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愛すること

私は、結局ひとりだ。
そう思ったのが、昨年の冬のだった。


「東京の寒さは嫌いだ」
極寒の地から上京した私。

「とうきょうのさむさはきらい」
東京で凍える私。

「トウキョウサムイ」
死した過去の私。


東京は毎日続く吹雪もなければ、雪もない。
ただ、あの寒さは精神に氷柱を刺す。

そのツララは周囲の大勢の人の「出会いと別れ」から成るように、
人が多ければ多いほど太くなり、鋭くなる。

人生は苦しみそのものだと私は思った。
私はひとりだと思った。

でも、それでいい。
毎日曇りが続けば、一瞬の日差しがこの上なく心地よい。
そうなんだよ。
毎日闘い苦しめば、一瞬の出来事が本当に大切になる。
そんなことをもたらしてくれるだよ、苦しみは。

ただ懸命に愛する。
苦しみを、隣人を、遠くの敵を、すべてを。
私の愛は心に刺さった氷柱を溶かしていく。



「愛すること」
   アイザック

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