ルドゥーテの庭:敷島公園 門倉テクノばら園 その3

画像1 敷島公園 門倉テクノばら園つづき。線状降水帯と真っ向勝負する晴れ女の酎愛零。はたして雨は止むのか……
画像2 「安曇野(あぐもの)」。さて、今回はその1でもちょろっと触れた「ネーミングライツ権」について少しお話しましょうか
画像3 ここは「敷島公園 門倉テクノばら園」という名前なわけですけど、おそらく最初は「敷島公園ばら園」だったはず。「門倉テクノ」の部分は後年付け足されたものと推測できます
画像4 「マチルダ」。まあ、推測もなにも、少し調べれば門倉テクノという会社がネーミングライツスポンサーとなったことが、当の会社のホームページに記載されているんですけどね。
画像5 「ブルー ボーイ」。簡単に申しますと、ネーミングライツとは、スポンサード契約により、施設の名称に企業名や商品名を冠した愛称を付与させる代わりに、ネーミングライツ権を取得した企業等から対価を得て、施設の運営維持とサービス向上などを図るものですわ
画像6 例えるなら資金繰りの苦しいローズガーデンにわたくしが運営資金を提供する代わりに、名前に「愛零会 〇〇ローズガーデン」という名をつける、というものですわ。
画像7 「のぞみ」。この場合、もとの名前とまったく違うものをつけても構わないのですけど、地元に愛されている名称だったり、古くからある呼称だったりすると、それを変えることには大きな反発が予想されるため、とかくバランスの取り方が難しいのです、ネーミングライツ権というものは。
画像8 なので大方は、ここと同じように、「元からある名前+企業名」という形に落ち着くこととなりますわね。それが最も無難でしょう。
画像9 「レオナルド・ダ・ヴィンチ」。ネーミングライツ権といえば、忘れられないカッコいいエピソードがありましたわね……
画像10 2013年、鎌倉市は管理維持費に充てるため、「由比ガ浜海水浴場」「材木座海水浴場」「腰越海水浴場」の三つの海水浴場のネーミングライツ権を公募しました。
画像11 「バニラ パフューム」。しかし、これらはみな、歴史ある名前を持つ海水浴場。妙な名前をつけられるのは納得がいかない、変えないでほしいと、市民からの要望が多数寄せられたそう。
画像12 「ラベンダー ドリーム」。そこで名乗りを上げたのが、「鳩サブレー」で有名な鎌倉の企業「豊島屋」。
画像13 豊島屋さんは、年間1200万円、10年契約でネーミングライツ権を取得しました。なんと命名したかというと……
画像14 「宇部小町(うべこまち)」。「腰越海水浴場」を、「腰越海水浴場」、
画像15 「材木座海水浴場」を「材木座海水浴場」、
画像16 「モダン タイムス」。「由比ガ浜海水浴場」を「由比ガ浜海水浴場」と、それぞれ名付けたのです。
画像17 つまり、自社の名前は一切入れず、そのまま同じ名前にしたのですね。
画像18 この英断に市民はもとより全国から称賛が寄せられました。当時のSNSでは「今すぐ鳩サブレー買ってくるわ」など、豊島屋さんへのリスペクトを感じさせる書き込みがあふれました。わたくしもこのエピソードを知ったときは、感涙にむせびながら豊島屋のウェブサイトを出して鳩サブレーをぽちっとしましたから。
画像19 「アルベリック バルビエ」。10年の契約期間が終わったあと、鎌倉市は三海水浴場のネーミングライツ権公募を取りやめ、名前はそのままにすることを決定しました。豊島屋さんは10年で1億2000万円という大金を投じたわけですけども、あの漢気(おとこぎ)あふれる英断に寄せられた称賛と信頼がもたらした経済効果は、それこそ億単位の広告費に匹敵することでしょう。
画像20 「パーマネント ウェーブ」。まさに、「損して得取れ」の精神ですわね。
画像21 ちなみに豊島屋さんはその後の2021年、「鎌倉みんなのスタジアム」のネーミングライツ権を取得し、これを「みんなの鳩サブレースタジアム」と命名しました。
画像22 地元の英雄としてじゅうぶんな勇名を轟かせたあと、堂々と商品名を入れたネーミングライツをする。市民はもろ手をあげて歓迎する……かんぺきですわ。これこそ真の商魂、真の戦略というものでございましょう。
画像23 「マジョリー フェア」。ああ、こんな話をしていたら、むしょうに鳩サブレーを食したくなりましたわ〜(⁠ᗒ⁠ᗩ⁠ᗕ⁠)
画像24 これから東京駅まで出ますので、途中で鳩サブレーを買ってまいりましょう!(⁠ʃ⁠ƪ⁠^⁠3⁠^⁠)
画像25 太陽が!線状降水帯を押し返す晴れ女ぢから!
画像26 雨模様で始まったばら園めぐりも、もうそろそろタイムリミット
画像27 「ポール トラソン」。このばら園は、壁を這わせるタイプのつるばらの充実ぶりがすごかったですわね〜
画像28 「ピンク サクリーナ」。ほんとうは、香りのばらもたくさんあったので楽しみたかったのですけど、雨だと香りが落とされてしまうのか、あまり香りは届きませんでしたわ
画像29 「プリンセス シャルレーヌ ドゥ モナコ」ただし、香りならば秋ばらの独壇場。晩秋になりましたら、またおじゃまいたしましょう。
画像30 敷島公園 門倉テクノばら園、整然とした威容の、素晴らしいばら園でした!次こそ、三泊四日くらいで!ごきげんよう〜

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酎 愛零(ちゅう あいれい)
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