「文章の個性とは?」芥川賞の選評を読んで考えたこと【文藝春秋2024年9月特別号】
第171回芥川賞の選評が公開されていました。
それとともに受賞した『サンショウウオの四十九日』と『バリ山行』を読めます。
毎回、「この視点はなかった」と勉強になります。
今回特に興味深いと思ったのは、
川上弘美さんの選評です。
ナンバ歩きの話から始まってます。
「一体何の関係があるのか」と思いながら、
読み進めたらこんなことが書かれていました。
『サンショウウオの四十九日』を書いている著者が
『バリ山行』のような小説は書けない。
それは逆も然り。
文章に個性があることに言及しています。
少なくとも芥川賞の候補作になる時点で
一定の水準を満たしていると思います。
第167回から読んでいるので、今回で5回目です。
「文章の体を成してない」と思うような作品は
出会ったことがありません。
選評を読んでみると、技術面で突っ込まれている作品はそう多くありません。
それよりも、話の展開や表現について
触れている選評が多いです。
「ダラダラ長すぎて後半失速した」など。
一定以上の水準の文章力に加えて、
目線(一人称、三人称など)、
表現方法、物語の展開などの要素の組み合わせで
評価が変わると思いました。
文章の個性が出るのはこの部分でしょうか。
興味深く感じました。
以上、ちえでした。
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