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「本好きの下剋上」レッサーくん同乗者まとめ⑤(終)

こんにちは!「本好きの下剋上」のレッサーくんに初同乗したキャラクターをを巡るシリーズ、第5回目、ようやく最終回です。自己満足度150%でお送りします。(オタ活の一環)

あくまで、「本好きの下剋上」好きな、一読者が作中で読み取れる範囲での情報ですので、間違いや勘違いなどはご容赦くださいませ!
この記事では、レッサーくんに関連する物語を振り返りつつ、ネタバレもしつつ、「本好きの下剋上」の良さを語っています。


今までのふり返り

最初に、5部に入る前の時点でレッサーくんに乗ったことのあるキャラクターを振り返ります。

4部Ⅸの登場人物相関図

<相関図の補足>
※名前のない方々(城の料理人とか、神官長の側仕え、灰色神官、鍛冶職人など)は省いています。
※3部にレッサーくんに乗った灰色神官で、ローゼマインの側仕え以外(ノーラやフォルクなど)は省いています。
※ヒルシュール先生以外の貴族院の先生方はこの図には載せていません。(ちなみにヒルシュール先生は4部Ⅸには登場しません)

主人公ローゼマインを取り巻くキャラクターはほぼほぼ、レッサーくんに乗っています。ローゼマインの側近では、側仕えは乗る機会がない模様。そして、兄のコルネリウスも乗っていません。

本題:同乗者紹介(5部~)

いよいよ5部です。5部Ⅰ~Ⅲは貴族院3年生の出来事なので、レッサーくんに誰かを乗せるシチュエーションはありませんでした。お話は5部のⅣまで進みます。

◇神殿見学会のため、城から神殿へ
冬の始めに粛清があったエーレフェストでは、内政を整えることが最優先事項です。メルヒオールは次期神殿長が決まっており、引継ぎを急ぐため、神殿でのお手伝いを始めることが決まりました。また、親が粛清対象で、子供部屋預かりだった洗礼後の子供達を、ローゼマインの発案で(希望者には)神殿の青色神官として遇することになりました。


📝5部Ⅳ P.161 神殿見学会 コルネリウス、メルヒオールとその護衛騎士、子供部屋の子供たち4名(ニコラウス含む)


この日はメルヒオール、4名の子供達を連れて、神殿へ向かいます。

わたしは神殿の正面玄関前にレッサーバスを止めて、後部座席を振り返った。ユーディットとレオノーレが並び、その後ろにメルヒオールとその護衛騎士が並び、更に後ろにはコルネリウスとダームエルに見張られる形で子供部屋の子供達が乗っている。
(中略)
「ローゼマイン姉上の騎獣はすごいですね。こんなに大きくなる騎獣なんて初めて見ました。カッコいいので、私もこんな騎獣にしたいです」

「本好きの下剋上」5部Ⅳより

メルヒオールはどこまでも純粋で可愛らしい。神殿への忌避感もありません。

騎士団からフリタークの引き取り
粛清の関係で、騎士団に捕らえられていた青色神官のフリタークは神殿に戻れることになります。


📝5部Ⅳ P.279 フリターク 騎士団のところから神殿へ


メルヒオールの訪れがあった数日後はフリタークの引き取り日だ。わたしは騎士団のところへ引き取りにいって、騎獣で神殿へ連れ帰った。処刑を免れたフリタークよりも、フリタークがいなくなった穴を埋めて仕事を抱えることになっていたカンフェルが帰還を喜んでいたと思う。
 フリタークは実家からの援助はなく、自力で稼がなくてはならない青色神官一号となった。

「本好きの下剋上」5部Ⅳより

粛清の結果、神殿運営も変わらざるを得ない状況があります。フェルディナンドの後継として、ローゼマイン至上主義のハルトムートが神官長になったことで、神殿の常識も一層様変わりしていきます。少し先の未来、フリタークはフィリーネの弟のコンラートの憧れの人になるんですよね!

