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クリスマスに読みたい本【12】
今日は定番中の定番「賢者のおくりもの」です。
とくに、この絵本が好きです。
イラストが上品で大人っぽい。
「賢者のおくりもの」に絵をつけるなら、こうあってほしいと望むものがそのままあらわれている感じ。
お話は、貧しくも愛し合う夫婦が、相手へのクリスマス・プレゼントを用意するために、自分が大切にしているものを手放す。
夫は、祖父から代々受け継いだ金時計を売り、妻の髪を飾るくしを。
妻は、栗色の滝のようなきらめく美しい髪を売り、金時計につけるプラチナの鎖を。
こどもの頃、妻の髪はいつか伸びて櫛が使える日が来るけど、夫の金時計はもう手に入らないんだろうなと悲しくなりました。
祖父から受け継いだものなら、余計に残念なことです。
だけど今読み返すと、愛し合い、思いあえる伴侶がいるというのは、どんな宝物よりも得難く、尊いものだという想いが強く、うらやましいかぎりです……。
この絵本は、絵本だけれど文字量多めで、オー・ヘンリーの原文訳そのままだと思います。
ラストの「おおよそおくりものをする人々のうち、このふたりこそは、もっともかしこかったのです」という一文が、しみじみ好き。
読了は15分くらい。
光文社の古典新訳文庫版もおすすめです。
これもキンドルアンリミテッドだと無料……。
紙版持っているので、光文社古典新訳文庫さんの太っ腹ぶりに戸惑います。
他のお話もおもしろい短編集で、大好きです。
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タイトル: 賢者のおくりもの
著者: オー・ヘンリー (Henry, O)
画: リスベート・ツヴェルガー(Zwerger, Lisbeth)
訳: 矢川, 澄子||ヤガワ, スミコ
PUB: [東京] : 冨山房 , 1983.12
PHYS:25p ; 35×21cm (縦長!)
VT:OR:The gift of the magi
NOTE:英語の原書はNeugebauer Press (アメリカ) の出版
NOTE:Text 1906, Illustrations c1982
NOTE:全国学校図書館協議会選定図書, 全日本図書館協会選定図書
ISBN:4572002770
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*タイトル画像は「みんなのフォロギャラリー」からお借りしました。
ありがとうございます。
*表紙画像の著作権が心配なので、Amazonのリンクを貼っています。