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10年のブランクからTOEIC905点を取得!「辛そうで辛くない、ちょっと辛い」方法

TOEIC900点以上取る人ってどんなイメージだろうか?

英語がペラペラな人?
英語で仕事してる人?
帰国子女?
留学経験ある人?

私はそのどれでもない。

大学を卒業してから、英語に触れた仕事をしたこともなかったし、
もし、道を歩いていて突然
「Where is Pay-Paydome?」(ペイペイドームはどこ?)
と聞かれたら
「ご…ごーすとれいと…あんど…(すごいジェスチャーする)」
みたいになってしまうだろう。

……良いのかどうか分からないけど、その状態で8ヶ月ほど勉強した結果、
2022年12月に、TOEIC905点を取得した。

「TOEIC900点以上取っても、英語ペラペラになるわけじゃないが、英語ペラペラじゃない状態で、TOEIC900点以上取ることは可能」なのだ。

ただ、こういうのはBeforeのフェアさが大事だと思う。
そのため、自慢も謙遜もしないBeforeを記しておく。

Before
・高校〜大学受験で一通り英語文法は勉強済み
・1浪の上慶應義塾大学文学部に入学
・大学時代に受けたTOEIC最高得点は715点

・その後10年間、TOEIC受験なし
・英語での業務経験なし
・英語圏旅行経験は、新婚旅行ハワイのみ(英語ほぼ不使用)

「慶應だったから英語できるのでは…?」というお声をいただくかもしれないし、私もできれば、そうでありたかった。

だが、残念なことに「高校生の頃が英語力のピーク」だった人間である。
得意科目の英語を頼りに大学までいったものの、大学時代に出会った大量のネイティブや帰国子女(しかもそういう人たちは大体美男美女)を前に、
「すん…」となってしまい、それ以来英語を武器!だとは言えなくなってしまった。

その後、社会人になっても仕事で英語を使うこともなくなった。
英語力なるものは、使わなければ錆びついていく。

かといって英語を中学から勉強し直す?
今の自分の状態を知るのもなんだか癪だ。

大人の本分は、勉強ではない。
仕事や育児など、ただでさえ大変な日々を生きているのだ。
私は、「できるだけ、辛く(ツラく)ない方法で英語を勉強する」ことにした。

10年ぶりのTOEIC受験に向けては、ちょっとだけ辛いこともある。
「辛そうで辛くない、ちょっと辛い」、例のラー油のような方法だ。

TOEICで905点を取得したことで、全体的に人生が好転した。
英語に関する過去への後悔は、もうない。
英語をツールとして使う未来、を見ることができるようになっている。
フリーランスとして、英語を使う仕事も時々任せてもらっている。

私は、もうTOEICのために英語を勉強することはないだろう。
必要に応じて英語で情報を得て、ついでに英語の表現も学んでいる。
英語に対して「自由」、そんな状態だ。

もし、一通りの文法はなんとなく知ってはいるものの、
・英語学習へのブランクのせいで自信がない
・TOEIC700点、800点の壁がある
・だからって基礎から勉強するほどではない
そんな状態の人がいたら、お役に立てる内容かと思う。

かなり長文であるが、全部読む必要はない。
ご自身の必要な部分だけ読んでほしい。
できれば…コメントとかもほしい(照)


学習期間と受験回数

8ヶ月、換算すると1日約1時間27分

私は大体産前産後休暇、育休を利用して勉強した。
2022年2月〜2022年11月の10ヶ月、ただし4月末〜6月は産後で勉強どころじゃないため休み。合計大体7〜8ヶ月の期間になる。

勉強時間はこんな感じだ。
2022年2月〜4月末(産前休暇) 約3時間
2022年5月〜2022年6月(産後休暇) ゼロ
2022年7月〜2022年8月(産後3~5ヶ月) 約30分
2022年9月〜2022年11月(産後6~8ヶ月) 約1〜2時間

