~虎に翼~ 家庭裁判所設立の陰に、弟の純粋さ有り!
どうも。
こりーぬ、です。
初めての方も、また読んでくださってる方も
ありがとうございます。
週末に時間がなく、週明けになってしまいました。
〆の金曜は
12月に入ってもまだ固まらない
家庭裁判所のこと。
家で晩御飯を食べながら考えている
寅ちゃんですが、
帰ってきた直明くんが、
東京少年少女保護連盟の仲間から
「お姉ちゃんの仕事は本当に意義のある仕事だ
と言われた。お姉ちゃんは立派だよ!」
綺羅綺羅しい純粋な目を向ける弟に
これですよ、これ……と思いつくのです。
弟たち、東京少年少女保護連盟の面々を
話し合いの場に連れ出して、
その純粋な熱い思いをぶつけてもらう。
直明くんが、将来のことが未だ定まらないので
せめて今は子供たちのために、
と活動しているというと、
少年審判所も、
家事審判所も、
子供達やご婦人のために尽力することに
やりがいを感じていると話はじめる。
すると、直明くん
「では、お二方とも見ている方向は同じ
ということですよね?」
「大人の事情もあるかもしれませんが、
それを取っ払って手を取りあえるのは
本当に素敵なことです!」と熱く語る。
そして、素面のときには
あれだけ反目し合っていた代表者達も
目をうるうるさせて手を取り合い、
家庭裁判所設立について動き出すのです。
寅ちゃん本人じゃなく、
より純粋さを極めた年下の弟を
使うとは……
しかし、思った以上の
効果が出てしまい、自分で仕掛けたとはいえ
なんだか釈然としない、寅子です。
(by 語り 尾野真千子)
ごめん、直明くん。
義姉への恋情とかヨコシマな想像ばかりしていた
腐った大人を許してください……‼︎
その綺羅綺羅した目に女学生たちだけでなく
大人たちもヤラれてました。
そして、私もやられました。
さて、全国も家庭裁判所設立に向けて動き出し、
それぞれ問題は抱えているものの
何とかなりそうなところまで来ている。
地方もとりあえず体裁を整えてもらわなくては
ならないが、東京も他人ごとではない。
場所の問題も下っ端の寅ちゃんたちが走り回って
裁判所の一時借り受けも進んでいるものの、
事務所の場所が見つからず困っている。
あと、10日しかない。
霞ヶ関で空いている場所を借りようと、
サロンに場所を譲ってもらえないかと
交渉に行くも、
「うちもやっとお客が戻ってきて
軌道に乗ったところだから」と断られてしまうが
宴会場を使わせて貰えることになった。
その引っ越しが大晦日。
翌日からの家庭裁判所始動の前日で
慌ただしいが、
猪爪家全員と、大学の仲間たちの
手も借りて机などを運び込む。
子供達も、優未ちゃんも、勿論お手伝いする。
大学の仲間達に女子が何人か
混じっているのを見て、
花江ちゃんが直明くんに
「誰かイイ仲の子はいないの?」と
聞いて、
「え?みんなと仲いいよ」と返ってくると
「うう~ん、そうじゃくて」と
もどかしい感じの花江ちゃん。
直明くんが純粋すぎて
うーん、こりゃここはナシかぁ……
(↑しつこい?)
そして0時目前、
執務室がだいたい形になったところで
多岐川さんが最後の仕上げだと
絵を持ってきて
飾る。
それは、花岡の妻の描いた絵だった。
あの、寅ちゃんが渡したチョコレートで
家族が久しぶりに笑顔になれた。
それを表した、チョコレートを渡す手と手の絵。
桂場さんが代表者になって
職員の有志で絵を沢山購入したんだそうです。
桂場さんだけじゃなかったけど、
みんなカッコいいなぁ。
やっぱり、皆さん、仲間の死因に
忸怩たる思いを抱えていたんでしょうね。
「人間が考えたものは簡単にひっくり返る。
そんなものの為に死んじゃいかんのだ。
法律は縛られて死ぬためにあるんじゃない。
人が幸せになるためにあるんだよ。
幸せになることを諦めた時点で矛盾が生じる。
彼がどんなに立派だろうが、
我々法を司る人間は
彼の死を非難して、怒り続けにゃならん」
「その戒めに、この絵を飾るんだ」
初対面の時に、
多岐川さんが花岡の死をバカにしたように
聞こえたあのセリフが
こんな思いを持って吐き出されていたというのが
ここで明らかにされました……
除夜の鐘が鳴り、全員がしみじみと新年を迎える。
汐見さんが、酔いつぶれてしまった
多岐川さんの過去について
寅ちゃんたちに語ってくれる。
多岐川さんは、自分が死刑を宣告した死刑囚の
刑の執行を見に行って、重大事件の
判決を下すことが怖くなってしまったという。
それから、逃げるように重大事件から離れた
自分を責め続けた。
でも、朝鮮から引き揚げてきて
上野にいる子供たちを見た時に思ったという。
「俺が死んでも逃げないものを見つけた。
子供たちを幸せにしたい。
未来に種を蒔く仕事をしよう。もう二度と
自分を責めたくないから」
「その気持ち、少しわかります」
と寅ちゃんが言うと、
多岐川さんも、佐田さんは
少し自分に似ているところがあると
言っていたよ、と汐見さんは言った。
そのまま、大半の人がもたれあったりしながら
仮眠を取っている。
その明け方、
寅ちゃんは、はるさんに優未ちゃんと凭れて
眠っていたところを多岐川さんに起こされる。
家庭裁判所の事務所の部屋の前に呼び出された
準備室の面々は寒さにガタガタと震えている。
多岐川さんは
「東京家庭裁判所」
と書かれた半紙を、宴会場の表札?に
画鋲で貼り付け、
「これをどうしても君たちと
一緒に見たかったんだ」
……ここまで
ものすごく、ものすごーく
いい話をしていたのに、
事務所前に立った多岐川さんが
パリッとしたスーツに着替えているのに
(小橋)「いつの間に着替えたんですかぁ?」
(多岐川)「どうだ。震えるほど良い男だろう」
(寅)「震えてますよ、この寒さで」
このコントじみたやり取りで
クスっと笑わせるの、
本当に反則だわ。
ちゃんと、花岡夫人の絵の件と
多岐川さんの花岡罵倒の真実、
この辺の回収が綺麗にされて
家庭裁判所設立が
昭和24年の元旦に間に合った
という尺の納め具合が素晴らしい!
多岐川さんの「愛だよ、愛」
という、今回のセリフだけでなく、
この週全般に散りばめられた言葉。
ちょっとちゃらんぽらんとした
いい加減な男を装いながら
ちゃんと本質を理解している。
そんな震える程良い男の
多岐川さんでした。
多岐川さんは、
こんなに愛を知っているのに
ずっと
奥様はいらっしゃらないのかしらね?