ニュースつぶやき:「三菱鉛筆、三菱グループではなかった……」
鉛筆メーカー「三菱鉛筆」は三菱財閥とはなんの関係もなかった話。
不勉強を痛感いたしましたわ。名前もロゴマークも同じでしたから、三菱の系列会社だと思って疑いもしませんでした。
三菱鉛筆株式会社の礎となった「眞崎鉛筆製造所」は、明治20年(1887年)に創業。明治34年(1901年)、逓信省(現在の総務省)に「局用鉛筆」が採用された記念に、商標を登録するということになりました。この「局用鉛筆」には一号、二号、三号という3種類の硬度(芯の濃さ)があり、その3種と眞崎家の家紋である「三鱗(みつうろこ)」を図案化したものが、“三菱”というあのマークだったそうですの。この“三菱”マークと「三菱」という商標は、明治36年(1903年)に商標登録されました。
では、三菱財閥の三菱はというと、これは創業家である岩崎家の「三階菱」と主家にあたる山内家の「三つ柏」を融合してデザインされたもので、最初は主家の紋に近い形(鋭角30度。現在のマークは鋭角60度)でした。
そして商標登録は1914年(大正3年)。三菱鉛筆の方が先なのです。
では、このときに全く同じ(ように見える)商標を登録することに問題はなかったのか?と言いますと、このとき商標を使う指定商品は鉄鋼や銅、錫、鉛などの金属で、三菱鉛筆の指定商品である「文房具」は含まれていなかったというのがポイントになったようですわ。
つまり、同一あるいは類似の商標であっても、同一あるいは類似の指定商品でなければ、それは認められる可能性があるということですのね。
例)英会話教室の「AEON」と大手流通企業の「AEON」など
近年では、主に中国で、人気が出たコンテンツにまつわる言葉をかたっぱしから無関係の第三者が登録してしまい、それを本来それで利益を得るはずだった個人や団体に高額で買い取らせようとするなどの「横取り商標」も多くなってきています。
例)有田焼、美濃焼、無印良品、クレヨンしんちゃんなど
日頃何気なく目にする作品名や企業名、ロゴマークなども、その裏には働く方々の魂がこめられていることを忘れてはならないでしょう。そして、当たり前だと思っている自分の中の常識に、疑いの目を向けることも。
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