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【香港-3】香港・The Manor Cafe~カジュアルな英国風様式を楽しむ~(第22回)


セーラー服美少女たちがお出迎え


The Manor Cafe』の最寄りは旺角駅のD3出口。ここから1分とかからない場所をGoogle Mapは示しているのに、初訪問時はなかなか見つからなかった思い出があります。
(Google Mapが間違っているのかな…?)
その疑問はしかし、正しいものではありませんでした。近くの衣料品店でお姉さんに聞いてみると、「その住所は2、3軒隣のビルじゃないかな?」(英語で)とのこと。
店名やビル名(聯興大廈)を見せても反応は芳しくなかったので、香港では目的地の住所を知っておくことが大事と痛感します。

「ここじゃないか…?」5分ほど彷徨った後、確かにそのビル『聯興大廈』はありました。物凄く細長い建物です。
1階はバッグや雑貨のお店、店舗のある11階へ通じるエレベーターがその奥にあったのです。ほとんど宝探しをしている気分ですね(笑)

これは難易度が高い! 確かにビル名が書いてありますが、洋品店と雑貨屋が目立ちすぎて…。
ともかく、エレベーターにたどり着くにはお店の間を抜けていく必要があります。

11階に到着すると部屋のドアが2つありますが、情報を仕入れておかないと、ここにメイドカフェがあるなど絶対に気付かないレベルです。
恐る恐るベルを鳴らすと、果たしてそこに現れたのは緑のスカーフが付いた紺色のセーラー服を着る美少女でした。(この日はコスプレイベントだった模様)
英語、通じません(発音が悪すぎたか?)。中国語、通じません(普通話は嫌われるか?)。ヤバいなと思っていると「日本人ですか?」と問いかけられました。発音はなかなか上手。

こちらは2回目に訪れた時の写真。初訪問時は看板もなかったため、秘密結社的雰囲気が満点。
写真奥に1回目のハリーポッターイベントで使われていた電話ボックス(後述)があります。

マンションの一室のような店内に通されると、客は私ただ一人。先の子はメニューを手渡すとそそくさと奥に消えてしまいました。だ、大丈夫かな…? ですが、その心配は杞憂に終わることに。
「こんにちは~♪」「ハ、ハロー」妙な異邦人が来たからか、メイドさんが複数人やってきました。休憩室のような部屋が別の場所にあるのでしょう、どうやらワンオペではない様子。やがて数人が私の相手をしてくれることになりました。
今日は正式な出勤ではないという私服の女の子(バイト先に遊びに来た感覚かな)や、制服姿の小さな女の子など。そして、常連のオタクさんもご帰宅。何やら賑やかになってまいりました。 

言語の壁をゲームで乗り越えよう!

 
「今はハリーポッターイベントをやってるの」と解説してくれた通り、内装は煉瓦造りを模した英国風。イギリス国旗はもちろんのこと、かの国でお馴染みの電話ボックスまで置かれているではありませんか。
ハリーポッターの主人公らが着用する衣装も掛けられており、かなりの凝りよう。この後もう一度訪れていますが、通常時の内装もイギリスを意識したシックな雰囲気です。

格式の高ささえ感じさせる、凝りに凝った内装。いい意味でメイドカフェっぽくありません。

 まずは日本アイドルの話に花が咲く。私服の子はAKB48のたかみなやともちんが好きだとか。来店時は既にお二方とも卒業していたものの、やはり人気絶頂期のメンバーは知名度抜群みたいです。
常連オタクさんは欅坂46(当時)の平手ちゃん推しで、握手会のために来日した経験があるとのこと。あのカリスマ性は海外でも人気が沸騰しているようです。

ところで、メイドさんの中には日本語が分からない子もおり、私は広東語が全く分かりません。全員の共通語は英語ということで、皆さん凄く気を遣ってくれたのでしょう。簡単なゲームでおもてなし頂きました。
「找我妹」というカードゲームで、1枚の札に10個くらいイラストが描かれており、手持ちの札からそれと同じイラストが含まれる札を、その物の名前を発すると同時に早い者勝ちで出していくというもの。おそらく子供向けの分かりやすいゲームです。「Umbrella!」「Grape!」という具合に。
これなら私でも大丈夫…と思ったのも束の間。さすが元英国領、彼らの英語力は当たり前のように私を上回っていました。ただ単語を一語発するだけなのに、英語での呼び方が分からないモノが多々…。都合10年間は英語を学習したはずなのに、なぜなのか!?
悔しい思いもしましたが、やっぱり一期一会のゲームは楽しく、錆び付いていた英語力を呼び起こすきっかけにもなります。

たまに、日本語が分からない小さなメイドさんが「これ何て言うの?」と尋ねてくるので、私はローマ字を紙に書きながら「木(き、KI)」「大根(だいこん、DAIKON)」などと説明します。彼女はローマ字通りに発声してみるのですが、アクセントが独特でとても可愛く…。
その子もやはり日本好きらしく、大阪の心斎橋を訪れたことがあるとのこと。余談ですが、彼女が書いた文字は「心齋橋」。私は書けないぞ、その「」は…。なるほど、香港も正体字(繁体字)を使うエリアなのです。

ハリーポッターイベントらしく、何やら魔法のポーション?的なドリンクが提供されました。

 気が付いたら2時間半が過ぎていました。ドリンクもとうの昔に飲み干していましたが、つい夢中になってしまいます。
のんびり、まったり。他の店も開拓するという目的もあるのですが、居心地が良ければ長居したっていい。あんまりお店の数にはこだわり過ぎない方が楽しめます。仕事じゃないんだから。

最初こそどうなるかと思いましたが、お客さんを含む皆がフレンドリーに接してくれて本当に感謝が尽きません。大変心休まる女僕咖啡(メイドカフェ)です。私の作った香港女僕咖啡地図を興味津々に見てくれて、さらに知らなかったお店まで教えてくれるという優しさも。
さらに、ここで知ったのが「香港では15歳からメイドさんのお仕事に就ける」ということ。少なくとも日本的価値観では、女の子に年齢を聞くのはタブーなのでしていませんが、もしかしたら小さな女の子はまだ高校に入りたてくらいだったかな…? 想像も交えつつ、何とも驚きの事実を知ったひと時でした。

1年後に再訪を果たした時は、グループ客で賑わっているさなかでした。メイドさんが歌ってくれるイベントの最中で、私がリクエストした「天気の子」(2019年当時は海外の映画館でも複数回観賞するほどハマっておりました)の主題歌も無茶苦茶上手に歌ってくれて感激しました。
控え目に言って、最高。

営業は夕方からとなります。店内は狭いので、団体さんが先に入店していたら満員になる可能性があることや、建物の分かりにくさがネックです。ただし、それを補って余りある魅力があるのもまた事実だと思っています。


★お店の情報★

アクセス:MTR旺角駅D3出口徒歩1分
住所:九龍西洋菜南街 聯興大廈11樓88室
営業時間:17時~22時

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