第42期ゆかなか順位戦A級⑤ 対なかなかなかなかなかさん
自分が先手、戦型は相中飛車。
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図①の局面はまだ序盤戦であるが、この辺りからどのような方針で指すか決めていく場面でもある。
相手の囲いが金無双になりそうなのにも着目して、ここは▲36歩~▲37銀引、さらに▲46歩~▲58金左~▲47金と駒組を進めて相手との囲いの進展性で勝負するのもありだった。
とはいえ、本譜の順が悪いというわけではなく、この辺りは個人の好みで大丈夫そう。
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本譜は▲55歩で中央から戦いを起こしに行ったが、ここは▲92歩としておく方が良さそう。
▲92歩の狙いは▲89香~▲91歩成~▲93角成~▲93飛成と駒損してでも龍を作り、敵陣に攻め込むことにある。
▲92歩以下、△53銀▲55歩△同歩▲89香△56歩▲91歩成△66角▲同歩△91銀▲65歩、が一例で形勢は難しい。
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本譜は▲92歩とちょっとひねった攻め方をしたが、と金ができても働きがいまいちなのであまり良くなかった。
ここは▲84歩とすべきで、以下△同歩▲83銀△61玉▲82歩△72銀▲同銀成△同玉▲81歩成△44銀▲24香△12飛▲82と△同玉▲75桂△53金寄▲44馬△同金寄▲62銀△74角▲23香成△42飛▲25角△72玉▲53銀成△同歩▲51銀、が一例で先手優勢。
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対局中全く気付いていなかったが、この局面後手玉に詰みが生じていた。
その手順の初手が▲46飛。以下、△45角▲36桂△55玉▲66銀△64玉▲65歩△同銀▲同銀△63玉▲73飛△62玉▲51馬、までの詰み。
実戦はその後、局面は優勢ではあったものの持ち時間が少なく、その少ない時間では指しきれないと判断し投了。負けという結果になってしまった。