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【NPB】WARで振り返る2012年ドラフト会議(まとめ)


2012年ドラフト概観

通算WAR10傑

WARは、野手が伸びやすい傾向にあるが、8名が投手という結果に。また、1、2位の上位指名選手が8名入っているなど、事前の評価を大きく裏切らなかったドラフトと言える。

球団別獲得WARランキング

最下位の中日でさえ8.8を記録しており大コケした球団もなく、球界全体にプラスをもたらした豊作ドラフトといえる。上位5チームは、DeNAを除いて、その後4年以内にリーグ優勝を達成。その後数年間のチーム成績に大きな影響を与えたドラフトとなった。

出身母体割合

前年まで4割前後だった高卒選手が32.5%と大幅に減少。高卒が減った分、大卒・社会人が増加し、合計で6割を占め、即戦力重視のドラフトであったことが見て取れる。

出身母体別獲得WAR

出身母体別獲得WARは、2010年から3年連続で大卒選手がトップ。昨年まで2年連続で10%代だった社会人が23.5%に増加し復権を果たした。高卒選手の30.5%は過去最低の数字。

まとめ

ドラフト最大の目玉であり、投手としては最速160キロを記録、打者としても「10年に一人の逸材」との評価を得ていた大谷が、ドラフト直前に「MLB挑戦」を表明したことは球界に衝撃を与えた。田澤という前例はあったものの、社会人野球出身の田澤と高校球児として既に全国的な知名度を得ていた大谷とでは後進に与える影響度の点で、格段の差があった。もし、大谷が直接MLB入りしていた場合、高卒のトップ層の選手達がNPBを経由せずにMLB入りする事例が多発するようになっていただろう。前途有望なアマチュア選手が、続々とKBOを迂回して米国行きを選択している韓国球界のように…。
そう考えると日本ハムの強硬指名は、大谷本人やチームにとってはもちろん、日本球界にとっても大きな分岐点だったと言える。

ドラフト全体を見ると、リーグ有数のアベレージヒッターとなった宮﨑敏郎をはじめ、井納石山増田といった社会人勢の躍動が目立つ。
また、大卒選手からは、則本昂大菅野智之のセ・パを代表する大投手が指名されたドラフトでもあった。
高卒選手は指名数自体が減少し、獲得WARの割合も過去最低を記録するなど不作の年となった。

お読みいただきありがとうございました。

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