部下の「なんでも合理化する」諂諛に気を付けましょう!
フリードリヒ2世、第3代プロイセン王。
彼の優れた軍事的才能と合理的な国家経営でプロイセンを強大化し、啓蒙専制君主の典型とされ、ヨーロッパの歴史上の数少ない英主と讃えられる人物である。だが、彼は若いとき、非常に不幸だった。
彼の父親であるフリードリヒ1世が祖父と不仲だったのと同様に、フリードリヒ2世も父とうまく行かなった。父親は持病の痛みから不機嫌になることも多く、息子のフリードリヒ2世を含め、子供たちに暴力をふるうのも良くあったようだ。父親の暴力に耐えできず、フリードリヒ2世は逃亡計画すら立てたことがあったが、その計画が漏れ、あわや父の手によって殺されかけそうになった。
とある日、父親が宴という公の場で息子のフリードリヒ2世に急に怒鳴り始め、息子を殴るだけでなく、皿をぶん投げたりして大暴れした。ただ、大臣たちにとっては、こんな大暴れは既に見慣れていて、とりわけ驚く必要がないはずだが、予想外のことに、大臣たちも父親を真似し、皿をぶん投げ始めた。
おかしいと思わない?
実は大臣たちは、王様と同じ動きをとることで、王様を含めてみんなが酔っ払ってんだと周りに見せたいんだ。そして、息子を殴ったのも親子の仲が悪いじゃなくて、酔っ払いのせいだと王様の行動を合理化するためなんだ。
このようなことは今の職場でもよくあることと思わない?35歳の若さで部長になった大学の先輩からこういう話しを聞いたことがある。「人が偉くなればなるほど、あなたがやった全てのことを合理化する人が増えてくるんだ。不合理なことも含めてね」。従って、騙されずに正しい決断を下すため、どれが合理的な判断か、どれが違うか、常に自分自身で見直さないといけないんだと話した。
今後、偉くなる皆様、部下に騙されないように気を付けましょう!
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