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〜虎に翼〜 お父さん……そんな風に思ってたの?

どうも。
こりーぬ、です。
初めての方も、また読んでくださってる方も
ありがとうございます。

今日も『虎に翼』でございます。
先に断っておきますが、
この記事は私がうろ覚えで
好き勝手吠えるという場なので、
正確なあらすじが知りたいという方は
別のところへどうぞ。

そして、虎ちゃんの名前の字もですね、
虎じゃなくて寅なんですよね。
わかってたんだけど、文字を打つ時は
間違ったまま進めてました。

昨日の、
お父さんが優三さんの死亡告知書を
半年間も隠し持っていた
という事実に対して、
寅ちゃんはどう対応するのか、
きっと辛い場面になるに違いない。
と、そう思っていたのですが、
いやはや。

帰り際、お医者様が言うには
直言さんは栄養失調で肺炎も進んでいるので、
もう長くはない。
覚悟しておいてください、
ということでした。

お医者様が帰った後、
家族はそれぞれ、
「お父さん、半年も黙ってたってこと?
その…優三さん、のこと」
「お父さんが起きたら
私が聞いておきますから」
と口々に言うんだけど、
寅ちゃんは
「夕飯の支度をしないと」
と表情を変えずに、
直明くんには仕事の続きをするように言い、
お母さんにはお父さんの看病をしてと言い、
優未ちゃんを近くに座らせて
淡々と夕飯の支度を始める。

この辺を見てると、
寅ちゃんって本当にリーダータイプ。

そして、お父さんは数日のうちに
みるみる衰弱していく。

場面が変わって、
朝食の席。
みんなで食べていると、
隣の部屋で横になっている直言さんが
はるさん、とお母さんを呼んで
起こしてほしいと頼みます。

そして、皆もこっちに来て、
話がある、と言って、
直言さんが話し始めたこと。

「寅。花江ちゃんは、直道が亡くなっても
これからも猪爪家の人間ってことで、
いいんだよな?」
法律的に、ってことなのでしょう。
寅ちゃんも、うん、と答える。
「よかった!花江ちゃんは
これからも家族だけど、もし良い人ができたら、
その人と幸せになってもいいし、
孫たちを連れて行っても、置いていってもいい。
これからも皆仲良く頼むな」
的な話で納めよう?とする直言さんに、
寅ちゃんは、
「話は終わりですか?」
「うん」
仕事を始めようとする寅ちゃん。
そこへ、切り込んだのは、
花江ちゃん。

「寅ちゃんはお義父さんにもっと怒っていいの!
お義父さんが寅ちゃんにしたことは
とても酷いことよ!問い詰めて殴ったっていい!
お義父さんも、
今言うべきことはそんなことじゃないです!
寅ちゃん、言いたいことはきちんと言わないと。
お義父さんとは
生きている内にお別れできるんだから!」
いやぁ、お嫁さんの立場で結構言うよな、
花江ちゃん。

その言葉で、寅ちゃんがお父さんの前に座ると、
直言さんは、ごめん!と頭を下げた。

……ここからですよ。
全く予想と異なる話運び。

「だって、あの時に優三くんのことを伝えたら
寅が倒れちゃうんじゃないかと思って。
寅が倒れちゃったら、
うちの家族どうなっちゃうんだって思って
言えなかった。
時間が経つほど言いにくくなって、
寅の仕事が決まったら、って思ってたんだけど、
……なかなか決まんないし」

「え?私のせいなの?」
一同、あっけに取られるよね。

「それにさ、
結婚相手も、なんで優三くんなの?
お父さん、花岡くんの方がよかった!」

「え?ちょっと、お父さん……
優三さんも家族になった、って喜んで…」と
みんなが躊躇いがちに口にすると、

「そりゃあもちろん、
優三くんには感謝してる。
優未っていうかわいい孫にも
会わせてくれたし。
でも、
寅子の結婚相手は花岡くんだって
思っちゃってたんだもん。ね?」