これを、「1日同じぐらい勉強時間が取れる人」に換算すると、
約1時間27分となる。

※産前産後休暇での勉強を検討している人は、決して無理はしないでほしい。
私は体調的に、恵まれすぎていた。

受験回数は1回のみ

大学生の時も受けていたことを考えると2回。
だが、今回の勉強にあたっては1回である。

2012年10月:715点
2022年12月:905点

1回で結果を出すことをあえて狙っていた。

何のためにTOEICを受けたのか

個人的な話を長くする気はないが、結論から言うと、
「産後のキャリアにおける武器を作りたかった」というのが大きい。

私は産前契約社員として、一般事務の仕事をしていた。
産休育休を取ると契約期間の関係で退職せざるを得なくなってしまう。

産後に再就職したとして、スキルもなく、子供の体調に左右されがちなスタッフを雇おうとする人はいるのだろうか…?
不安になるぐらいだったら、自分のスキルで持って自分で職場を選ぶぐらいの準備がしたいと思ったのだ。

資格の中でも、英語が一番自分の趣味に近く勉強しやすそうな気がしたのが、TOEICを選んだ理由である。

TOEICの勉強をする前に英語と仲直りする

英語と疎遠になっている中、
いきなりTOEICの勉強を始めると、頭がびっくりしてしまう。
再び英語が嫌になってしまうはずだ。
そう考えて、まずはTOEIC関係なく、英語と仲直りしてみることにした。

スマホの設定を英語にする

いつも、何気なく使っているスマホ。
依存していることもあるかもしれない。この、設定を英語にする。
大体、何がどこにあるのか覚えているので、意外と英語でも操作できた。

また、スマホの単語はTOEIC頻出語に溢れていた。

例えば、私はUber Eatsでよく注文するのだが、
「Place your order」を押すと、注文が確定される。
その時は特に気に留めずにいた。

だが、後に公式問題集の文法問題を解いていると、

( )your order 注文を確定する

が出てきたではないか。
他の選択肢は覚えていないのだが、それっぽい選択肢の中で、
迷わず「Place」を選ぶことができた。

スマホの設定を英語にすることで、日常に英語が染み付くのだ。
スマホの中だけでも、留学することができる。

iphoneでの設定の方法は、下記、公式サイトに詳しい。

興味のある英語のWebサイトを読む

英語を勉強しようと思ったら、お金がかかることが多い。
英語圏の人はお金をかけずに習得していると思うと、悔しくてたまらない。

ただ、今はインターネットの時代。無料で英語の情報を得ることができる。まずは無料でできることをやってみてはどうだろう。その一番いい方法が、「興味のある英語のWebサイトを読む」ことである。

英語圏の「5ちゃんねる」Reddit

一番のおすすめは、Redditである。

Redditとは、英語圏における「5ちゃんねる」のような総合掲示板だ。
生活、政治、社会、エンタメ、家族…などどんな話題でも載っている。
私は、産前休暇中、暇さえあればこのRedditで自分の興味がある記事を読み漁っていた。

特に私が好きな話題は「JapanLife」のカテゴリだ。
日本に住む英語圏の皆様の困りごとなどが話し合われている。
日本では当たり前だが、海外から見るとわかりにくい、日本のリアルが見えてくる。新たな気づきがある。

おすすめ英語サイト6選

また、Redditの他に読み漁った英語のWebサイト6選を全て公開する。

1.科学・社会:Curious Kids

子ども(主に小学生〜中学生)が疑問に思いそうなこととQ &A形式で解説。

2.社会:The Balance

経済に関する基礎的な知識(中学〜高校で習うぐらいの知識)を解説

3.子育て:FirstCry Parenting

子育てに関する話題が豊富

4.旅行:CN Traveller

旅行好きな方はこちら。美しい景色と共に英語を学ぶことができる。

5.ポケモン:Pokemon News

世界的コンテンツとなったポケモンの話題を英語で読みたい方はこちら。
ポケモン名の英語版も知ることができて面白い。

6.エンタメ:Fandom

日本や世界のエンタメ情報を英語で読みたい方はこちら。

英語WEBサイトの読み方

上記のサイトを、毎日1段落〜1ページ、読む。
量は難易度によって柔軟に変更する。

不明な単語が出てくるたびに辞書を引く時もあるし、
読む時に「ノッてる」感覚があれば、辞書を引かずに読み進める時もある。
あまりルールを決めすぎないのがポイントだ。

