大麻は「ダメ。ゼッタイ。」?
昨日4月1日、ドイツで嗜好用大麻が合法化された。
18歳以上の成人は、個人の使用目的であれば公共の場で25グラム、自宅では50グラムの大麻を所持したり、3株まで栽培したりすることが認められる。
これまでも医療用大麻は合法だったが、闇取引を防ぐことなどを目的に、個人での所持が認められた。販売や取引は、禁止されたままになっている。
一方、我が国の大麻取締法によれば
第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
2 この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の目的に使用してはならない。
とあり、同法の施行が「昭和二十三年法律第百二十四号」となっている。つまり戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下に作られた新しい法律なわけだ。
それに先立つ1945年10月12日。GHQは「日本に於ける麻薬製品および記録の管理に関する件」という覚書(メモランダム)を発行している。
ここでの麻薬の定義は「あへん、コカイン、モルヒネ、ヘロイン、マリファナ(カンナビス・サティバ・エル)、それらの種子と草木、いかなる形であれ、それらから派生したあらゆる薬物、あらゆる化合物あるいは製剤を含む」とされいる。
当時の厚生省はこの指令に基づき、厚生省令第四六号「麻薬原料植物の栽培、麻薬の製造、輸入及輸出等禁止に関する件」を交付している。
ではそれ以前、日本における大麻の扱いはどうであったか。
日本人は(稲作より古い)1万年以上前から、大麻という「農作物」を衣食住に利用してきた。
繊維を布や魚網に加工し、茎を屋根材にした。
種子(麻の実)を食用とし、葉を薬に用いた。
大麻は日本人にとって、非常に身近な存在だったのである。
1930年に制定された麻薬取締規則において、すでに海外の大麻(薬用型)は「インド大麻」として規制されている。日本の大麻(繊維型)とは、異なる品種のためである。
1946年、GHQは京都府で栽培されていた大麻を発見し、農家2名を含む4名の民間人がGHQの命令違反で検挙される。
京都府は麻薬採取の目的ではなかったことを訴え、インド大麻ではないことを証明しようとした。
しかし占領軍は、「その栽培の目的如何にかかわらず、また麻薬含有の多少を問はず、その栽培を禁止し、種子を含めて本植物を絶滅せよ」との命令を下した。
強烈なパワハラである。どこかの静岡県知事とか埼玉県知事とか奈良県知事みたいな奴らである。
さんざん大麻を吸ってきた側が、吸ってもいない側に規制をするわけだ。
これなど、「話せばわかる」の性善説が、日本人同士にしか通じないという好例だろう。
大国・戦勝国(日本と戦ってもいないのにちゃっかり名前の入っている国が幾つもあるが)にとって、「正義とは力なり」なのだ。
大麻の種子は、お盆を越すと発芽率が著しく悪くなる。
一年以上この状況が続き発芽する種子が激減すれば、農家は壊滅的な打撃を受け、日本の歴史と共にあった大麻は地上から消滅してしまう。
国を挙げて再三にわたる折衝を重ねた末、1947年2月、連合軍総司令官より「繊維の採取を目的とする大麻の栽培に関する件」という覚書が出され、一定の制約条件の下、大麻栽培が許可される。
栽培許可面積を全国で5000町歩とし、栽培許可県を青森、岩手、福島、栃木、群馬、新潟、長野、島根、広島、熊本、大分、宮崎県に限るというものだった。
その後、大麻の取り締まりを強化するため、取締規則を法制化するようGHQから要請があり、前述した「大麻取締法」が制定されている。
日本はこの法律を頑なに堅持し、我々に「大麻は危険な薬物」という十把ひとからげの、誤った概念を植え付け続けているのだ。
ちなみにGHQの親玉・アメリカにおける大麻の扱いだが、連邦レベルでは違法なものの、50州のうち40州が州内での使用を合法化している。
西海岸全23州とワシントン特別区で成人の嗜好品として合法化され、38州で医療用として認められている。
米保健福祉省は麻薬取締局(DEA)に対し、大麻に関する連邦の規則を緩和するよう、勧告までしているのだ。
嗜好品としての大麻が合法化されていく世界の潮流に対し、縄文土器の模様に始まり、神社のしめ縄や横綱土俵入りのまわし、七味唐辛子、花火の火薬等、神事と伝統文化に使われてきた日本大麻を、どうして規制し続ける理由があるのか。
政治家も役人もええ加減、自分の頭で考えなさいよ。
イラスト hanami|ω・)و