ほどよい広角レンズが欲しくなった!
ほどよい広角レンズとは、自分的には、35mm判換算21~28mm程度の焦点距離で、ほどよい画角の広角レンズのこと。スマホのカメラがちょうどそのくらいだから、たぶん、とても「普通」なレンズということになるのだろう。ミラーレスカメラを買って1年以上経って、今更なぜ「普通の」レンズが欲しくなったのか?
パンケーキが食べたくてしょうがなくなった結果、広角レンズが欲しくなった
先日、パンケーキを食べに行くことができた。ちょくちょく前を通りがかっていてはいたが、どうもタイミングが合わず、「パンケーキ食べたい」欲だけが蓄積されていたのだ。
そのようにしてようやく念願のパンケーキに巡り会えた記念に写真を撮った。仕事途中でコンデジ(Canon PowerShot G9 X Mark II)しか持っていなかったのだが……。
……撮れた写真を見てみると、自分の「ようやく美味しそうなパンケーキに巡り会えたぞ、やったぁ!」という心の声がよく撮れていた(ような気がする)。
G9X(マクロ側)の焦点距離は、35mm版換算で28mmだ。標準レンズとはちょっと違う遠近感でこうなった。これってなんだかすごく良くない?
メインのカメラ・FUJIFILM X-T4にも、ほどよい広角のレンズが欲しくなってきた。
フジノンレンズにはほどよい広角レンズがいくつもある
そこで、どんなレンズがあるのかな、とFUJIFILMの公式サイトを覗いてみた。
やはり、35mm判換算21~28mmという焦点距離は人気なのだろう、充実のラインナップだった。個人的に「ほどよい広角」と思ったレンズは、以下の通り。異論は認める(笑)。
XF14mmF2.8 R(21mm)
XF16mmF1.4 R WR(24mm)
XF16mmF2.8 R WR(24mm)
XF18mmF1.4 R LM WR(27mm)
XF18mmF2 R(27mm)
(カッコ内は35mm判換算の焦点距離)
ラインナップが充実しているのは非常に良い事だが、今度はどれを選んだら良いか?といううれしい悩みが出てくる。
パンケーキが縁で欲しくなったのなら、やっぱりパンケーキレンズでしょ!という訳でもないが、日常的に持ち歩き気軽に撮るには、パンケーキレンズの XF18mmF2 R が良さげである。
でも、パンケーキレンズ(XF27mmF2.8)は持っているんだよなぁ。しかも、焦点距離が比較的近い。
せっかくなら、性格の違うレンズを買ってみたい気もしないでもない。なので、他のレンズもじっくり眺めて比較してみた。
それぞれの特徴をじっくり見てみると、どのレンズも魅力的
現実的に一番選択に影響しそうな価格を別にすれば、第一に比較すべき箇所は、焦点距離(画角)、開放時F値、防塵防滴(WR)の三点か。重量と大きさはその次に考える。
一番重要な焦点距離だが、「ほどよい広角」でピックアップした時点でもう絞られているから、基本的にはこの中のどれでも良いな。見慣れた画角ってことで、普段使いの写真に使いやすそう。
そこで、「自分のすでに持っているレンズと違いがあるレンズ」で選ぶと、焦点距離14mmの1. XF14mmF2.8 R が良いかな?
でも、やっぱり他のでも良いかな? うわぁ、迷うな、決められないや。
次に重要な開放時F値は、F1.4以下の数値が小さいレンズがいわゆる「明るいレンズ」だ。
暗い時に一絞り開けられるのは、ISO100のフィルムで撮っていた時には、たいへんな強みだったが、デジタルの今はあまりありがたみがないかも。
それ以上に明るいレンズの良い所としては、背景ボケがある。F値が小さいと被写界深度が浅くなる。つまり背景がボケる。
広角レンズは、そもそも被写界深度の深いレンズなので、背景ボケが欲しい場合は、標準レンズ以上に開放時F値は小さい方が良い。スマホのカメラとの差別化を考えると、この点が一番重要かも。
となると、2.の XF16mmF1.4 R WR か、4.の XF18mmF1.4 R LM WR だな。ただ、この二つは、それぞれ375g、370gと重いんだよな。
最後に、防塵防滴性能。2.XF16mmF1.4 R WR、3.XF16mmF2.8 R WR、4.XF18mmF1.4 R LM WR がそれに当たる。
フジフイルムのカメラを選んだ時点で、雨の日でも外で撮りたいな、という気持ちがあるから、この点は重要だ。雨の時の植物の喜んでいる様子は撮りたくなるよね。
開放時F値のところでも見たように、2.と4.は重いから、雨の日の機動性を考えると、155gの 3.XF16mmF2.8 R WR が良いかなぁ?
うーん、どれも特色があって、それぞれ魅力的なレンズじゃないか。
自分が何を撮りたかったのかを思い出せ
魅力的なレンズのスペックにすっかり心を囚われ、物欲をかきたてられて目移りしてしまった。一度落ち着こう、自分。何のためのレンズが欲しいんだったっけ?
そもそも、何を撮りたいんだっけ?
このチョコクロの写真を撮って、どのコマを選ぶかなーと悩んでいたときに「何を撮りたかったのか」を改めて考え、悩んだ末に上のコマにした。
それは、「うわー、キラキラしてる、何だろすごい! サクサクで美味しそう、すぐ食べたい!」という、前のめりな気持ちが一番出ていると思ったからだ。前のめり過ぎて、自分の影が入ってしまっているので、撮り直した方を選ぼうとも思ったのだが、そっちの写真は素っ気ないというか、気持ちがこもっていないというか、何か違うな、と思ってしまったのだ。
商業写真でギャラをもらって撮る写真だったら、きれいで整った写真を撮らなきゃならないんだろうけど、自分のブログにアップする写真だよ? 自分の気持ちの表れた写真を出さないでどうする?
と、なると、今買うべきレンズは何なんだろうと考え直さざるを得ない。そもそも、広角レンズで良いのか? 今ある機材でその写真は撮れないのか?
ここは自分の撮りたい写真をじっくり考えて、「欲しい、即、買う」という脊髄反射だけはやめておこう。何よりも先ず、先立つもの(お金)が限られているのだから、その使い道については、もっと悩んで悩んで悩み抜いたあとの方が良いのかもしれない。