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【NPB】WARで振り返る2013年ドラフト会議(12球団別)


2013年ドラフト

北海道日本ハムファイターズ

【総獲得WAR】19.4
【最高WAR選手】岡大海(7.4)
【寸評】外れ外れ外れ1位で渡邉諒を獲得。走攻守三拍子揃った高卒遊撃手で、U18日本代表にも選出された。守備範囲は広いもののスローイングに難ありとの評価だった。プロ入り後は二塁手のレギュラーとして起用されたが、守備難のため近年は出場機会が減少している。
2位指名の浦野博司は、大卒社会人の即戦力右腕。1年目から先発ローテに定着。規定未達ながら7勝を上げたが、2016年に肩の骨が血行障害により壊死。その後リハビリを経て復活した2018年にはリリーフとしてフル回転した。
3位指名の岡大海は、最速152キロの速球派右腕。大学時代は身体能力抜群の投手兼内野手として注目を浴びる。プロ入り後は快足と強肩を生かすべく外野手へ転向。2016年には少ない出場機会ながら打率.374を記録しチームの優勝・日本一に貢献。その後、打撃不振に陥り成績は低迷、ロッテへトレードされる。移籍後は主に控え野手として起用されたが2023年以降は打撃が復調しレギュラー外野手に定着した。
4位指名で、187センチの長身右腕高梨裕稔を獲得。3年目の2016年に先発ローテに定着し、10勝を上げチームの優勝・日本一に貢献。新人王も獲得した。その後成績は下降し、ヤクルトへトレードされたが、移籍先でも先発ローテの一角としてチームの優勝・日本一に貢献した。

東京ヤクルトスワローズ

【総獲得WAR】7.4
【最高WAR選手】秋吉亮(5)
【寸評】1位指名の杉浦稔大は、最速149キロの本格派右腕。188センチの恵まれた体格から投げ下ろす直球が高く評価されていた。入団後は1年目にいきなり右肘断裂が判明。以降怪我に悩まされるも日本ハムへ移籍後は登板数を抑えながら先発・リリーフとして活躍している。
2位指名の西浦直亨は、守備評価の高い遊撃手で、ポスト宮本慎也と評された逸材。プロ入り後は二度、二けた本塁打を記録するなど長打力を発揮したが、不動のレギュラーとはなれなかった。
3位指名の秋吉亮は、即戦力候補の変則サイドハンド右腕。1年目からリリーフとしてフル回転しチームの優勝・日本一に貢献した。その後成績が下降するも、同期の杉浦とともに移籍した日本ハムでは2019年に自己最多の25セーブをあげクローザーとして活躍した。

オリックス・バファローズ

【総獲得WAR】11.3
【最高WAR選手】若月健矢(4.9)
【寸評】1位指名の吉田一将は、安定感抜群の即戦力右腕。2年目からはリリーフに転向。2016・2018年には21ホールドをあげブルペンを支えた。
2位指名の東明大貴は、最速153キロの速球派右腕。即戦力候補として入団すると、1年目から先発ローテに定着し2年目の2015年には10勝をあげ、期待に違わぬ活躍を見せる。だが3年目以降は怪我もありパフォーマンスが低下。復調することなく現役引退となった。
3位指名の若月健矢は、U18日本代表にも選出された強肩が売りの素材型捕手。プロ入り後は絶対的な正捕手とはいかないまでもメイン捕手として起用され、高い盗塁阻止率でチームを支えた。課題の打撃も2022年以降は改善傾向にある。
4~6位で素材型の高校生野手を獲得するも、いずれも大成せず。

横浜DeNAベイスターズ

【総獲得WAR】8.5
【最高WAR選手】砂田毅樹(3.7)
【寸評】1位指名の柿田裕太は、最速146キロの本格派右腕。高卒社会人ということもあり将来性も高く評価されていた。プロ入り後は1年目に肘を故障、その後も鳴かず飛ばずで1軍出場無しに終わった。
4位指名で最速148キロ右腕三上朋也を獲得。即戦力候補として1年目からクローザーとして活躍。2017年・2018年と2年連続で60登板以上を記録するなどブルペンを支え、1億円プレイヤーとなった。
育成1位指名の砂田毅樹は最速143キロの素材型サウスポー。キャリア序盤は先発として起用されたが、リリーフに転向。2年連続で60登板以上記録するなど左のリリーフとしてブルペンを支えた。

