失恋噺〜保育園編〜
前回、失恋からの立ち直り方として偉そうにもいろいろ書いたが、今日は私の若かりし頃の青春物語を語らせていただきたい。何とも愚かな人間がいたものだと大いに笑っていただきたい。そして、落ち込んでいる人には少しの気休めになってくれたらうれしい。
エピソード1保育園編(”1”ということはもちろんシリーズ化の予定)の始まりは今から二十数年前。私は保育園児であった。仮面ライダークウガやウルトラマンティガが大好きなどこにでもいる園児であった。
そんな私が人生で初めて女性に好意を持ったのもこの時代だ。同じ保育園に通うMちゃんという女の子だ。今思うと恋というよりか、女の子をかわいいと思ったといった方が正確だが、とにかく顔の整ったかわいい子だった。
今でこそ、チキンボーイとして成長した私だが、当時はかなり積極的なジェントルマンだった。何とか彼女に思いを伝えたいと思った私は母親に頼み、庭に咲いていた花を摘み花束を作ってもらったのだ。
そして、保育園につくと真っ先に彼女のもとに行き、花束を渡した。彼女は照れながらも受け取ってくれた。周りにいた保護者から拍手喝采だったのを覚えている。今では考えられないプレーボーイな告白であった。
その後Мさんとは友人関係が続き、中学に入っても同じ部活に入り良好な関係は続いた。断っておくが恋愛関係には全く発展しなかった。Mさんは超が付くほどの美人になりモテまくっていたので僕は眼中に入っていなかった。恋バナをする男友達のポジションに納まっていたのだ。私も恋愛感情はもうなかったからいいんですけど・・・
そんなある日、Mさんから「そういえば保育園の時花束くれたよね。」と思い出したように言われた。覚えてくれていたんだ!という気持ちと恥ずかしさで顔が赤くなった。
「あの時、なんて言って花束くれたか覚えてる?」と彼女が聞いてきた。正直覚えていなかった。緊張でよくわかったいなかったんだと思う。なんて言ったか聞くと、「僕と結婚してくださいって言ってたよ」と笑いながら話してくれた。何とも大胆な保育園児なんだ。我ながらあっぱれだ。
で、お前はなんて答えたの?と聞くと「えぇっとねぇ。覚えてない」とお茶を濁された。あぁちょっと惜しいことをしてしまったか…
Mさんとは今でも年に数回ご飯を食べに行っている。相変わらずモテるようで、いろんな男との話を聞かせてくれる。こちらも美人とご飯が食べられるんだから願ったりかなったりだ。(彼氏に会いたくなったから帰るねって言われた時はキレそうになった)
そんなMさんも近々結婚をするらしい。もちろん僕ではない。そうかぁ今まで好きになった子もみんなどんどん結婚していくのかと、そう思うと何だか胸がキュンとなるのであった。
続く
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