お気に入り英語WEBサイトを見つけるコツ

上記に挙げた以外にも、様々な英語サイトがある。
お気に入りの英語WEBサイトを見つけるのは簡単だ。

日頃気になっていること、興味のあることを英語に直し(和英辞書やAIを使うのもあり)、Googleに入力して検索するだけだ。

ヒットしたページのトップページに移り、気になる記事が多かったら、それがお気に入りのWEBサイトだ。

リーディング教材ではなくWEBサイトを用いた理由

TOEICのリーディング教材は公式問題集以外では使ったことがなく、WEBサイト周遊を行った。

リーディング問題集を1日1章やる方法もあるだろうが、どうしても「教材のための文章」という感じに勉強感があり、単調に思えてしまった。

「実際の英語使用者と同じ文章を読みたい」という興味が原動力となり、挫折せずに読み続けることができた。
また、私は当時出産前だったので主に子育てや出産に関する英文を多く読んでいたのだが、「悩んでいることは世界共通」だと思うことができた。

よく、「日本人は〇〇」「海外では〇〇」の言説が聞かれることが多い。
その考え方は、海外を遠いものとし、思考を停滞させる。
現地の声を聞くと「人間考えること、あまり変わらないな」と思うことができる。

リスニングのリハビリ方法:6minute English

リスニングの教材選びはちょっと難しい。
音源のトランスクリプト(文字起こし)が揃っているもの、かつあまり難しくないもの、教材感があり過ぎないこと…という条件の中で、最適なのはBBCが運営する「6 Minute English」だ。友達から教えてもらった。

BBCが英語学習者のために運営している「BBC Learning English」の1コーナーで、英国のニュースキャスター2人が社会や科学など、さまざまな話題について6分間で語る番組だ。英単語学習やクイズなどもあり、勉強になる。

毎週木曜日に更新されるが、バックナンバーも豊富に揃っている。
Youtube、ポッドキャストなどさまざまな媒体で視聴することができる。

単語の勉強方法

単語の勉強は、Webサイト通読と同時に行うのがおすすめである。
通読を行なっていると、覚えた単語と運命の再会を果たすことになり、
記憶が強化されるからである。ここでは単語の覚え方を記す。

TOEICで最難度の単語集を最初から使う

単語集がレベル別に分かれている時がある。
ただ、TOEICで出てくる単語が読めないと意味がない。
TOEICに出てくる単語の中では最難度の単語集を使っていた。

おすすめ単語集

具体的には下記の単語集を用いた。

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難しい単語の覚え方は「人の覚え方」と同じ

そうは言っても、難しい単語は何度練習しても忘れてしまうことが多い。
大人になって、子供の時よりも単語が覚えにくくなったと感じてはいないだろうか?特に、英単語は、覚えていてもすぐ忘れてしまう。

私は、難しい英単語の覚え方は「人の覚え方」と似ていることに気がついた。人の名前と顔が一致しない人がいても、流石に恋人や上司、友達の顔を忘れる人はあまりいないだろう。

英単語も友達になってしまえばいいのである。
文字数の関係でサラッと書いてるが、結構奥が深い。
需要があれば別途記事にしたい。

1.英英辞書で定義を調べる
日本語の訳語を言われても、よくわからないことがある。
こんな時は、「英語ー日本語訳」で覚えてもすぐに忘れてしまう。

そういう時は、英英辞書(インターネット上、紙、どちらでも)でその単語の定義を調べると、意味がわかることが多い。

おすすめのインターネット英英辞書はこちら!

名刺交換しただけの人の名前は忘れてしまうが、喋ったりその記事を読んだりして、性格や人柄まで知ると忘れにくくなるのと一緒である。

2.語源と「兄弟語」を知る

突然だが、なぜ芸能人は「七光」を利用する人がいるのだろう。
それは、星の数ほどいる芸能人の中で、「〇〇の家族」というだけで格段に覚えやすくなるからである。

単語にも「七光」を、利用しよう。
そのためには、単語の語源を調べる必要がある。
そして、同じ語源を持つ知っている単語との「兄弟性」を感じるのである。

「alleviate」という単語を例に取ってみよう。
(痛みや負担などを)軽減する、という意味があるのだが聞いたそばから忘れそうである。

そこで、語源を調べてみる。
alは、「ad」から来ており、「〜に向かって」という意味を持つ。
leviateはラテン語の「levare」から来ており、「levare」は「持ち上げる」「軽くする」という意味だ。
何かを軽くする、という意味から「軽減する」という意味が生じた。

ここからである。
「levare」(軽くする)が入っている、皆さんが絶対に知ってる単語がある。
それは…「elevator」、そう、エレベーターだ!
エレベーター、「el」+「levare」でできているのである。
荷物や人を乗せて持ち上げる、軽々と上にいくエレベーターが思い浮かぶのではないだろうか?

