私の旅はいつも
空港で働く友人がいる。
出会いは4歳、離れたのは18歳。彼女はグランドスタッフになるため専門学校へ、私は大学へ。彼女の目標にまっすぐな所と笑顔が大好きだった。
2年後、彼女は夢を叶えた。それを知ったのはSNSで、少しだけ心の距離を感じた。
転機になったのは出張のとき。なんとなく送った「今空港いるよ」のメッセージ。出発ロビーで肩を叩かれた。数年会っていなかったのに、彼女は笑顔でいってらっしゃい、と手を振ってくれた。
それから、旅の連絡をするようになった。出発ロビーに立てば、制服姿の彼女が現れる。
「元気?」「まあまあ。調子は?」「まあまあ。帰りはいつ?」「来月」。たった数分のやりとりに、また旅に出るんだ、と感じる。
彼女が変わらない笑顔で手を振る。離れていても繋がっているなんて信じていないけれど、この瞬間だけは、ちょっと信じたくなってしまう。
わたしの旅は、いつも彼女のいってらっしゃいから始まる。
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