福岡ソフトバンクホークス

【総獲得WAR】22.2
【最高WAR選手】森唯斗(9.6)
【寸評】外れ外れ1位指名で高卒社会人投手加治屋蓮を獲得。長身から投げおろす最速152キロの速球が魅力の本格派右腕。プロ入り後に右肩を痛め、キャリア序盤は奮わなかったが2018年にリリーフとして72試合に登板しフル回転。その後、成績が下降し戦力外となるも阪神に拾われ2023年の優勝・日本一に貢献した。
2位指名の森唯斗も高卒社会人投手。最速146キロの直球と躍動感ある投球フォームが高評価。174センチと小柄なためドラフト前の評価は低かったが、まさかの上位指名となった。プロ入り後は1年目からリリーフとしてフル回転し、支配的なクローザーへ成長。チームの4年連続日本一の原動力となった。
4位指名の上林誠知は、走攻守三拍子揃った外野手。身体能力抜群で将来性を高く買われていたが、U18日本代表では控え。プロ入り後は4年目の2017年に外野のレギュラーに定着。続く2018年は全試合に出場し22本塁打を記録するなどポテンシャルを発揮したが、以降成績が低迷し2023年に戦力外となった。
育成1位指名の石川柊太は、粗削りながら最速149キロの速球を投げ込む本格派右腕。プロ入り後は怪我もあり登板機会すら限られたものだったが、4年目の2017年に先発ローテに定着。2020年は11勝を上げ最多勝を獲得するなどエース級の活躍でチームの優勝・日本一に貢献した。

中日ドラゴンズ

【総獲得WAR】10.4
【最高WAR選手】又吉克樹(6.8)
【寸評】外れ1位で鈴木翔太を獲得。体は未完成ながら、華麗な投球フォームから球持ちの良い速球を投げ込む本格派右腕。将来のエース候補と目されたが、プロ入り後は怪我に、泣き大成せずに終わった。
2位指名で独立リーグ出身の速球派サイドスロー又吉克樹を獲得。大学時代は、ほぼ無名。独立リーグ1年目で急成長しての指名だった。プロ入り後は1年目から3年連続で60登板以上を記録するなどセットアッパーとして活躍。独立リーグ出身者としてはNPB史上初となる、FA権を行使しての移籍も果たした。
5位指名の祖父江大輔は、最速152キロの即戦力右腕。大学から投手へ転向し27歳でのプロ入りとなった。プロ入り後は毎年30~50登板計算できる貴重なリリーフとしてチームに貢献している。

千葉ロッテマリーンズ

【総獲得WAR】30
【最高WAR選手】石川歩(17.1)
【寸評】即戦力社会人右腕石川歩を2球団競合の末獲得。最速150キロの速球と完成度の高さが売り。プロ入り後は、1年目から先発ローテに定着。入団から3年連続で二桁勝利を記録するなど長らく先発ローテを支えた。
2位指名の吉田裕太は、184センチ94キロの大型捕手。力強いスイングが売りの正捕手候補だったがプロ入り後は打撃に苦しみ大成せず。
3位指名の三木亮は、走攻守三拍子揃った遊撃手。プロ入り後は、堅実な守備は評価されたものの、打撃が伸び悩み内野のユーティリティー枠に終わった。
5位指名の井上晴哉は、180センチ110キロの超重量級内野手。パワーは外国人並みの評価もほぼ一塁専のためドラフト時の評価は高くなかった。プロ入り後は中々芽が出なかったが、5年目の2018年に24本塁打を放ち長打力が開花。そこから3年連続で二けた本塁打を記録した。
6位指名の二木康太は、細身長身の素材型右腕。直球は常時130キロ代と遅いが制球力が高評価。プロ入り後は、3年目から先発ローテに定着。抜群の制球力を武器に長年先発ローテを支えた。

広島東洋カープ

【総獲得WAR】55.3
【最高WAR選手】田中広輔(25.5)
【寸評】1位~3位の上位指名選手が全てオールスター選手に成長。その後の広島の躍進を決定づけたドラフト。
3球団競合の末獲得した大瀬良大地は、投手としては大学生№1の評価。187センチ89キロの恵まれた体格から最速153キロの速球と、スライダーを投げ込むパワーピッチャー。大学生ながら侍ジャパン入りし、国際試合で好投するなどマウンド度胸も高く評価されていた。プロ入り1年目から10勝を上げ新人王を受賞。その後2シーズン成績が低迷するも2017年以降はエースとしてチームを牽引した。
2位指名の九里亜蓮も186センチ90キロの長身右腕。ストレートの最速は147キロと、速くはないが、変化球が高評価。プロ入り後は多彩な変化球を駆使する軟投派投手として活躍。また、大きな離脱をしない頑丈さも持ち味で、先発・ロングリリーフ要員としてチームを支えた。
3位指名の田中広輔は、171センチと小柄ながら走攻守三拍子揃った遊撃手。広角に打ちわける打撃が魅力で、堅実な守備と俊足も高評価。プロ入り後は1年目からレギュラーに定着。正遊撃手として、2016年から3年連続で全試合に出場。高い出塁能力と堅実な守備でチームのリーグ三連覇の原動力となった。

