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もの言わぬ君達


朝陽に映える君達もいた。

三十年の付き合いになる。

君達の四季折々に変わる

立ち姿を見ては、幾度も

自分の生き様を、顧みた。

樹齢より、人生は短いと

君達は常に教えてくれる。

そういやぁ、この里山の

麓に亡父が、眠っている。

無口だった父様だが

ここを歩いて君達と会い

きっと何かを語った筈だ。

内緒で教えてくれまいか。

残念、君には教えられない

と、聞こえたような。

陽善

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