![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89470319/rectangle_large_type_2_e10034651ee206c2265685840b4d587c.png?width=1200)
人生で一番しあわせな気持ち
10月12日に我が子が誕生した。
初めての出産はそれはもう壮絶であった。忘れないうちに記録しておく。
10/10
このひたすら歩いた次の日の朝6:00くらいのことであった。
生理痛のような痛みが襲ってきた。
(こ、これはもしや…)と思い陣痛カウンターを使ってみると波が定期的にあった。
間隔が10分の時もあればそれを切る時もある。産院からは初産婦は10分を切ったら連絡と言われていたから少し様子を見ていると、かなり痛い。
陣痛の波がくると思わず「痛い…」と口に出してしまう。
波がない時にトイレに行くと、おしるしがきていた。
(こ、これは…)覚悟を決めた。
間隔が10分を切るのを待っているがなかなか切らない。しかし痛みは増す。
7:34に産院に電話をした。
が、まだ様子を見てもいいと言われ、家で耐えることになった。
とりあえず起きるかと思って顔を洗ったりしていると、いつの間にか痛みは消えていた。
「餃子食べに行きたかった〜行けるかな?」
「途中で痛くなっちゃうかもしれないから、だめだよ」
夫とこんな呑気な会話をしていた。
この日が最後の晩餐かもしれないと思い、セブンで食べたいものを買い込んで1日中食べていた。
21:00頃
再び陣痛のようなものがきた。
お風呂に入る余裕はあったため、痛みを我慢しつつ入る。
出ると痛みが増し、最後の晩餐を嘔吐した。
そして痛みと不安で涙が止まらない。これをいつまで耐えればいいのか終わりが見えなくて嗚咽を漏らしながらとにかく泣いた。
陣痛に耐えながら夫にドライヤーをやってもらい大いに甘えた。
23:00頃
痛みがさらに強くなる。
間隔が狭まり一晩中痛い。
「痛い…」何度も連呼していた。夫は時々起きて大丈夫かと声をかけてくれていた。
5:40頃
病院に電話。
入院の準備をして来てくださいとのことで、痛みに耐えながら着替えた。
夫が登録していた陣痛タクシーを呼んでくれた。5分で来た。早っ。
家を出る前に嘔吐した。下痢もしていて、少し脱水症状っぽくなっていた。
タクシーの中でも定期的な波があった。
7:40頃
病院に着き、痛みに耐えながら歩く。
助産師さんが対応してくれたが夜勤明けで疲れていたのか冷たかった…。モニターで赤ちゃんの心拍を確認し、内診をして子宮口3センチで即入院となる。
痛すぎて夫にしっかり挨拶できなかったのが悔やまれた…。ちゃんと顔を見ると泣いてしまいそうだったからそっけなくバイバイした。
8:30頃
陣痛室で朝ごはん。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89437147/picture_pc_bad88334d98d01d266e04e8e254d65de.png?width=1200)
食欲がない。スープとヨーグルトだけ食べた。
写真を撮る余裕はあった。
9:30頃
痛みに耐えながら待ち、和痛分娩を希望していたためようやく麻酔科の先生が来てカテーテルを入れてもらい、試しの麻酔を入れてもらうも痛い。
麻酔を入れると固形物が食べられなくなってしまうため、お昼ご飯を食べた後に麻酔を追加しようということになったが陣痛の感覚が狭まらず、結局お昼を食べても入れてもらえずひたすら耐えた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89437181/picture_pc_da312b018b393b087630bb984cb13721.png?width=1200)
おにぎり少しとクリーム煮だけ食べた。なかなかおいしかった。
お昼以降
助産師さんと陣痛を促すために廊下を歩いたり、足湯をしたりいろんな姿勢になってみる。
波は強くなったが間隔が狭まらずずっと耐える。
「麻酔、入れてもらえませんかね?」
なんども懇願するがやんわりと却下された。ケチ。
19:00頃
陣痛の波が来てない時になんとかデイルームに行き、夫に電話をした。波が来るたびうめく…。
少し元気が出た。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89437368/picture_pc_cf178ca059723944a6718c2fa4f5f52d.png?width=1200)
中華だった。
おにぎり少しとお豆腐と胡麻団子だけ食べた。
おいしかった。
22:00
今夜は体力温存のために麻酔を入れてしっかり眠ろうということになり、ようやく入れてもらえた。
ここで余裕ができて家族や友達に連絡ができた。
10/12
朝起きるとしっかり寝れたこともありメンタル回復。
子宮口6センチ。少し進んでいた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89437391/picture_pc_83d2c51054a80d7631dfe8da5e9f9b0e.png?width=1200)
