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なぜ私は怪しいアトピービジネスに走ったのか?その真実とは

アトピーを治す方法をいろいろ試したけど全然効果がない。どうすればアトピーは治るの?
このまま治らないのではないだろうか…と夜も眠れないほど悩み、不安を感じていませんか?
以前の私もそうでした…。
私は子どものころから15年間ステロイドを塗り、説明なしに脱ステロイドをされて、お医者さまを信じることができなくなってしまいました。
とにかくアトピーに良いと言われるものは全て試し、20代までの貴重な時間とお金を失いました。
そんな私が藁をもすがる思いで実践した民間療法の数々です。
似たような体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
今振り返ってみても、明らかに遠回り感を感じざるを得ないものもあります。
今となれば笑い話のような経験もありますが、当時は本当に真剣だったのです。
この記事を書こうと思ったきっかけは、アトピーで悩んでいらっしゃる方に、アトピーで苦しむ人生ではなく、幸せな人生を送っていただきたいと思ったからです。
私だけの経験に過ぎませんが、同じ悩みを抱えていて、必要としてくださる方の目に留まり、その方の役に立つことができたら幸いです。


なぜ民間療法をするようになったのか

はじめに、なぜ私が民間療法をするようになったのかお話したいと思います。
私は生まれてすぐにアトピーと診断されました。
全身ただれていつも泣いていたそうです。
母によると、このころから皮膚科でステロイドを処方され塗っていました。
同じ皮膚科に15年間通いました。
症状は薬を塗れば良くなる、塗らなければ悪くなるという感じでした。

15歳のとき衝撃的なことが起こりました。
先生が「今までステロイドを長い期間塗ってきたので、ここで止めましょう」と言うのです。
私も母も先生の意図がわからなかったのですが、「先生がおっしゃるなら悪いようにはならないだろう」と考え、その夜は、初めてステロイドを塗りませんでした。
ところが…。
一日、二日、三日と症状が悪くなり、顔はひどくパンパンに腫れ、目が開けられません。
私は、腫れあがった目で、鏡に写る自分の姿を見て、あふれる涙が止まりませんでした。
脱ステロイドはあまりにも衝撃でした…。

皮膚科に行くと先生は「これはステロイドの副作用だからしょうがない。これ以上強いステロイドは出せない」と言うのです。
私は今まで、何も知らず先生に出された薬を塗っていましたが、長く使い過ぎると副作用で腫れてしまうのです。
このような状態になった顔を「ムーンフェイス」と言うことをのちに知りました。
ですから本来は少しずつ減らすものなのだそうです。
この時、なぜ先生が急にステロイドを止めたかはわかりません。
しかし、15歳の多感な時期にこの外見はつら過ぎました。

私たちは、車で1時間かかる大学病院に行きました。
「大学病院ならなんとかなるはず」…他の方法も知らず、信じざるを得ませんでした。
その大学病院で、やたら広い診察室に入った途端、複数の白衣を着た人たちが目に入り、その彼らが驚きのまなざしで私を見ました。
研修医でしょうか、合わせて3~4人の医者風の人がいました。
アトピーに対して効果のある対処法をお医者様が教えてくれることもなく、写真を撮られるだけでした。
診察結果よりも、見せ物になった恥ずかしさと怒りから、そのようなものしか記憶にありません。
脱ステロイドの中、私たちは病院を信じることができずに、民間療法を試すことになりました。

その時の体験談は、こちらで紹介しています。

➀水治療

1番はじめに試したものが「水治療」でした。
近くのスーパーに、たまたまあったチラシに載っていたもので、母が見つけて来ました。
そこには、私のように浸出液で赤くただれた人が水治療できれいに治っている写真が掲載されていました。
「これはすごい!」と思い、私も水治療をはじめることになりました。

まず器械を購入し、水と塩を入れます。
酸性水とアルカリ水に分かれて出てきますので、酸性水を体にかけ、アルカリ水を飲むという治療法でした。
器械は高額で、何十万かしました。
アルカリ水を飲用することでアレルギー体質を改善できるというもので、酸性水は殺菌作用があり肌を殺菌してくれるというものでした。
アトピーの肌は黄色ブドウ球菌が多く存在しているので、酸性水が効果があるということでした。
アルカリ水は飲めば飲むだけ効果がでると言うので、1日3~5リットルは飲んでいました。
酸性水は少し匂いはありますが、体にかけても沁みたりはしませんでした。
脱ステロイド中、顔から浸出液が出ている時でした。洗面器に酸性水を入れ、泣きながら顔を入れていました。
半年ほど続けたでしょうか、しかし、残念ながら私には効果はありませんでした。

