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【創作大賞2024】愛と孤独【エッセイ】




孤独だというのは
弱さになるのかな


孤独を感じない人は
いるのかな


生きていれば
人間として生まれたのならば
感じない情なんてものは
ないはずなのに


孤独を感じないって
ほんとなのかな


ほんとの愛を知らないから
孤独も感じないのかな


生きていれば
人間として生まれたのならば
感じない情なんてものは
ないはずなのに


◌ ⁺ ˖˚ ◌ ⑅ ˚₊ ◌ ⁺⑅ ˚ ◌◌ ⁺ ˖˚ ◌ ⑅ ˚₊ ◌


「愛と孤独」
いつかは、このタイトルで
私を書きたいとずっと思っていました。


思い返せば、物心がついた頃から心の中で
この二つに関して常に葛藤していたような気がする。
私の愛は孤独とも隣り合わせで、いつも同時にそこに在るものでした。
私のことを友達は
「愛が深い人」だと言うけれど…
自分が求めるものを、人に与えていたのかもしれませんが、その深さというものは時に重く、愛ではなく執着に変わっていたこともあったと思います。


本来、愛とは『無』
無から生み出されるもの。
ただ愛しいと思い、それに付随するものはないはずなのに、独りよがりな愛に変化してしまうこともあった。それに自分で気がつくと、振り子が戻るが如く、一気に殻に篭ったり。
そうなると孤独感が増してしまう。
自分の気持ちとは違う行動をとる事で、一時的に傷付かない防御策は今でも若干残っているから嫌になる。


結婚する前の私は、今以上に自由な生き方をしていたと思う。
特に十代の頃は、自分の中の感情を素直にまわりに曝け出し、家で甘えられない寂しさを上手に外へと出し、愛なのか情なのか今となってはわからない沢山の手に、自分を委ねていたのも確か。
ただ、私が求めていたのは変わることのない安心出来る自分の居場所だった。
自由気ままに生きるということは、裏を返せば孤独としっかり向き合うということだとは、あの頃の私にはわからなかった。
若かったから、その時その時の優しさを愛だと勘違いしていたのかもしれない。
その時その時の優しさでもあの時の私にとっては必要な愛で恋愛だけに集約すれば、外で孤独を感じるのはあまりなかった。
親と暮らす家の中では、常に孤独な子供だったけれど。


本来、親からの愛を感じて育つということが自分をまず愛すようになる基盤だとしたら、私はもうその段階で土台が整わず成長してしまったことになる。
全く親からの愛を感じなかったのか?と問われれば、それはNOと言えるけれど、真正面から受け取れなかったのは事実。
七五三で一緒に写る実父の手は、優しく私を包んでくれていると感じるし、熱を出せば母は手を握ってくれていた。
にも関わらず、愛を感じず孤独感に苛まれるようになったのは、やはり母の再婚からだったと思う。
母が一番に見つめる先は継父。
私では無くなった。
幼少期から思春期、自立出来るようになるまでの家庭環境という生まれて初めてのコミュニティの中に自分の落ち着く居場所がなかったのは、本当に辛かった。
親戚の集まりがあると、叔父や叔母たちに「◯◯(私の名前)は可哀想だ」と言われた。
私は、可哀想な子なの?可哀想な子にあんたたちが勝手に認定しただけでしょ?じゃあ、あんたたちが何とかしてよと何度か思ったこともある。
見つめて欲しい人に、見つめられないで育った私。
母も、継父も私のことを大人になってからでさえ、真正面から見つめてくれてはいなかった。


大人になり淋しさを口にだせなくなってから、真正面から愛する人と向き合い、思いを伝えていても、愛した人と離れることになってしまったりして。
見つめてくれない人へ愛を送り続ける生まれてからの杏応ない癖がついてしまったのだろうか。
それゆえに、見つめてくれている人を見つけられない人間になってしまったのだろうか。
いや、見つけていても「真正面からの愛」を私自身が受け付けずに跳ね返してしまっていたりした。
そんなの悲しすぎるよな。
私みたく感じる大人は、口にしないだけでいくらでもいるだろう。


五十路を過ぎ、私にとって今までの人生とは愛と孤独の繰り返しの旅だったけれど、こうやって振り返り立ち止まったことで愛と孤独との向き合い方も変わっていくのだろうか。
血の繋がりがあろうがなかろうが、心が通ずれば愛は循環出来る。
一人でいても孤独を感じることもあれば、誰かといるのに孤独を感じている人もいる。
そもそも、孤独って何を基準に言ってるの?
愛そのものも、難しく考えすぎなんじゃないの?
私だけじゃなく、誰もが「愛と孤独」について自分との対話をしながら生きている。
人それぞれの「愛と孤独」が在る。


そんな愛と孤独ってやつを、これからは違う視点から見て楽しんでやるんだ。
心と身体に染みついた「思い込み」ってやつを剥がしてやるんだ。そう感じた瞬間から、私の見つめる先にあるものが何だか楽しみになってきた気がする。





って、話。



#創作大賞2024
#エッセイ部門

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