ミルクパンとスープとサラダとヨーグルトを食べた。
牛乳は嫌いだから全く飲まなかった。
9:00
ふたたび麻酔を入れた。
でもなぜか左側だけすごく痛い。右は痛くないのに左だけ痛くて混乱。
9:20
「左だけ痛いです!左!痛い!!」
訴えると入れ直してもらえた。
9:30
麻酔が効いてきたことを確認して、促進剤を開始。
まだ余裕。
陣痛の間隔が狭まらないため、大きなクッションの上にもたれて四つん這いのような姿勢になるなどする。
なかなか痛みが強くならない。
またもや廊下を歩いたり陣痛を促していると、急に波がくる。麻酔を懇願するも、却下される。
歩いてる時に吐き気が襲ってきて、トイレに駆け込み助産師さんの前で嘔吐。
嘔吐してるのに何かエネルギーになるものを入れないとダメと言われ、持ってきていたウィダーを身体に流し込む。
2つ一気に流し込んだ。ウィダー持ってきてよかった。もし2人目を産むとしたら5個くらい持っていこう。
ベッドに戻り痛い痛い声を出すと、それを見兼ねて麻酔を追加してくれた。ヤッター。演技派女優。
13:00
麻酔が効いているため、余裕が出る。
16:00目安で産みましょうと言われる。(本当に今日産めるのか?)半信半疑であった。
13:30
いきむ練習をする。
痛みがきたら、サンシャイン池崎を思い出していきむ。
陣痛間隔が広がり、痛みも弱くなってしまう。
14:00
全然余裕だから麻酔を減らしてもいいと伝える。
減らすどころか切られる。
この頃まだ夫に連絡する元気があった。
15:00
地獄の始まり。
麻酔が切れて促進剤が効き、とにかく痛い。
陣痛の間隔も2分くらいに。
陣痛が来るのが怖い。
痛すぎて陣痛室で大声で叫ぶ。
「いたああああああい」
たぶん、隣のベッドの人を怖がらせた。
メンタルがやばすぎて大泣きする。
助産師さんに
「もう無理。」
「早く出てきて」
「麻酔を入れてくれ」
連呼。
助産師さん
「大丈夫。がんばれてる!進んでるよ!」
「麻酔入れたらもっと時間かかるよ」
励ましてくれながらもスパルタは健在…。
とにかく足の付け根が痛い。
ベイビーがうまく回れてない様子。
波が来るたび助産師さんの手を握りつぶし、波が引くたび足の付け根が痛いと叫び、マッサージしてもらう。
尿が溜まってるとベイビーが降りて来にくいからトイレに行こうと言われるが痛すぎて無理と伝える。
管で尿を取られる。もう恥じらいも何もない。早く産めるなら何だってしてくれという気持ち。
15:30
内診をしてもらうと子宮口全開。
ようやく分娩室に移動。
分娩台でいきむ。
ベッドよりもいきみやすい。
手すりを持つ手は自分の方へ、足は外へ力を入れるとうまくいきめる。忘れないようにしとこ。
叫ぶと体力持ってかれるなと気付き、飾られているマリア様を見て落ち着く作戦。意外と冷静だった。
そして波が引くと気絶したように寝る。
波が来るたびにいきみ、体力が無くなりそうに。
お産は本当に体力勝負だと思った。
主治医の先生が登場し、心強くなる。先生、イケオジ的な感じでいつも余裕のある出立ちで安心する。
会陰切開はいつの間にかされていた。陣痛の痛みが強すぎて麻酔の注射の痛みがちょっとつねられるレベルの痛さに感じた。
そしていつのまにか夫登場。
余裕がなくて全然反応できず。
何か話しかけられていた記憶はある。
16:00
ひたすらいきむ。
助産師さんにお腹に全体重をかけて押されながらもサンシャイン池崎を思い出しいきむ。
もう体力限界!となった時、お股に温かいものが挟まっている感覚。
頭や!と思った。
陣痛とは違う痛み
主治医との会話
「痛いぃぃ」
「どこが痛い?」
「おなか」
「おなかは痛くないはずだよ」
「お股!」
「そう?」
「どこが痛いか分からないけど痛いぃぃ」
助産師さんたちに笑われる。
お腹を押されもっと長くいきめと言われ、死ぬかと思ったけど最後の力を振り絞る。
16:05
最後のいきみで吸引されながらベイビーの頭が出てくる。そしてもういきまなくていいから、深呼吸して酸素を送ってと言われ、夫の手を掴みながら深呼吸。深呼吸の仕方が分からず荒くなるもなんとかがんばる。
そして、ベイビー誕生!!!
出てきてすぐ泣かなくて心配してずっと見てた。すぐに処置されて、飲み込んだ羊水を無事吐いたのか、
「オギャーーー」
と泣き声が響き渡る。安心してわたしも泣く。
夫も泣いたらしい。見えなかったけど。
新生児なのに声でけーなと思った。
ベイビーの声を聞いた最初の第一声
「ワァ…」
だった気がする。
この子が自分のお腹の中にいたことが信じられなかった。
すぐに隣に連れてきてもらって、写真を撮ってもらった。
かわいい。血だらけで傷だらけだけど、一生懸命目を開けていた。
よくがんばったね。と声をかけた。
ちゃんと聞いてくれていた気がする。
本当に人生で一番壮絶な時間だったけど、産まれた瞬間は人生で一番しあわせな気持ちだった。
我らのところに来てくれてありがとう。
これから愛しのベイビーとの生活が始まっていく。
つづく