②ダニを除去する商品|防ダニ布団など


次に試したのがダニを除去する商品です。
アトピーの原因はダニであるということは有名ですよね、私もはじめはダニアレルギーと診断されました。
そこで、ダニを吸い取る特殊な器具(掃除機の先に付ける)を買いました。
掃除機を使うときは、この器具をつけます。
それから、布団などは防ダニ効果のあるものに変えました。
布団は天気の良い日は天日干し、表面を家庭用掃除機で吸います。
布団カバーは毎日洗濯して交換します。
床・畳は毎日掃除機をかけていました。
とはいえ、ダニは目に見えないので気の遠くなる作業です。
掃除しても掃除しても、私のかゆみはおさまらないので母も途方に暮れていました。
確かに、ダニはアトピーの原因のひとつとですが、すべて除去するのは無理な話でした。

③手かざし宗教(!?)


次に試したのが、手かざしです。
知り合いづてに、「手かざし」で難病も治ったということを聞き、手かざしを勧められました。
アトピーは見た目でアトピーとわかるので、本当につらい病気です。
「手かざし」とは、手を患部にあてたりかざしたりするだけで体の不調を治そうとする方法です。
「朝起き会」というものがあっていて、休みの日の朝早くに道場のようなところに行っていました。
半年くらい通ったでしょうか。
全然変化はありませんでしたが、この時は藁をもつかむ思いだったので、特段怪しいと思いませんでした。
苦しい時、目に見えない力を信じたくなるものですね。

④漢方の煎じ薬


次に試したのが、漢方です。
漢方は慢性疾患アトピーやアレルギーに特に効果があると本で読み、漢方の専門医を探して通院しました。
私が行った漢方医の先生は優しく、話をじっくり聞いて説明してくださるので、今度こそ治ると期待していました。
先生によると「アトピーやアレルギーの原因は胃腸の冷えが根本にあり、これを治さないと完治は難しい。胃腸を温めると完治する。」ということでした。
完治という言葉に初めて希望の光がみえました。

治療法は漢方で胃腸を温めると同時に、食べたり飲んだりするもの全て胃腸の温度より高い37℃以上にし、漢方の温める作用と飲食物の温度で治すというものでした。
皮膚を悪くするもう一つの原因は食べ物。
注意するものは甘いもの、油、肉、牛乳、ヨーグルト、などの乳製品、パンや小麦製品。
これらは粘る性質が強く、摂りすぎると、要らないものが体にたまる。
これが痒みの原因ということでした。
主食を玄米にし、キャベツや小松菜、チンゲン菜などの葉野菜を少量の油で炒めた野菜炒めが良いということでした。
この食事法はいつまでも続ける必要はなく、肌や腸の様子をみながら食事を変えていくということでした。
粘りの少ない卵、鶏肉から始め、それで大丈夫なら、豚肉、牛肉と増やしていきます。
飲み薬は漢方の煎じ薬です。
煎じ薬を取り扱っている薬局で調合してもらいます。薬草を煎じてもらい、アルミパックにいれてあるものを、家であつあつにして飲みます。
多少独特のニオイはしますが、飲めないものではありませんでした。
漢方は二千年の歴史があり、きちんと修行をされた先生でしたので治ると信じて頑張りました。

しかし、1年くらい漢方の煎じ薬と食事法を続けていたのですが、口にするもの全て熱々のものでないといけないので、夏がつらいのです。
そして、使える食材が少なく食卓が寂しいです。
まず外食はできません。
あと煎じ薬が重いのです。アルミパックの中は液体なので二週間分となると、すごい重さです。
大量の漢方を、薬局から自宅に持って帰る時に、自転車の前のかご、ハンドルに下げて持って帰るのですが、重くて重くて。それから漢方は高額で月に2~3万円くらいかかりました。
金銭的に続かなく断念しました。

⑤アロマテラピー


次に試したのがアロマテラピーです。
アロマオイルでアトピーが治るという本を読み、アロマの専門店で本格的な施術をしてもらいました。
アトピー性皮膚炎は「皮膚のバリア機能」が弱まっているため、外部の異物が簡単に皮膚の中まで入り込みやすい状態になっているとのこと。
汗、髪の毛の接触、衣類との摩擦による刺激でかゆみを感じたり、化粧品、シャンプーやリンスなどによるかぶれによっても症状が悪化する。
また、ストレスを感じたときにも症状が悪化するとのことです。
アロマテラピーはアロマオイルに含まれる有効成分が、アレルギーや炎症を抑えるために働きかけ、香りでストレスを和らげ、心とカラダへのアプローチを行ってくれるので、アトピー性皮膚炎に対して、心強い味方になってくれるとのことでした。
アロマの専門店で、私に効くようにアロマを調合してもらいました。
・皮膚表面の細菌に対して、抗菌・殺菌作用の高いティートリー
・鎮静作用のあるラベンダー
・抗アレルギー作用、ヒスタミンの働きを抑えるカミールジャーマン

