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香澄 海
2023年1月12日 18:30
さわさわと流れ落ちる陽の中少年がひとりまたひとりと青ざめていったさざ波も立てずゆっくりと息をひきとる細胞のかすかな重みが流れ出す少女の初潮が陽を浴びて柔らかく膨らみ頬がひとつまたひとつと赤く染められていったはしばみ色の目がふせられうなじの白さがさらされていく遮断された光が屈折することでたどり着くようにたどたどしく少女は少年を採集した細胞を手折る正直な指