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【就活コラム】企業研究不足

企業の採用活動のスケジュールに合わせて、個人面談の内容は履歴書・自己紹介書からエントリーシートに変わって行きます。企業によってエントリーの締切日は違いますが、同じ企業のエントリーシートの添削が、集中することがあります。

マスコミ、特にテレビ局は、就活生に人気があります。ある在阪のテレビ局のエントリーシートを、個人面談で続けて見ることになりました。共通して言えることは、志望動機が書けていません。企業研究が弱いことが理由です。自己PRは、履歴書・自己紹介書を書いたことがある学生なら、大学生活の中からテーマを絞り、まとめて書けているはずです。

志望動機は、応募企業に合わせて書き変える必要があります。そのためには、業界研究や企業研究が必要です。なぜこの業界か、同業他社と比較してなぜ応募企業なのかを問われています。

マスコミは、媒体によってビジネスモデルに差があります。求める人物像や仕事で必要な能力は、全然違います。新聞は個人の課題解決力を強く求められますが、テレビはどちらかと言えばチームワーク力が必要です。企画会議や打ち合わせ、またリハーサル、本番など、多くの専門的なスタッフが関わるため、仕事のプロセス重視です。新聞記者はプロセスを問われることはあまりなく、個人の結果が全てです。

ある学生に「応募企業の制作番組で何が好きですか。」と聞くと、看板番組しか答えられませんでした。さらに好きな理由を聞くと、納得できる答えは話せません。番組制作者は、自分たちの番組に自信と誇りを持っています。仲間になるためには、気づいてあげる必要があります。

また、同業他社との番組比較もできていません。私が面接官なら「他のテレビ局に行かれたらどうですか。」と応募者に伝えます。1次面接敗退は確実です。少なくとも応募企業の制作番組は、ひと通り見ておく必要があります。

さらに「入社してどのような番組を作りたいのか。」と訊ねられます。昨年面談したある就活生は、テレビ局の1次面接で「お笑い番組が好きなので、お笑い番組を作りたい。」と話したそうです。好きだけでは視聴者と変わらず、説得力がありません。テレビ局でなくても、芸能プロダクションでも実現できそうな志望理由です。テレビという媒体を使って、誰に対して、どのような番組を作り、何を伝え、視聴者にどうなって欲しいのか、を深く考える必要があります。

準備や対策もなく、マスコミやテレビ局に対する憧れや記念受験では、書類選考は通過してもそのあと数回続く面接が通過することはありません。エントリーシートの締切日が集中する中で、どれだけ深く企業研究ができるか、また他の応募者と差別化できるリアルな情報を収集できるかが、エントリーシート通過と面接対策の決め手となります。


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