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【ベトナム縦断記#5】追憶の都市、ホーチミン【バイク、犬肉、ぼったくり有】
「おい、おい、おい!」
多分ベトナム語でこんなことを言っていたのだろう
重い瞼を開く
ぼんやりとした視界の中にいた男は搭乗口を指差している
視線を腕時計に落とす
深夜2時40分
登場時間の5分前だった
前回のはこちらから
6日目:ネオン・ネオン・ネオン!
サパからハノイに戻り、ハノイからホーチミンに行く
本来なら24時に着く予定だったが、飛行機は6時間遅延していた
空港のベンチで横になっていた俺は、気がつくと夢の中を廻遊しており、搭乗口5分前になって誰かが現実世界へ連れ戻してくれた
夢と現実の境目が(本当に)曖昧だったので、職員の人か、それとも同じ搭乗客かは分からないが、本当に助かった
マジでありがとう
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ハノイからホーチミンへは約2時間
着いたのは5時、もう朝日が顔を出し始めていた
グッタリとした体で、grabを捕まえホステルに向かう
3泊分の料金をすでに払っていたが、1泊分は空港のベンチで消えた
勿体無い…
ようやく到着したホステルでは仕切りのカーテンが何故か壊れていた
ベルリンの壁と違って、自他の壁は常に存在していてほしい
休憩できるはずもなく、荷物を置いて早速ホーチミンを散策する
まずいったのがビイビエン市場
ぼったくり市場と言われる場所で、日本では考えられないほどの屋台密集率を誇る
特に何かを買った覚えはないが、ホステルに近いということもあり、ホーチミン滞在中はよく行った
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そのあとは主要な観光地を巡る
ホーチミンはハノイと違って発展しており、日本人も多く見かけた
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夜は日本人オーナーが経営しているピザ4P"sへ
人気店というだけあって、18時の時点で数人並んでいた
しかし待てど待てども、自分よりも後に並んだ人たちが呼ばれる
なんだこれ、もしかして差別か?
そう思い、店員にまだかと聞いたら焦った様子で、すぐに通してくれた
自分の貧弱な英語力のせいで、単に予約が通ってないだけだった
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美味いピザを平らげた後は、コーヒーでも飲みたい
そんなブルジョワな考えを胸に、高級のコーヒーを提供するというレジェンドコーヒーへ向かう
ベトナムではカフェ文化が発達しており、1杯200、300円で飲めるが、ここで頼んだのは800円の高級コーヒー
気になる味についてたが、人生で飲んだコーヒーで一番美味しかった
マジでレジェンド
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ホーチミンは騒がしい
中心地に戻ると、DJが爆音でEDMを流し、大衆が踊り狂っている
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遠目で眺めて、逃げるように次の目的地に行く
東南アジア随一のバックパッカー街、ブイビエン通りへ
あぁ…、ここも騒がしかった
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それでもこのうるささは嫌いじゃない
DJが自発的に熱を起こしているのではなく、日常的に自然と熱が起き上がる感じが良い
なんの申し合わせもなく、各自が勝手に光らせ、勝手に音楽を流している
それぞれの行動の結果、このネオンが生まれている
ベトナム特有の低いベンチに座り、ビールを流し込む
朝の疲れも気づいたら無くなっていた
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7日目:戦争の記憶
ホーチミン2日目はツアーに参加した
なんで一人なのにまたツアーに参加するんだよ…
そう思われるかもしれないが、ベトナム戦争の舞台になったクチトンネルに行くには基本ツアーしか選択肢がなかった
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クチトンネル
中は大人がしゃがんでギリギリ入れるかの大きさで、まさしく人間版アリの巣だ
入って数十秒で、圧迫感からか息苦しい
この狭さと複雑さが全長250kmにも続いているのだと思うと、恐ろしい
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なぜベトナムが大国アメリカに勝利できたのか
