指す将順位戦9th S級② 対KIDさん

自分が先手、戦型は相中飛車。

図①、48手目△51飛まで

戦型が相中飛車になったこともそうだったし、左に囲ってきたことも含め、すべてが予想外に進んだものの、とりあえずここまでは何とかバランスはとれていると感じていた。
本譜は▲34銀として相手を歩切れにさせてから考えようという感じで指したが、△53角のぶつけが好手で、45の銀の処置が思った以上に困ったことになってしまった。
ここは▲56歩とすべきで、以下△66銀▲44銀△同歩▲88角△65銀▲34飛△33歩▲36飛△84歩▲同歩△81飛▲55歩△57銀成▲54歩△同銀▲44角△52金▲77桂△45銀▲26飛△22玉▲16歩、が一例で難解な形勢。

図②、64手目△55角まで

駒損の代償が見つからず、かなり不利になってしまったと感じていた図②の局面。
本譜は▲66銀と角成を受けたが、△同角▲同飛△54飛と進みどんどん形勢が悪くなってしまった。
ここは▲53銀とすべきで、この瞬間なら△同銀▲同歩成△同飛と進んだ時に▲62銀から飛車を取ることが出来る。それが出来たからと言って局面が有利にはならないだろうが、本譜と比べて相手玉が弱体化してるし楽しみがいのある攻め合いになりそうだった。

図③、76手目△41銀まで

本譜は▲91角成と香を取りつつ馬を作ったが、△57桂不成▲59金左△49桂成▲同金△69飛と進み、歩切れなので金を手放す以外の受けがなくなってしまった。
ここは飛車が2段目にいてもあまり攻めにならなさそう、ということもあり、▲74飛成とした方が粘り強かった。
以下、△45歩▲91角成△57桂不成▲59金左△49桂成▲同金△69飛▲26香△57角▲59歩△同飛成▲23香成△同玉▲35桂△同角成▲59金、が一例で先手不利ではあるが本譜よりはまだ戦えそうだった。

図④、116手目△44金まで

本譜は▲64馬から攻めたが、手が進んで△41香と受けられた局面は相手玉が鉄壁過ぎて流石に投了が頭によぎった。実際は自玉が手つかずのまま投了する気分になれず、ずっと指し続けてしまったのだが…。
ここは▲72飛とした方がましだった。
以下△42銀と受けてくれば▲64歩△59成桂▲63歩成△58成桂▲同金△84角▲48桂△64歩▲同馬△26銀▲53歩成△同歩▲同と△52歩▲42と△同金▲71飛成△41香▲26歩、が一例で一応▲59歩の粘りもあるのでまだ勝負できたかもしれない。

図⑤、150手目△43銀引まで

本譜の▲24桂~▲12金も、相手が間違えば頓死する順があるにはあるが、冷静に対処され流石に攻め駒不足で局面がはっきりしてしまった。
ここは▲14龍とする勝負手が存在していた。
以下、△34歩▲11龍△44馬▲12龍△22金▲15龍△66桂▲68馬△58桂成▲同馬△14歩▲16龍△33桂▲14馬、が一例でまだ可能性が残されていたかもしれない。

実戦はその後、自玉に受けがなさそうな局面まで指し続け、投了。最終的に192手の超手数での終局となった。

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