ここでお母さんに振るも、
はるさんは、とばっちりでしょう。

「だから、花岡くんの下宿先も見に行ったし、
下宿先にお土産持って行ったし、
佐賀に行くっていう人がいたら
実家を見てきてもらってたし」

ええ?もうね、ここまでくると、
軽いストーカーですよ。

「寅子の結婚相手は安泰だ。
これで、周りの人にも自慢できるって。
優三くんと結婚したときはさ、
やっぱり、直道と花江ちゃんの時とは
ちょっと違ったよね」

「寅子の最初のお見合いが上手く
いかなかったときも、
本当はほっとしてた。
これで、寅が家にいてくれるって。
俺が情けない男なばっかりに
寅に頼り切ってしまって、ごめん」
「共和事件のとき、本当は
寅があんまりしつこくて怒ってた。
(嘘の証言をしていたのを
寅ちゃんに問い詰められたことね)
お母さんが怖くてこっそり
飲みに行っていたこともある。
直明があんまり優秀で、
本当に俺の子か?って疑ったこともある。
花江ちゃんがどんどん強くなってきて
怖いな、って直道と寿司を食べにいって愚痴を
言ってたこともある。うちは女が強いから……
直道が死んだとき、闇市でこっそり
酒を買って飲んだ。それに」

遮る寅ちゃん。
「待って、お父さん、
一旦やめて。まだ続くの?」
「あともう少し……」
「一生分の懺悔をするつもり?」

この辺ね、コントですよ。
上質なコント。

「お父さんがもっとしっかりしてる人間なら。
俺が情けないばっかりに、寅に頼り切りで
本当にごめん!」
「そんなに、ごめんばっかり言われても……」

ここまでの寅ちゃんは表情が固まってたんだけど、
ようやく動き出す。
「でもね、お父さんだけだったよ、
女子部に行っていいって言ってくれたの」
「お見合いでも、女学校の先生にも、
いつも、寅はすごい!、寅はかわいいって
たくさん、言ってくれたのは
お父さんだけ」

「本当にごめん」
そう言って寅ちゃんの手を握って
頭を下げる直言さん。

そのまま一言もしゃべらなくなって、
みんな死んじゃったのかって慌てだして
BGMも一旦止まるんだけど、
「まだよ!寝てるだけ」と、はるさんが言って
寝てしまった直言さんを布団に
寝かせながら、皆が
しょうがないなぁ、
こんな姿勢で寝ちゃう?
とか口々に言うのが、
なんか和んだ。

「すっきりした顔しちゃって」
と寅ちゃんが微笑みながら、
直言さんのほっぺを両手で挟んで
グニュってするの。
その数日後に、直言さんは亡くなった
という所謂、ナレ死を迎えたのでした。

本来なら、
すごく辛い、辛気臭い場面にするのが
王道だと思うけど、
直言さんのキャラクターを活かして
コミカルなシーンになっていたこと、
それも、軽すぎず、
感動的ですらあるシーンに仕立て上げる
脚本家の力量を感じました。
後は、伊藤沙莉ちゃんと、岡部たかしさんの
演技力のお陰ともいえるでしょう。

全く、さぁ。……なんだよそれ。
やっぱり優三さんだと物足りない、どころでなく
花岡くんの方がよかったのに!!っていう
やや子供っぽい思いでいたのかと思うと笑える。

直言さんは、自分が情けないばっかりにって
何度も言ってたけど、
自己評価が低すぎるよね。
お堅い銀行にお勤めして、
会社も興して、戦争特需だったけど
きちんと奥さんと三人の子どもを養って。

何より明るくて、
奥さんのはるさんのことを
とっても大事にしていて、
映画デートとかもしてた。

寅ちゃんのことを
本当にいつもいつも、肯定していた。

たしかに、俺に任せとけって言っておいて
逃げちゃう小心者なとことかはあったけど、
あんなのかわいいもんだよね。
寅ちゃんが歌う、
モン・パリの歌詞そのままみたいな夫婦。

でも、最後まで責任は全うしてた、
猪爪家の大黒柱。
直道さん、寅ちゃん、直明くんが
明るくまっすぐ育っていたのが何よりの証拠。

書き落としたことも
ニュアンスが違ってることもあると思いますが、
直言さんの独白?は本当は
言わなくていいこともたくさんあって、
でも、それを言ってしまうのが
この人なんだな、って、
最後、湿っぽくならなくてよかった、
って思いました。

でも、寅ちゃん、
優三さんを亡くしたことを
まだ悲しめていないんです。
心に押し込めてしまってる。
早く悲しみと喪失感を開放してあげて
ほしいと、切に願います。
まだ、水曜日ですよ。

金曜日のあさイチのゲストは
直言さんこと、
岡部たかしさんがゲストだそうです。
超たのしみ!




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