AI編集者リーラに聞いてみた
電子書籍作成・販売プラットフォーム パブーから、「AI編集者 リーラが目次作りをお手伝いします!」とのお知らせが届いた。遅ればせながらAIの活用に興味が湧いてきたところだったので、「AI編集者」とはどんなものか、何がどの程度できるのか試してみた。
新人編集者(AI)リーラが目次を作ってくれるんだって!
パブーからAIの新人編集者リーラが加入した、とのお知らせがあった。「章立てが得意」で「目次を作ってくれる」AI編集者だそうな。
AIといえば、noteにもAIアシスタントがあるようだが、先日使ってみたところ、どうも自分のやりたいことにマッチしないようだった。
「AIなんて所詮こんなものか……」と思っていたのだが、たまたま、結構昔から使っているパブーにAI編集者エディがいて、自分の書いたものの「感想が聞ける」ことに気づいた。感想?
リアルな人間相手だと、自分の文章に感想ってなかなか聞けないし、AIとやらがどんな感想を述べるんだ、と興味を持ったので試してみた。
すると、褒められたり、自分の言ったことを違う角度からまとめてくれたりと、なかなかおもしろかった。基本的には、書く気が湧くようなことを言ってくれるみたいだ。そりゃまぁそういうプログラムなんだろうけど、そうわかっていても、書き物のような一人作業を鼓舞してくれるヤツがいるのは良いことだ。
で、新人編集者リーラはどんなことをしてくれるのか、興味が湧いた。リーラの言う「目次を作る」機能って、ワードのようなワープロソフトにもあるわけだが、AIなんだからアレとは違うんだろう。これは試してみなければ。
まずはエディと企画会議
さっそくリーラに章立てして目次を作ってもらう前に、まずはエディと企画会議を開いて、内容をまとめてもらう必要があるそうだ。
実は先日、エディと企画会議もしてみていた。漠然とこんなこと書いてみたいなーと思っていた話をエディと話し合ってみたのだ。話の流れがあまりにも漠然としていて、結末も決まっておらず、登場人物の調べも不十分だったせいか、その時はエディにえらく詰められた。
まぁ、そういう詰めの甘い所を指摘していくのが企画会議なんだろうから、漠然としたもののどこをどうしたらいいのかわからない時に、うんうんうなりながら時間をかけてエディと話し合うのが良いんだろう。
ただ、今はエディの機能を見るのが目的ではない。サクッとリーラに渡す概要を作ってもらいたいだけなので、既に書き終わっている話で試してみることにする。で、今回使うのはこれ。
これならもう書き終わってるから、何を訊かれても即答できる(そりゃそうだ)。
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企画会議では、エディから次のような質問がされる。
エディは一つずつ、会話をするように質問してくる。それに答えるうちに全部の質問が埋まって、物語の骨子ができあがりというわけ。答えられるなら、一気に全部答えてしまっても大丈夫のようだ。そこはAI。こちらが単語だけであったり、思いつくまま断片的に書き殴ったりしても、ちゃんと理解してくれる。
前にやった時は、これがあいまいだったので、エディに「ここはどういうこと?」「この人についてもっと詳しく」「どういう流れで結末に?」みたいな感じで質問攻めになって音をあげた。無料版だとエディの回答できる回数が15回だったかな。この調子でエディに何度も質問されるようじゃ回数が足りなくなりそう、と危機感を持ったので、今回は確実に回答できる物で試してみたわけだ。すると、企画会議は拍子抜けするほどあっさりと終わった。
上記の質問への回答が埋まり、企画会議が終わると、エディが内容をまとめてくれる。今回はこんな感じにまとめてくれた。ちなみに、タイトルは自分で入れる。
エディがまとめた概要をリーラに渡す
エディがまとめてくれたところで、この概要をコピーしてリーラに渡す。
なお、リーラが章立てできるのは、まだ、自叙伝とラノベだけだ。まぁ、自分の書くものはだいたいラノベのつもりで書いているから、選択はラノベで良いだろう。
すると、このように章立てして目次を作ってくれた。
こ、細かい!
自分では、短編だから序破急の三章くらいにしか分けてない。節の中には、「それ、1行で終わる話……」っていうのも「そんな話はしない」っていうのもある。もちろん、この中から取捨選択して構成を更に練り、書き始めるわけだが、ふと思ったのは、「新書のような短い本でも、結構細かく章・節に分けてあるなぁ」ということ。電車の中や待ち時間に少しずつ区切りまで読む読み方には、細かい区切りがあった方が便利かもしれない。
AI編集者リーラを使ってみた感想
最初、リーラの「章立て・目次作りが得意」という説明を聞いた時は、できている物全部をポンと放り込んだら、適度に章を分けて適切な項目名を付けてくれる、という機能を想像した。
しかし、実際は全く違い、どちらかというと、「物語創り支援AI」という感じだった。その点はエディも同じ目的だと感じた。特に前回のあいまいなまま挑んだ企画会議と、今回の中身が固まっていて挑んだ企画会議とで、エディの反応が違った点にそう感じた。
プロンプト入力に初期の検索エンジンを思い出す
先日、幕張メッセで開催されたCEATECで、生成AI関連のブースがいくつもあり、説明を聞いたり眺めたりして、この手のAIって、プロンプト入力にコツがいる、と感じた。その点でなんだか、検索エンジンの初期を思い出した。今は思いつくままに適当に入れても、その中から適当なキーワードを拾ってくれたり、関連語を提案してくれたり、AIによるまとめを出してくれたりするけれども、いにしえの検索エンジンは、適切なキーワードを入れないと、使える結果が帰って来なかったものだ。
プロンプトもまだそんな感じだから使いにくく、「コツがいる」段階なんだろう。このコツは、何度も何度もああでもない、こうでもないと入力してみて、結果を見てみて、体感していくものではないのだろうか。それを数回で理解しろ、と言われても無理。
AI編集者エディやリーラは、そのコツのいる部分をあらかじめ絞っている感じがする。つまり、創作支援に特化していて、的を射た入力ができる。筋道のできているものだから、目的には行き着きやすい、といったところか。
まだどんなストーリィにしたいか思いつかないが、書きたいアイディアがたくさんある段階に使うと良さそう。ブレスト代わりにエディと企画会議すると、調べる事、設定を考える箇所がはっきりするし、更にリーラに章立てしてもらう段階になると話の具体的な形が目に見えてくるから、書く気分が盛り上がりそうだ。