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フレディ・マーキュリーが訪れた「栗田美術館」

フレディ・マーキュリー聖地巡礼の旅。勝手に続編です。

今回は「栗田美術館」編です。

フレディファンならピンとくる場所ですよね。フレディがあの大きな伊万里焼きの壺の間で写っている写真。あの場所です。

行かれたことがある方はいらっしゃいますか?



栃木県足利市にある栗田美術館は、伊万里、鍋島を館蔵する世界最大級の陶磁美術館です。磁器に造詣が深い方はご存知の通り、伊万里は日本で最初に作られた磁器で、西欧に輸出され、日本はもとよりヨーロッパ、アジアの人たちに愛され親しまれてきました。

栃木県足利市郊外に佇むこちらの美術館には、数々の伊万里の作品が展示されています。

フレディはこんな渋い美術館にまで足を運んでいたのですね。

ここでフレディの豆知識。
親日家であったフレディは、日本の古美術品の収集家でもありました。伊万里、九谷、清水、に加えて火鉢にまねきねこの置き物、博多人形なども収集していました。

そんなフレディが、1986年にプライベートで恋人と来日した時に訪れたのが「栗田美術館」だったのです。

フレディファンたるもの、一度は訪れねばならぬフレディの聖地というわけです。

この美術館、映画の後にフレディの写真が展示されたということで、フレディファンが押しかけたそうですね。

ということは、当日いきなり行って入れるのかしら?ファンがうじゃうじゃいたらゆっくりと見れないかもしれない。などと思いを巡らせ、早朝の開館直後を狙って足を運んだのでした。



家族は全く興味がないということで、一人電車に乗って足利駅まで行き、タクシーで美術館へと向かいました。

タクシーの運転手さん(70代くらい♂)曰く、「少し前はそれはすごい人だったんだ!」とのこと。へぇ、映画の後はそんなにすごかったんだ。と思って話を聞くと、「松方弘樹やね、浅野温子が週末に来てね…」と、よくよく聞くと随分昔のお話だった。

運転手さんの話によると、館長さんが存命の頃は大物芸能人がやってきてそれはそれは賑わっていたのだとか。ってことは…フレディの情報はあるかしら?と思わず聞きかけたけれど踏みとどまりました。

フレディは東京から専属の車で訪れていて、この運転手さんがまさか目にしているなんていう奇跡はないと気がついたので。

栗田美術館に到着すると、あれま。
想像以上に閑散としている。まさか本日定休日とか?だーれもいない。

栗田美術館の入り口


チケットを求めて受付の方に向かうも、受付けにも誰もいないのです。すると、先ほどのタクシーの運転手さんがわざわざ引き返して戻ってきてくださり、「大丈夫〜!?やってる〜!?」と窓から大声で心配してくださった。するとその声に気がついたのか、慌ててスタッフさんが出てこられた。

運転手さん、優しい(涙)

運転手さんにお礼を言い、無事入館。

しかし、この人気(ひとけ)のなさぶりに少し拍子抜けしました。

受付の人に、「QUEENのファンでして…」と言うと、丁寧に展示物がある棟をマークしてくださいました。ああ、ファンがたくさん押しかけるものだから、慣れているのね。今日はゆっくり見て回れるかしら?人が多すぎて見れなかったらどうしよう。

なんてのは杞憂であった。

結論から言うと、この日、栗田美術館にいたのは私一人だけだったのだ。数時間滞在したのだが、誰一人出会わなかった…。

さみしー。


おーい、全国のフレディファンよ!どこへ行ったのー!?


と叫びたくなった。

ファンが殺到しているとまではいかずとも、ちらほらでもフレディファンが訪れている光景を想像していたのです。しかし、ファンどころか観光客さえ一人もいないのです。映画のブームと共にQUEENのブームも去ってしまったのか。

あー、さみしー。 



気を取り直して…。

広大な敷地を歩く。フレディも歩いたのかな。
ああ、ここは!
ようやくここへ辿り着けたことに感激✨
この壺(?)の間にフレディは立っていたのだ。
フレディと恋人の写真が飾られていました。
正面から撮ったものに、私が写りこんでいたのに気がついて角度を変えて撮り直しました。
見にくいですね。


和と洋が融合されたようなモダンな建物を一棟ずつ、ゆっくりと見てまわりました。フレディはあの大きな伊万里も含めて、館内の物を全て買い取りたい!と願い出たそうです。当然却下されたのは言うまでもないのですが。

展示されていた焼き物は歴史を感じる物ばかりで、その色付けの繊細さや精密な技術にフレディが魅了されたのがわかる気がしました。

展示物はほとんど撮影NGのものばかりで、QUEENコーナーだけは「撮影OK」となっていました。素晴らしい展示物をお見せできなくて残念。

清掃員さんやスタッフの人が多く、行く先々で丁寧に挨拶をされてしまいました。まるで焼き物通の高尚な人物のように思われたかしら?実は不純な動機で来館したのでありますが。とはいえ、展示物はどれも見応えがありとても満足しました。

フレディに日本の伝統技術の素晴らしさを教えてもらったような気分。


別の館にはQUEENのアルバムの展示物が!
ケースの中にはレコードやサインのコピーも
ああ、芸術品だ!
お土産売り場にもフレディの写真と記事が!
フレディのレオタードをデザインしたカップを購入しました。

フレディやQUEENの展示物に出会うと心が華やぎました。その反面、誰もいない静かな空間にぽつんとまるで取り残された思い出のようにフレディの写真が飾られていて、若干切なくなりました。


こんな厳かな建物に
フレディの写真が飾られていました。
なんだかフレディが眠っていそうな雰囲気。


私だけのために館内の喫茶店を
開けてくださいました


最後に。おまけ。

フレディも使ったかもしれないおトイレ。
(そんなの撮るな)



という、栗田美術館を訪れたお話しでした。
写真が見づらくてすみません。

フレディファンの方でまだ行かれていない方は、フレディに会いに。ファンではない方でも充分楽しめる場所ですので、是非行ってみてくださいね。

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