他にもあったとおもいますが、これだけは覚えています。
お風呂上りに塗ったり、ローションのものは痒いと思ったときにシュッと吹きかけていました。
ストレスにアロマは良いと聞いたので、アロマディフューザーで香りを楽しんでいました。
良い香りなので精神的に癒されましたが、アトピーは治りませんでした。
保湿で治るくらいの軽い皮膚炎なら良くなったかもしれません。
それから、アロマは、皮膚に合わないとヒリヒリしますので、病院や専門店でご相談されることをおすすめします。

⑥オーダーメイド乳酸菌


次に本屋さんで「乳酸菌」がアトピーに効くという本を読み、手作りヨーグルトを試しました。
””アトピーの根源は腸内細菌の乱れにある
乳酸菌などの有用菌群は正常な免疫機能を作り上げる上で欠かせない存在である
有用菌群が激減した結果、免疫機能に異常が生じアトピーは発症する
抗生剤やステロイドの長期使用、過剰なストレスが、腸内環境の乱れに繋がる””というものでした。
市販で売られているヨーグルトでは菌数が全然足りないらしいです。
乳酸菌の量は最低でも二兆個は必要ということでした。
この治療法は、本人から採取・培養したDNAでオーダーメイドの乳酸菌を作るか、4種類の血液型別に採取・培養した乳酸菌を使うかでした。
オーダーメイド乳酸菌は数十万円と高額のため、血液型別で乳酸菌を作る方法を試しました。

必要なものは、ヨーグルトメーカー、乳酸菌2種類、高温殺菌で脂肪分が3.5%以上の成分無調整の牛乳1リットル。
作り方は簡単で、ヨーグルトメーカーに牛乳をセットし、乳酸菌を入れます。
スイッチを押せば10時間でヨーグルトのできあがりです。
夜セットしておけば、翌朝できあがります。
この手作りヨーグルトを1日500g食べます。
味は、市販の無糖ヨーグルトと同じです。
ヨーグルトは体に良いですし、無添加で市販のヨーグルトより乳酸菌が多いならば軽い皮膚炎には効くと思い食べ続けました。
しかし、この療法でアトピーは治りませんでした。
というか、乳酸菌が非常に高額で続かなかったのです。

⑦断食道場


次に試したのが断食です。
ご存じと思いますが「断食」とは、一定期間飲食行為を断つことです。
本屋に行き「断食でアトピーが治る」という本を読み「これしかない!」とおもいました。
家では断食は難しいので、道場や病院のようなところに行くしかないと思いました。
私は25歳のときに断食を経験しましたが、25年間にわたって、慢性的な毒素の蓄積が起きています。
また断食中は身体が「消化」という大仕事から解放されます。
自然治癒力に力が集中しますので病気が治るとされています。
私は、断食道場と病院での断食を2か月経験しました。

行ってみた結果としては、私のようにステロイドを25年間塗り続けてきて、2か月の断食で治るかと言われれば、それは難しかったです。
ただ、断食ですので、日に日に体重は軽くなり、2か月の断食で10キロ痩せました。
感覚としては、アトピーと炎症による体の「ほてり」は治まったようでした。
断食の難しさは、費用面もあります。
数十万円かかりました。
それから断食後、今まで我慢してきた食欲と向き合えるか…。
断食中は食べ物のことばかり考えていました。
家に帰った時に家族が一緒だと「自分だけ別メニュー」というのは難しいです。
スーパーやコンビニには物があふれており、誘惑が多すぎます。
ですので、入院という特殊な環境なら続けられますが、それを続けるには費用面で続かず、退院してしまえば日常生活の中で断食を続けることは、ほぼ不可能になります。
胃腸を休めることは体に良い、しかし我慢はココロには良くない。
私に一番良い方法は「半断食かな」と思いました。
午前中はあまり食べない。お腹がグーっとなってから食べる。
断食から得たものは、そういうことでした。

⑧玄米菜食

断食後、続けたのが玄米菜食でした。玄米菜食=マクロビオティックです。
玄米菜食、いわゆるマクロビオティックを聞いたことがあるでしょうか?
書店にはたくさんの本が並んでいますし、実践している人も多いかもしれません。
私も、体質改善を願ってこの食事法にたどり着きました。

 マクロビオティックとは、穀物や野菜、海藻などを中心に、日本の伝統的な食事で体を整えるという考え方です。
自然と調和し、心身のバランスを保ちながら健康的な生活を目指すというもの。
断食後、体に優しいものをと願っていた私には、理にかなっているように思えました。

