
Photo by
luciaaki
7.【小説】 「走れエイト!」
◉ 「走れエイト!」7
《下手に出るのか。
謝ろうという気持ちは分かる。
分かるが先に謝るというのは
どうだろう!》
衛登は疑問に思ったが
雅人に従った。
実は雅人には考えている事があった。
しかし衛登は
雅人が考える人種とは
少しだけ違っていた。
菓子折りを持った衛登が
雅人と一緒に謝りに行った。
岳野原道場はとても立派な作りだった。
「たのもー!」
《いつの時代だよ。》
衛登は無表情にしていたが
かなり古い
江戸時代みたいな道場への
挨拶だったので
突っ込みたかったが
さすがにそれは出来なかった。
そしたら
中から人が出てきた。
「なんのようだ!」
すると雅人が
「中河空手道場の者ですが
うちの者がたいへん失礼な事を
言ったみたいなので
謝罪に来ました。」
丁寧な言葉で要件を言った。
応対した男は
「ちょっとそこで待て!」
と言って奥に入っていった。
奥から出て来た その男は
「師範が呼んでるので
二人ともそのまま上がって来い。」
なんか失礼な言い方だったが
素直に指示に従った。
門弟の男も
昔の時代のような
言葉づかいだと衛登は思った。
〜つづく〜