「そとうんよー」の野外水槽①
2021年のK科の実習、生徒たち自作の(!)水槽濾過装置が中庭に設置されていた。その濾過水で飼育されていたのが金魚。琉金という種類のものだとS氏に教えてもらった。なるほど、この子たちもなかなかかわいいんでないの。
その秋、実習の役目を終えた琉金たちが、「そとうんよー」そばの大きな水槽(舟、と呼ぶみたい)に入れられたので、私はたびたび会いに行っていた。
ところで、「そとうんよー」の中にいたウチの金魚のきょうだいたちは、この頃に次々と旅立っていたらしい。親らんちゅうはとっくになくなっていて、きょうだいたちも寒くなってきて体調を崩し、次々と病気になってしまったとのこと。
そっかー、残念だけど仕方ない。
でも、1匹だけ、残っていた。そのコが琉金と一緒の野外水槽に入れられていた。ひときわ小さな、泳ぎのヘタな、らんちゅう。
ほんとうにかわいくて、私はそのコに「らんちゃん」と勝手に名前をつけていた。
らんちゅう好きのS氏とよく話すのは「らんちゅうって、泳ぎもヘタで不器用だし、動きがどんくさいっていうか、でもそこがたまらない」ってこと。
らんちゃんも例にもれず、琉金と比べるとワンテンポ遅い。ごはんタイムにS氏がエサをパラパラまく。琉金たちは一斉に水面の方に向かうけれど、らんちゃんがごはんに気づくのはずっと後だ。「えー、何かあったのー?みんな動いてどうしたのー?」と底のほうからゆっくり上がってきて、ようやくエサに気づく。その頃には琉金たちがほぼ平らげてるから、らんちゃんが水面にきた頃には、ごはんは、ない。あっても、泳ぎが下手でうまく食べられない。
あぁ、なんて愛らしいのでしょう。
職場にいる私のアイドル、らんちゃん。
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