 まずは圧力鍋を買って、無農薬の玄米を炊き始めました。とはいえ、玄米を炊くのは初めてでした。
近所の無農薬野菜を扱うお店まで自転車で20分かけて通い、そこで新鮮な野菜を買い揃えました。調味料もすべて有機や無農薬にこだわりました。

 毎日の食事の基本は玄米と味噌汁。料理が好きだったので、レシピ本を見ながら工夫し、時にはパンを手作りして楽しんでいました。
精米機を買って、玄米を3分づきや5分づき、7分づきにして変化をつけることもありました。
小麦も食べられるので、漢方では禁じられていたものがここでは許されていて、それが嬉しくてたまらなかったのです。

 時には外食もできるマクロビオティックの店を探して利用し、徹底して体に優しい食事を心がけました。

 でも、1年経っても、アトピーが劇的に良くなることはありませんでした。期待していた効果が得られず、悩みは尽きませんでした。


⑨どくだみ、鍼治療、ヨーグルトきのこ、クロレラ…アトピーとの果てしない戦い

アトピーを治すために、私は本当にたくさんの療法を試してきました。どれも「これで治るかもしれない」と思いながら、一つひとつに希望を託してきましたが、現実はそう甘くありませんでした。以下は、その中でも特に印象深かった体験です。

どくだみ療法

どくだみは、昔から「体に良い」とされ、アトピーにも効果があると雑誌に書いてあったので始めました。
どくだみの葉をすり潰し、そのまま浸出液でただれた顔に塗ったのですが、これがとにかくしみるんです。
強烈な痛みが走り、においも独特で、とてもつらいものでした。
それでも、「これで良くなるかもしれない」と信じて毎日続けましたが、効果を感じることはありませんでした。
痛みとにおいだけが残る日々でした。

鍼治療

鍼治療も試しました。針を体に刺すことで体の気の流れを整え、体質改善を図るというものでした。
病院では効果がなかったため、藁にもすがる思いで始めましたが、これも保険適用外で費用が高く、長くは続けられませんでした。
鍼治療中は多少リラックスできる時間もありましたが、劇的な効果は見られませんでした。

ヨーグルトきのこ

ヨーグルトきのこも「腸内環境を整えてアトピーが改善する」という話を聞いて試しました。
毎日発酵させたヨーグルトを食べ続け、腸内細菌を整えることで、肌の状態も良くなるはずでした。
発酵食品は体に良いと信じて続けましたが、残念ながらこれも効果はありませんでした。
少し期待していた分、心が折れそうになった瞬間でした。


クロレラ

クロレラは、豊富な栄養素を含むことで知られ、アトピーにも良いという噂を耳にしました。
緑色のサプリメントを毎日飲み続けましたが、特に肌が改善する様子はありませんでした。
かえって肌荒れが悪化したように感じることもあり、これも私には合わなかったようです。

他にも様々な療法を試してきましたが、あまりにも数が多くてすべてを書ききれません。詳細は割愛させていただきますが、それぞれに希望を抱いて取り組んできたことは確かです。

この経験から学んだこと

アトピーで長く苦しんできた中で、私は様々な「アトピーに効く」とされる商品や治療法に出会いました。
もちろん、すべてが悪いわけではありません。中には本当に助けになったものもありました。
しかし、アトピーで悩む人々をターゲットにしたビジネスの一部には、非常に高額な料金を請求するものや、効果がはっきりしないものも多くありました。

何よりも感じたのは、アトピーという病気が見た目でわかるため、非常にデリケートで、治療に対して絶望感や焦りを抱えている人々の心理を突いて、商業的に利用しようとする側面があるということです。
藁にもすがる思いで高額な商品や治療法を試してみたものの、思ったような結果が出ない時には、心身ともに打ちのめされ、生きる希望を失うほどの絶望感に襲われました。

アトピービジネスの中には、効果がないばかりか、逆に症状を悪化させたり、無理に高額な契約をさせようとするケースもあります。
この経験を通じて、情報をしっかりと精査し、過剰な期待や焦りから無理をしないことの大切さを学びました。

もし、あなたがアトピーで苦しんでいる中で様々な商品や治療法に出会ったとしても、すぐに飛びつかないでください。
焦る気持ちはよくわかりますが、まずは冷静に情報を集め、信頼できる専門家に相談することをお勧めします。
また、何かに大きな投資をする前に、他の利用者の体験談や、しっかりとした証拠を確認することが重要です。

アトピーは、治療法が一人ひとり異なる難しい病気ですが、だからこそ自分に合った方法を慎重に見極めることが大切です。
あなたが、自分にとって本当に役立つ治療法を見つけ、健康を取り戻せる日が来ることを心から願っています。






















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