◇キルンベルガへ、グーテンベルク大移動
次に印刷業を始めるのは、キルンベルガです。キルンベルガはユーディットの出身地で、国境門を有しています。キルンベルガで印刷業を教えるグーテンベルクのメンバーも今回は大分様変わりしました。後進が育ってきたこともあり、結婚、出産、その他の事情でエーレンフェストを離れられないザック、ヨゼフ、ハイディ、インゴの代わりです。


📝5部Ⅳ P.298 ディモ(木工)、ホレス(インク)、セアド(鍛冶)、ダニロ(鍛冶)。キルンベルガへ


大きくしたレッサーバスを出し、荷物の積み込みを始めてもらう。慣れているグーテンベルクの指示に従い、初めての弟子達がレッサーバスへ荷物を運びこんでいく。一瞬の躊躇いが見えるけれど、大して大騒ぎしないのはやはり色々な話を聞いているからだろう。

「本好きの下剋上」5部Ⅳより

このあと、レッサーくんで空へ飛び出すと、ダニロ(ヨハンの弟子)が高いところが苦手だったと判明し、ちょっとした騒ぎになりました。

国境門について

国境門とは、他の国と通じている転移門です。本好きの下剋上の世界、ユルゲンシュミットとはまったく別の世界と通じています。国内に国境門は6カ所あり、5部Ⅳの時点で、お隣の領地のアーレンスバッハのみ国境門が開いていて、ランツェナーベという国と国交があります。それ以外の国境門は、閉ざされています。

さて、キルンベルガでローゼマインは国境門を案内されます。そこで、語られるお話の中で、「グルトリスハイトの重要性」と「外患誘致罪を犯したことで国境門が閉ざされた歴史」に触れていますが、この2点は今後の展開にかなり重要なファクターだったりします。

物語が進む中でこのエピソードのように自然な流れでもって、段階を踏んで設定を膨らませているのです!その時は気付かないのですが、後で重要だったと分かることも多く、香月先生の凄腕を感じるところです。


お話戻します。このあとは大分先まで行きます。

◇キルンベルガ国境門へ
キルンベルガを訪れてからおよそ1年後。すでにヒロインを救うための戦いは始まりました!そしてグルトリスハイトを得たローゼマインが、約200年間閉ざされていたキルンベルガの国境門を光らせます。


📝5部Ⅷ P.64 キルンベルガ国境門 アーレンスバッハへ行く人で初乗車は、 マティアス、ラウレンツ、クラリッサかな。 ちなみにコルネリウス、アンゲリカ、レオノーレ、ハルトムート、エックハルト、ユストクスは経験済み。


「門柱の階段から上がることもできますが、今回は時間が惜しいので騎獣で一気に上へ行きます。この門を開けたわたくし以外は弾かれるので、アーレンスバッハへ行く者はわたくしの騎獣に乗ってくださいませ」
アーレンスバッハに同行する側近達に騎獣を片付けてレッサーバスに乗るように指示を出す。皆が乗り込む間に、わたしはジルヴェルターに向き直った。

「本好きの下剋上」5部Ⅷより

ここでジルヴェスターはジギスヴァルト王子から預かったお守りらしき魔術具のネックレスを”許可証”として渡しました。「これが王族の許しを得ている証しになるので必ずつけているように、だそうだ。後ろを向け。つけてやろう」とジルヴェスター。(2部Ⅲ)青色巫女時代に、黒い魔石のお守りを付けてもらったことを思い出すローゼマイン。あれから7年ですよ!本当に長い物語です。

このネックレス、実は求愛の魔術具ですが、貴族の常識を知らず、恋愛脳も育っていないローゼマインは知りません。だからこそ、敢えて”許可証”とした意図を思うと面白いですね。
「フェルディナンドを頼んだぞ。ローゼマイン!」というジルヴェスターの声に見送られ、出立です!

◇ダンケルフェルガーからアーレンスバッハへ
国境門の中にある転移陣で、ダンケルフェルガーの国境門へ転移したローゼマイン御一行は、ダンケルフェルガーの戦士たちに熱烈歓迎されます。ダンケルフェルガーで国境門が動いたのは十数年ぶり。それを動かしたということは、ローゼマインがグルトリスハイトを持っていることを示します。一通りの挨拶やら打合せ。特にレスティラウトとの会話はむずむずしましたね。そして、戦いの前の儀式で士気は一層あがり、ダンケルフェルガーの騎士たちを連れてアーレンスバッハへ向かいます。「シュタイフェリーゼより速く!」


📝5部Ⅷ P.78 ダンケルフェルガー国境門→アーレンスバッハ ハンネローレとその護衛騎士、ダンケルフェルガーの騎士達


ハンネローレとその護衛騎士、それから、自分の側近達を乗せてわたしは騎獣で国境門へ飛び込む。残りの騎士達には階段を駆け上がってもらうことにした。ダンケルフェルガーの騎士達は体力が有り余ってそうなので問題ないだろう。