埼玉西武ライオンズ

【総獲得WAR】62.2
【最高WAR選手】森友哉(37.5)
【寸評】1位指名の森友哉は、高校2年時に甲子園春夏連覇。甲子園通算5本塁打を放った高校球界のスター。松井裕樹と並ぶ今ドラフトの最注目選手だったが競合無しで西武が一本釣り。170センチ80キロと小柄ながら、本人が捕手に拘りを持っていたことが忌避されたと思われる。入団後は、1年目から6本塁打を放つなど高い打撃センスを発揮。その後は球界を代表する「打てる捕手」としてチームのリーグ連覇を牽引した。
2位指名でアマ屈指の長距離砲山川穂高を獲得。176センチ100キロの巨漢、地方大学出身、守備はほぼ一塁専とプロから忌避される要素万歳ながら上位で指名される。プロ入り後は、40本塁打以上を3度記録するなど、球界を代表する長距離砲に成長した。

阪神タイガース

【総獲得WAR】27.2
【最高WAR選手】岩崎優(10.3)
【寸評】外れ外れ1位で岩貞祐太を獲得。最速148キロの本格派左腕だが、コントロールに難あり。プロ入り後は、3年目の2016年に10勝を上げるも、その後は成績が低迷しリリーフへ転向した。
4位指名の梅野隆太郎は、173センチと小柄ながら強肩強打を誇る正捕手候補。プロ入り後は、3年連続ゴールドグラブ賞を受賞。打撃も年々確実性が増し、長年、正捕手としてチームを支えた。
6位指名の岩崎優は、球速は140キロ弱とかなり遅い部類に入るが球持ちの良さを買われ指名。1年目から先発ローテ入りし5勝を記録。リリーフ転向後は支配的なリリーバーとして、チームの優勝・日本一に貢献した。

東北楽天ゴールデンイーグルス

【総獲得WAR】21
【最高WAR選手】松井裕樹(20.4)
【寸評】5球団競合の末、松井裕樹を獲得。甲子園大会記録となる1試合22奪三振を記録するなど、高校球界のスターとして今ドラフトの最注目選手だった。プロ入り後は、2年目にリリーバーへ転向すると、毎年のように、投球回を上回る三振を奪う「奪三振マシーン」化。球界を代表するクローザーとなり、2024年にはMLB挑戦を果たした。
2位指名で強肩強打の捕手内田靖人を獲得。185センチ、86キロの恵まれた体格を持ち、3年夏の甲子園で2本塁打と、長打力が高く評価されていた。入団後は即三塁手へ転向。2018年に58試合で12本塁打を放ち開花の兆しをみせるも大成せず。
9位指名の今野龍太は、最速146キロの素材型右腕。ドラフト時の評価は高くなかったが、当時の星野監督の「ええじゃないか」の一言で指名される。楽天時代は鳴かず飛ばずで戦力外となるも、拾われたヤクルトで勝ちパターンのリリーフとして活躍。チームのリーグ2連覇に貢献した。

読売ジャイアンツ

【総獲得WAR】13.5
【最高WAR選手】田口麗斗(12.3)
【寸評】1位指名の小林誠司は、打撃は難ありも、巧みなインサイドワークが高評価の即戦力捕手。阿部の後継候補と目されるも、プロ入り後は打撃に苦しみ大成せず。
3位指名の田口麗斗は、170センチと小柄ながら、最速147キロの速球とプロレベルのスライダーを駆使。松井裕樹とは、「東の松井、西の田口」並び称されていた。プロ入り後は、3年目に先発ローテに定着。その後成績が低迷するとヤクルトへトレード。移籍後はリリーバーとしてチームのリーグ2連覇に貢献した。
5位指名の平良拳太郎は、独特な投球フォームから最速147キロの速球を繰り出す素材型右腕。山口俊の人的補償でDeNAへ移籍後に先発ローテに定着。2020年にエース級の活躍を見せるも翌2021年にトミー・ジョン手術を受け以降は、登板数を抑えながらも先発ローテの一角を守っている。


お読みいただきありがとうございました。


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