クチトンネルに入ってみて、初めてその理由が体で分かった
まさにこれが「体感する」ということだろう
彼らの計り知れない労力と賢さの掛け算の結果が、ベトナム戦争の勝利であり、クチトンネルを生み出した
しかしその悪魔のような計算式の過程では、両軍に多くの犠牲をもたらした
ツアーの人は米軍を無理に貶める様なことはせず、淡々と当時の状況について解説する
それでもその時の真剣な眼差しには、何か確固とした信念を感じさせられた
クチトンネルツアーは午前中で終了したので、午後からはホーチミン観光を再開
まずは、ベトナム戦争証跡博物館に向かう
そこにあったのは目を覆いたくなるような写真ばかりだった
クチトンネルに訪れた直後だったので、この惨状がより現実に近いものとして感じる
訪れている人の多くが欧米人だったことは何か印象的だった
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旅と酒は切っても引き離せない
昨日は歓楽街で飲んだので、今回は貧乏旅行している分際にも関わらず、バーに向かう
クチトンネルツアーで服は泥だらけだったが、何とかドレスコードの網を突破することに成功
ちなみにお金はないので、カクテルは頼めない
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8日目:ラスト・オブ・ホーチミン
ホーチミン、ひいてはベトナム縦断旅ラストの今日は中華街チョロンに向か美味い
流石に1週間以上となると、旅疲れが出てくる
旅は1週間くらいがベストなのかとこの時、はじめて思った
ベトナムは東南アジアで唯一、華僑がいないと言われるが、それでも中華街というのはあるらしい
まずは中国風のお寺を見る
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朝ごはんとして、杏仁豆腐とベトナムの伝統料理だというチェーという頂く
杏仁豆腐の味は普通
チェーはトロリとしたスープでとにかく甘い、というか甘ったるい
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昼ご飯はベトナムに来た目的の一つでもある犬肉が食べられる店に向かう
罪悪感もなかったわけではないが、それでも好奇心の方が大きかった
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ベトナムは昔から伝統的に犬肉を食べていたというが、近年では動物愛護の観点から犬肉を提供する店もどんどん減っているのだと言う
食べられる時も、国も今しかない
そういう思いから犬肉をローストしたものを頂いたが、正直言ってあまり美味しくなかった
何というか皮がパリパリしていて、肉が凄く筋筋しい
食べているとだんだん気持ち悪くなってくる(気持ちの問題かもしれない)
1/3ほどは残してしまった
良い経験にはなったが、もう犬肉を食べることはないだろう
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カフェで休んだり、お土産を探していたりしたら、日も暮れかけていた
せっかくなので、昨日眺めていたメコン川を渡ってみる
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メコン川越しにみるホーチミンはまた違った印象を受ける
連なる高層ビルはベトナムの勢いを感じさせるし、ここからはもうサイゴンの面影は感じられない
記憶はいつしか過去になり、その積み重ねは歴史となる
自分を含め多くの人々は、「ベトナム戦争」とは「ベトナムがアメリカに勝利した」といった荒い解像度で捉えてしまう
しかし、教科書では数行で済まされるその歴史の中には多くの人々の記憶がある
ホーチミンの中には今も、サイゴンの記憶が眠っており、それを私たちは忘れてはいけない
徐々に太陽は隠れ、それに呼応するかのようにネオンが光出す
ハノイ、サパ、ホーチミン
様々な表情を見せるベトナムをどういう国か、一回の旅で説明することはなかなか難しい
それでも様々な場所で掲げられたベトナム国旗は独立の喜びと誇りを感じさせるものであり、それは日本が忘れかけてしまっている何かでもあると思う
多分、ベトナムにはまた来るだろう
そんな根拠のない自信を抱え、ベトナムを後にした
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いかかだったろうか
当時は月見バーガーだったのに、気がつくとグラコロの季節になっていたが、なんとか書き終えることが出来た
今後も国内外の旅行記録について書いていく予定なので、良かったらスキ、フォロー、コメント等是非
※今後の投稿の励みにもなります!
では!
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