「本好きの下剋上」5部Ⅷより

国境門には屋根を開けた上からと、階段を使って入ることができるようですね。上から入るにはグルトリスハイトを持っている必要があるので、側近たちにはレッサーくんに一緒に乗ってもらいます。

レオノーレが指揮をとる中、マティアスからの説明によると、100人の騎士を一度に転移できないので、2回に分けることになりました。

「一回目に移動するのは階段から外に出る者です。転移した後、階段で待機してもらいます。二回目に移動する者はできる限りローゼマイン様の騎獣に乗せます」
二回目に転移した騎士は、アーレンスバッハの境界門の上空でレッサーバスから飛び出して、自分の騎獣に乗っていくのだそうだ。これで境界門の騎士達の視線を釘付けにし、国境門の階段から出ていく騎士達の安全を確保するらしい。

「本好きの下剋上」5部Ⅷより

もうすでに、レッサーくんはレッサーバスを通り越して、軍用輸送機ですよ。無双状態はさらにパワーアップ!どこまで行くのやら?

◇いよいよ家になったレッサーくん
神々の祝福を得たローゼマイン、魔力の騎獣用の魔石も作り直し、レッサーくんも虹色になります。そして、魔力枯渇計画の一環で、アーレンスバッハの祈念式を兼ねた魔力散布を行うため、側近全員が生活出来るスペースを目標に、フェルディナンドの要望に応えていたら、2階建ての家のような虹色レッサーくんが爆誕!


📝5部Ⅺ P.226 リーゼレータ、グレイティア、ゼルギウス 虹色レッサーハウスへ


「フェルディナンド様。もうレッサーくんが『車』に見えないのですが‥‥‥」
騎獣とは一体何なのか、わたしが問いたくなったところでフェルディナンドは「相変わらず君の騎獣は非常識の塊だが、これでよかろう」と満足そうに何度か頷いた。
‥‥‥フェルディナンド様だけには非常識と言われたくないですよっ!ふんぬぅ!

「本好きの下剋上」5部Ⅺより

相変わらず二人のやり取りは面白いですね。魔力散布式に同行した側仕えのリーゼレータとグレイティア、フェルディナンドの側仕えのゼルギウスは初めてレッサーくん(といっても家)に入りました。ここで同行している料理人はフーゴとエラなので、既に長年レッサーくんには慣れていると思いますが、キッチン付きのレッサーくんですから、驚いたことでしょうね。フェルディナンドの護衛騎士たちも同行はしていますが、レッサーくんの周囲を護衛をしている模様。

虹色レッサーくん生活の中で、フェルディナンドがローゼマインの髪を触るシーンや、ローゼマインが初めてフェルディナンドの魔力を感知するシーンが描かれていました。この部分を始めて読んだのはWeb版の頃ですが、髪を触るって、この世界では結構な愛情表現のはず?魔力感知についても、謎が多かったこともあって、もの凄くドキドキしながら、もの凄い勢いで読み進めた記憶があります。

香月先生は、謎を残しながら、お話を進めていくやり方も本当にうまいので、ドキドキハラハラが続きますし、続きが気になる病になってしまうのです。

最後のまとめ

これまで、レッサーくんに初めて乗ったキャラクターを振り返りながら、「本好きの下剋上」の世界を巡ってきました。ローゼマインが作り出した非常識のカタチ、レッサーくん。車→バス→軍用輸送機→家と進化していきました。そして、レッサーくんの無双とともに、主人公ローゼマインも手段を選ばず突き進み、まだ本はすっからかんの図書館ですが、司書になることが叶いました。見事タイトル回収ですね!

この記事を通して、香月先生の紡ぐ、ユルゲンシュミットの世界設定の緻密さとか、たくさんの魅力的なキャラクターとか、伏線が張り巡らされたストーリー展開の面白さとか、段階を経て世界観を膨らませてくれることで、この複雑な物語についていけるやり方とか、同じ言葉を繰り返すことでその言葉の含ませた思いを読者に感じさせて、心を動かす手腕とか。(本記事ではあまり触れていませんが)全編ローゼマインの一人称視点で綴ることで、敢えてわからないことあって、たまに他者視点が挟まることで物語が多面的になりさらに深まるのこととか。
この物語の面白さ、香月先生の凄腕ぶりを少しでも、伝えることにつながっているといいなーと思っています。


さて、このシリーズ記事はここまでです!
最後までお読みくださり、ありがとう存じます。

今までの記事を紹介して終わります。ご興味あればご一読くださいませ。


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