私が所属するマーケロボでは、毎週、「7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー著)」を読み、その学びをプレゼンするというイベントがあるのですが、その際の私のプレゼン企画が「基本俺らの昔ばなし」です。
プレゼン時間は一人あたり8分しかないため、その中で7つの習慣の学びを全てを話すのは困難ですし、話したところで記憶に残らないでしょう。
このプレゼンでは、相手の記憶に残るよう、内容を徹底定期に親しみやすくすることを意識し、自分たちの昔話を7つの習慣と絡めて話す、ストーリー仕立てにしています。
更に、自分の話だと相手に親しみが生まれない可能性があったので、さらにストーリーを(ジェネレーションギャップが無ければ)皆が一度は見たことがあるであろう「日本昔ばなし」風にすることで、親しみやすさを強化しています。
↑内容を徹底的にストーリー仕立てにしている
社内イベントではあるものの、聴衆からの反応は上々で、中には
「発表の概念を覆された」
という嬉しい意見もありました。
まとめ
如何でしたでしょうか?
この記事で書かれていることを実践すれば、プレゼン慣れしていなかったとしても、すぐに相手を惹きつけるプレゼンターになることができると思います。
本記事はそこそこ長かったのでざっくり内容をまとめておきます。
本記事のまとめ
プレゼンテーションの目的は「なんとなく良い」という右脳的な好感を刺激することである。そのためには、音声や動画など、五感を刺激する手法も重要ではあるが、その効果を最大限発揮するには、聴衆が右脳を使える状態にすることが重要。そのためには、聴衆の左脳を使わせないようにすること、すなわち、話のロジックを確かなものにし、決して相手の頭の中に「?」を生じさせず、聴衆の左脳への負担をできる限り軽減することが重要。すなわち、プレゼンターは左脳的で、極めてロジカルである必要がある。
このロジカルな話という土台があったうえで、五感を使ったプレゼンや、分かりにくいことを親しみやすく話すことによって、プレゼンの魅力が格段に増す。
要するに、プレゼンターは左脳を、聴衆は右脳をフル活用している状態が最も良いということ。
だから、プレゼンターは左脳を鍛えることが大事なのです。
左脳を鍛えるには・・・文章を書きまくるしかないですね(笑)
一緒に頑張りましょう!
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