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【NPB】WARで振り返る2016年ドラフト会議(まとめ)


2016年ドラフト概観

通算WAR10傑

ドラフト時点で「金の卵」扱いだった田中正義、その田中に次ぐ評価の佐々木千隼は二人とも大成せず。
一方、山本由伸、源田壮亮大山悠輔といった、ドラフト時点での評価は決して高くなかった選手たちが、トップ3を占めた。
大学BIG3(田中・佐々木・柳)、高校BIG4(今井・寺島・藤平・高橋)と呼ばれた投手たちが注目を集め、野手は不作との前評判だったが、トップ10のうち野手が6名で投手よりも多い。坂倉、糸原、佐野といった下位指名組の野手達の躍動が目立つドラフトでもあった。

球団別獲得WARランキング

山岡泰輔山本由伸というエース級投手を二枚獲得できたオリックスがぶっちぎりの1位。オリックスは、2015年に続いて2年連続の1位である。

出身母体割合

高卒選手が昨年の34.5%から40%代に回復。その分、20%近くあった社会人が13%に減少した。

出身母体別獲得WAR

昨年、7%と不作だった高卒選手が32.5%に大幅増加。逆に62.6%だった大卒選手は40.1%まで減少している。社会人は、昨年とほぼ変わらずに20%代後半を維持している。高卒選手の伸びしろを考えると、今後、高卒選手が大卒選手を上回ると考えられ、最終的には高卒選手の豊作年だったと言えるドラフトとなるかもしれない。

まとめ

田中正義の存在が頭一つ抜けており、競合承知で田中に突っ込むか、回避して他選手を指名するのかが話題の中心だった2016年ドラフト。現状、田中は安定感に欠けるリリーフ程度の成績しか残せておらず、アマ時代の評価は、あくまで目安にしかならないことを、まざまざと見せつける結果となった。
高校BIG4と騒がれた投手たちも、寺島は既に現役を引退。高橋はトミー・ジョン手術後は精彩を欠き選手生命の危機に立たされ、藤平は先発投手として伸び悩んでいる。唯一今井だけが、エース級の投手へと成長し、期待通りの成績を残している。
そして、なんといっても山本由伸という「ダイヤの原石」を掘り出したオリックスフロントの慧眼が光るドラフトだった。ドラフト4位指名から通算獲得WAR1位となったのは、2008年以降では、2011年の近藤健介以来二人目(ちなみに最も下位指名から1位になったのは2009年5位指名の大島洋平)。オリックスは、2015年から続いて球団別獲得WARでトップに立っており、後のリーグ3連覇の礎は、この頃に築かれたと言っていいだろう。

お読みいただきありがとうございました。



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