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ゴジラ-1.0を観た感想の話

はじめに

 ネンジュモです。ゴジラ-1.0を観たので観た時に思ったことをここにまとめてく。
 ネタバレ注意

横にいるのは自分の使ってるアバター、実際の身長110cm
いえーい


全体のざっくり感想

 戦災の化身との対峙を通して、戦争に決着をつけるお話

登場人物について

 元特攻兵で、特攻から逃げた後、大戸島の呉爾羅襲撃からも生き残ったという経歴を持つ敷島浩一をはじめ、登場人物のほとんどが戦争経験者。そのため、いろいろな面で戦争が軸になっていた印象。
 途中、ささやかな幸せな日常や、復興に関する描写が入るけれど、ゴジラ登場の前振りなのでそこも恐ろしかった。

敷島浩一

 脚本に徹底的にいじめられてた印象のある人。PDSDの演技が生々しかった。「俺の戦争はまだ終わってないんです」ってセリフが特に印象に残った。ゴジラにヒロインの命を奪われ、復讐心に囚われてからは目の殺意がめっちゃ強かった。自分を確実に恨んでいるであろう人に戦闘機の整備を任せ、特攻しようとするなどなかなか狂気に囚われていたけれど、最後脱出装置のおかげで生還、ヒロインの生存も発覚したので幸せに暮らしてほしい。
 震電に乗ってた時の楽しそうな顔も印象的だった。飛ぶのは好きだったんだろうなーと。

大石典子

 ヒロインの人。両親の死を目にしても生きろと言われたことを全うするなど、精神が強い側の人間。
 放射熱線の爆風に消し飛ばされたにも関わらず、終盤で生きていたことが判明、ただ首元に謎の黒いあざが、とハッピーエンドと捉えるには不穏すぎるなーというかんじ。 

新生丸のメンバー

秋津淸治、野田健治、水島四郎の3人
秋津は年長者で、わりと豪快なおっさんだった記憶。好きな方なキャラクター。野田は科学者キャラで、芹沢大助や牧悟郎のようなポジションっぽい人。この映画の戦争に対する姿勢を強く印象付けた人だと思う。水島が最年少で、戦争経験のない無鉄砲寄りな人という印象。自分は戦争で活躍したいという思いはないのであんま共感はできなかったキャラではある。

橘宗作

 呉爾羅に虐殺された大戸島の整備基地の生き残り。敷島のPTSDが長引いた元凶なのでは?という感想もある。この人が震電に脱出装置をつけたのが意外だった。パンフに役者が考える橘の心境が書いてあったのでそこでようやく消化できたかも?

 戦争からの帰還兵が多い時代だったから、民間人を動かすゴジラ討伐作戦ができたんだと思う。

本作の呉爾羅/ゴジラについて

 本作のゴジラも、最近のゴジラ作品につきものな形態変化要素を持った存在。
 ただ、元々から大戸島近海に住んでいた呉爾羅という生き物が、ビキニ環礁水爆実験の影響で変異、巨大化した結果ゴジラへと変化したという、初代オマージュの経歴なので、そこまで外してはなかったり。本作の特異な点は呉爾羅自体も結構暴れ回り、人を殺戮してるという点。序盤に現れ、ジュラシックパークのティラノサウルスの如く暴れ回り、整備兵を殺していくのでとても怖かった。

 本当に大戸島呉爾羅がマイゴジかは、大戸島〜ビキニ環礁までは結構離れているということもあり怪しい部分もある。本当は別個体で、大戸島にいた個体は健在って可能性、東京まで泳いで縄張りを広げているので、縄張りがかなり広い生物でもある可能性、どっちもありえそうだとおもった。少なくとも、自分の鳴き声に引き寄せられる点、縄張り意識がとても強い点から、複数いるのは確実らしい。
 (パンフレットの感じだと、大戸島呉爾羅=-1.0ゴジラであっているらしい。縄張りが非常に広い海棲不死身恐竜が複数個体いるのは普通に怖い)

 ゴジラも怖かった。モンスターバースシリーズのゴジラがゴジラ狂信者により裁定の神のような存在として描写され、シン・ゴジラのゴジラが東日本大震災の影響や現代舞台であるということも相まって、天災の化身のように描写されていたようにおもう。それに対して、ゴジラ-1.0のゴジラは、人を執拗に狙って攻撃する描写や、放射熱線の着弾描写が核爆発を彷彿とさせる描写、戦後直後に現れたことから、戦災の化身をイメージして表現してるんだなと思った。その点は初代ゴジラと共通してんのかもね。

 ちなみにアニメ映画三部作のゴジラは人類ぶちのめして惑星の支配者になった存在で、ゴジラS.P.(シンギュラポイント)のゴジラは宇宙そのもののようになった高次元ゴジラが3次元空間に投影されて現れ、成長して宇宙を破局させるとどちらもぶっ飛んでおります。

 フォローしてる人が海上から身を乗り上げるシーンはどうやってるんだということをツイートしてたけれど、確かに不思議だなーとは思った。後述の海神作戦の描写的に陸上で直立するような姿勢を取ってたみたいだし。
 あと戦艦の砲撃でかなりのけぞってたので、歴代ゴジラと比較してそこまでのけぞり耐性低めだったけどそこはあんま気になんなかった。直前のシーンで機雷を口内で起爆しても自己再生してることにドン引きしたからかも。
 放射熱線の演出は、尻尾から鰭が発光するとともに突き出していき、押し込まれることで熱線が発射されるというシークエンスで結構独特でカッコよかった、着弾はとてもえぐかったですが。

 初代ゴジラにおけるオキシジェン・デストロイヤー、シン・ゴジラにおけるヤシオリ作戦みたいに、政府から独立して建てられたゴジラ討伐作戦が存在し、海水圧の急激な上昇、副次策として急激な減圧によりゴジラを駆除する海神作戦が立案・実行されるのですが、計画の要がフロンガスだったのが時代性を感じた。
 ちなみに、実際に海神作戦をやろうとすると、深海に落とすためのフロンガス、海上に引き上げるための炭酸ガスともに凝固・液化し、そこまでうまくはいかないんだとか。作劇上の都合かなぁと。

 計画の実行で犠牲が出なかったけど、それが戦争中の特攻との対比、戦争を終わらせるということにつながってるのかなぁと。

その他の思ったこと

 邦画の臭い演技とか、邦画らしさの強い演技というのはあまり感じなかった。別に自分が邦画の演技が嫌いなわけではないからだと思いますが。
 CG描写は、全体的に高クオリティだけど、気になる時もあったと言ったかんじ。
 ゴジラの出番はわりと少なく、人間ドラマは多めでしたが、ゴジラが東京ボコボコのボコにする前置きとして充分役割を果たしていたと思うし、ゴジラ=戦争と考えると、ゴジラは敷島や橘の心を侵し壊し続けていたとも言えそう。
 監督がstand by me ドラえもん、ドラゴンクエスト ユア・ストーリー等を作った山﨑貴監督というのもあり、ゴジ泣きとかユアストーリーになるんじゃないかとめちゃめちゃ懸念を示されてましたけど、本作はすごく面白かったのでよかった。

おしまい。

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