「alleviate」はエレベーターの兄弟なのである。
そう聞くと、なんだか痛みや負担がエレベーターのように軽々ふわふわ浮いていくようなイメージを持てるのではないだろうか?

3.「生例文」を調べる

そして、最後に単語が活躍している場面をみよう。
単語が実際にお仕事をしている姿は、キュンとして、絶対に忘れない。

単語集には例文が載っていることが多い。
だが、その単語が本当にに活躍しているか、見たくはないだろうか?
XやInstagram、上述したRedditなどで単語を調べると、実際にどんな人が使っているか、分かる。
「難しそうな単語だけど、意外とギャルにも使われてる…?」等、色々な発見がある。

これを「生例文」と、勝手に呼んでいる。

「公式問題集」は「実家」

TOEICの受験を申し込み、日程を確定したら、TOEICの勉強開始だ。

TOEICの勉強は、公式問題集から始まり、公式問題集で終わる。
公式問題集は、実家のような存在だ。
そして、実家はスネをかじり尽くすためにある。(←オイ)
公式問題集を、味がしなくなるまで味わいつくそう!

最新版・その前の版の2冊を使用

TOEICの公式問題集は、なかなかの高額だ。
1冊3000円以上なのに、1冊に入っている問題は2回である。
私は最新版・その前の版、2冊のみを使用したがそれで十分であった。

(最新版 2024年11月現在)

(最新版の一つ前)

最初に時間を測って2回分

最初に実際の試験と同じように時間を測って最新版の2回分を解く。
リスニング、リーディングの順番だ。
2回解くことで、自分に時間が足りないのか、先読みが必要なのか、わかってくることが多い。

選択肢も含めて全復習、全部音声で聞く

解き終わったら採点。そして、復習が本番である。
合っている、合っていないに関わらず、全ての問題に向き合う。
再度ゆっくり解くとしたらこの選択肢を選ぶ、と言うのをメモ。
リスニングなら分かるまで聞き直す。
「じっくり解けば正解するのか」
「単語がわからないのか」
「どの部分が聞き取れなくて解けないのか」

自分の課題を特定する。

そして、合っている問題の別の選択肢も含めて、不明な単語は全て調べる。
リスニング問題は、全てクリアに聞き取れて発音できるまで聞き直す。

再度解きなおし、直前に新規でもう一度

復習が終わったら再度時間を測ってもう一度行う。
これは、復習した部分が理解できているかどうか測るための試験である。
公式問題集の文体を覚えてしまう、という狙いもある。

そして、直前にまだ解いていない問題(最新の前の版)を新規で時間を測って取り組む。この時、時計や文房具、時間(午前の部か午後の部か)を合わせて、本番と可能な限り似た環境で取り組むと有効である。

勉強以外にやったこと

ここからは、準備を万全にするために勉強以外で取り組んだことを記す。
TOEICの試験、実力以外で邪魔が入るといけない。

シャープペン、消しゴムの準備

マークシートが塗りやすい鉛筆やシャープペン、消しゴムを準備する。

時計の準備

時計は腕時計以外認められていないので注意が必要だ。
他にも音が鳴るのがダメなど規定がある。
私は家で準備したが、「受験に最適」というクチコミがあった時計を紹介する。

会場の下見

また、行ったことのない会場なら、乗り換えや場所などで当日慌ててしまうと受験のメンタルに影響してしまう。一度は必ず下見をしておくことで、落ち着いて受験をすることができるだろう。

終わりに

以上である。

私は努力というものが好きではなく、「楽しい」を原動力に勉強を進めてきた。ちょっと辛いこともあったものの、基本的には楽しく勉強し、それなりの結果を出すことができた。

だから、「辛そうで辛くない、ちょっと辛い」勉強法と名付けさせてもらった。

私自身、英語はまだまだできていない、これは本当のことだ。
だが、TOEICを勉強することで、英語に触れることに大きな自信がついた。
情報は世界中から得られることを知った。

仕事でたくさん英語を使うわけではないけれど、大きく気持ちが広がったのが事実。

また、英語を通じて自分の創作やエッセイを世界に広げてみたい。
英語を使って面白いことをもっとやってみたい。

よかったら…これを読んで、一緒に勉強してくれる人がいたらとても嬉しい。


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亜麻布みゆ
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