フレディ・マーキュリーと「お酒」
QUEENのライブ映像を見ると、ある頃からピアノの上には沢山のドリンクが置かれ、あるライブ映像ではフレディがお客さんに飲み物をぶちまけています。
初期の頃のライブ映像では、シャンパングラス(実はプラスチックでした)を片手にしたフレディが、「Everybody 、cheers!(みんなー、かんぱーい)」と言ってグラスに入ったドリンクを飲み干しています。
1970〜80年代のライブでは、ボーカリストがステージでお酒を飲んでいたんだな、と思っていました。お酒をぶちまけられたファンは、頭からお酒を被って複雑な気分だったろうな。それもライブの醍醐味、推しだと許せるものなのか。
ところがところが、実はシャンパングラスに入ったドリンクはお水で、お客さんにぶちまけていたのもお水だったそうです。
QUEENのアシスタントによると、フレディのピアノにはお水とビール、ブライアンとロジャーにはビール、ジョンにはバックステージ・バーが用意されていて、お水やビール、ソフトドリンクにワイン、ウオッカやテキーラなどが準備されていたのだとか。
ジョンだけ豪華(笑)
シャンパングラスをプラスチックにしたのは、万が一割れた時にお客さんが怪我することがないように、ということでした。また、中身をシャンパンではなくてお水にしていたのは、「炭酸を飲むと◯ップが出るから」だということでした。
なるほど。◯ップしながらフレディが歌っていたらさすがに引く。
ブライアンやロジャー、ジョンは、◯ップ出ても大丈夫だからガンガン飲んでいたとか?
ということは、ピアノの上に置いてあるビールは演出なのかもしれませんね。ビール飲んだら◯ップ(何度もすみません)出そうですよね。ライブエイドのペプシ(っぽい)カップの中身もお水だったりして。
フレディは、ライブ前には喉のケアに気を配っていて、温かいストレートティーにお砂糖二つ入れて飲むのが常でした。調子によってはホットレモネードを飲んでいたそうです。
ところで、話は変わりますが、みなさんは今まで行かれたコンサートの中で、ボーカリストが酔っ払ってめちゃくちゃだった!なんてコンサートはありますか?
私はありません。
フレディだって、本番前にこんなに喉に気を遣っているんだから、まさか酔っ払ってステージに上がるなんてことはなかったでしょう。
…しかしなんと、まさかのまさか、あるコンサートで、フレディは酔っ払ってステージに出てしまったのです。
70年代後半にニュージーランドで行われた野外コンサートでのことでした。完全に酔っ払っていたフレディは、パンツを前後ろ反対に履いたままステージに上がりかけて慌てて履き直して登場。
コンサート中、終始くすくす笑ったり、歌詞は忘れるわタイミングははずすわ、どの曲を演奏するのかまで忘れてしまう始末。
終いには、アンコールにフレディは友人の「スパンダー・バレエ」のボーカル、トニー・ハドリーをステージに引っ張り出してきたという。
一緒にエルビス・プレスリーの「監獄ロック」を歌おうとしたのだが、トニーはこの曲を知らなかったそうで。なんだか想像しただけでめちゃくちゃなコンサートだったのだろうと、お客さんが気の毒に思えてきます。
ブライアンが静かに怒っていそうな姿も想像できます。
当時のお客さんはこんなQUEENのコンサートにクレームはなかったのかしら、白けてファンを辞めた人はいなかったのかしら、と心配に思いますが。そんなことも許された時代だったのでしょうか。
それとも酔っ払ったフレディのカオスなライブを見れるなんて貴重な経験だったとか?
今の時代ならSNSで叩かれてフレディ真っ青になっていたかも。
ボーカリストが楽しそうにハメを外すのは見ていて嬉しくなりますが、酔っ払ってヘロヘロになってるのって…、どうなのでしょう。笑
とはいえ、この日のコンサート以外フレディが酔っ払ってステージに上がるようなことはなかったそうで、やれやれです。