~虎に翼~ 崔さんには崔さんの人生がある
どうも。
こりーぬ、です。
初めての方も、また読んでくださってる方も
ありがとうございます。
いや、崔さんの登場から
どうなることかと思いきや。
なんだか、寅ちゃんと会うの
気まずそうだな、と思ったら
その名前で呼ばないで、と
汐見さんに飲ませる水を取りに
引っ込んでしまった崔さん。
汐見さんと同様に酔っぱらって
倒れ込んでいる多岐川さんに
確認すると、
「あ!香子ちゃんから
佐田くんは絶対に連れてくるなって
言われてたんだった !」と
追い出されて締め出されてしまう。
崔さんのことを家族の皆は知っているので
会ったことを話すと、
お母さんは
「そうしなきゃいけなかったんでしょう。
あなたの同僚の方とご結婚されたんでしょう?
きっといろいろあるのよ。
私も直言さんと一緒になる時は
故郷の友人と縁を切りました」
翌朝、早く出勤すると
さらに早く来ていた汐見さんが謝る。
昨夜のこと、
香子のことを黙っていたこと。
結婚を切っ掛けに
香子と名乗ることにしたんだ、
と話し始めようとするのを、
寅ちゃんは本人から聞きたいので!と
遮る。
でも彼女から、話しておいてほしいと
頼まれたんだ、と応接セットに座って
話し始める汐見さんと、聞く寅ちゃん。
崔さんのお兄さんが
労働争議先導の嫌疑で逮捕された。
その嫌疑の予審判事を務めたのが
多岐川さんで、
結局、その時にはお兄さんは
罪を問われなかった。
お兄さんを通じて崔さんと知り合い、
多岐川さんは朝鮮で学生に
法律を教えていて、
その手伝いを彼女に頼んでいた。
汐見さんも多岐川さんと共に
働いていて、
崔さんとだんだん惹かれ合って
いったという。
でも、お互いの家族からは
結婚を猛反対されて
二人とも勘当されてしまった。
戦争が終わって、
多岐川さんと汐見さんは
日本に戻ることになったが、
崔さんは汐見さんに
付いてきてくれた。
二人とも勘当されて行くあてもなく
多岐川さんの家に同居させてもらっている
というわけだ。
そして、崔さんは
汐見香子という日本人として
生きていこうとしている。
やはり朝鮮人ということでは
日本では生きていきにくい
ということでしょう。
だから、崔さんは
「崔香淑(さい ひゃんすく)
という人間のことは忘れて。
私のことは誰にも話さないで。
寅ちゃんは寅ちゃんのやるべきことを
やって」
という伝言を汐見さんに託していた。
それでも
「でも、私にできることは
何かないんでしょうか」と言う
寅ちゃんに
盗み聞きしていた多岐川さんが入ってきて
「そんなもんあるか!」と言う。
寅ちゃんは
助けてほしいと言えない人もいるのだから
こちらから手を差し伸べなければと
思っているけど、
多岐川さんは言う。
「じゃあ、佐田君にこの国に染みついた
香子ちゃんへの偏見を払しょくできる
力があるのか?
ないなら黙ってろ」
「助けを求めているかどうかもわからない
人間のことに時間を使っている余裕は
君にはない。
家を出てから帰るまでは
家庭裁判所設立のために使え!」
まあ、この辺はごもっともだと思う。
11月末になっても
全国各地の家庭裁判所設立については
どこも話し合いがうまくいっていない。
そこをなんとかするんだよ!と
多岐川さんは鼓舞する。
桂場さんが、寅ちゃんに
君に客人が来ているから
一緒に来たまえ、と迎えに来る。
付いていくと、
部屋には花岡の奥さんがいた。
寅ちゃんは、奥さんに
「ごめんなさい」
と謝る。
「私は花岡さんの苦しんでいることに
気づけなくて、もし
気づいていたなら何か変わっていたかも
しれないのに、本当にごめんなさい」
奥さんは、家族が何度説得しても
自説を曲げなかったのに、
家族以外の人に説得されて折れていたら
焼いちゃうわ、と言って、
「佐田さんにお礼を言いたかっただけなの。
いつぞや、夫に
チョコレートを持たせてくれたでしょう?
その時、久しぶりに家族が明るくなったの。
夫もあなたに何度も感謝していました。
子供達もあんな風に優しく強く、
育ってほしい、って言って」
奥さんは、
寅ちゃんに「お会いできてよかった」
桂場さんに「絵を沢山ご購入いただいて」
そこまで言って彼に、それは、と
止められてしまうが、
お互い子供たちのために頑張りましょう!
と別れる。
奥さんの奈津子さんは
父親の弁護士事務所を手伝っていて
その用事で東京に来ていたらしい。
昨日の個展を開いたという新聞記事は
やっぱり伏線になっていましたね。
桂場さん、せめてもの
罪滅ぼしとでも思ったんだろうか。
まったく、素直じゃない。
桂場さんは、
君の義理のお姉さんや
奈津子さんのように
家族に恵まれたご婦人ばかりではない、
だから家庭裁判所の設立は
急務だと。
寅ちゃんは、
でも、正論だけでは
皆さん納得しないんです、というが、
桂場さんは
正論には見栄や詭弁が混じっていては
だめだ。
正論は純度が高ければ高いほど
威力を発揮する。
というと、部屋に入って扉を閉める。
寅ちゃんは
「では、私の正論は純度が低い
ということでしょうか⁈」と
扉に向かって声を張り上げるところで
おしまい。
なんかねー
寅ちゃんの、
崔さんに対する
何かしなければ、という思いと
奈津子さんに対して
気づけなくてごめんなさい、という
言葉は
ちょっと高慢というか、
空回ってる感じがあったように
思いました。
正論の純度が低い。
たしかに、
以前の寅ちゃんの、はて?
からの正論ぶっぱなしは
とても威力があった。
法務省で働き始めてからの
寅ちゃんの言葉には
昔のような力強さが欠けてしまっている。
ずっと見ている桂場さんには
その辺がわかっているんでしょう。
以前の寅ちゃんのような
力強い言論があれば
あと1か月というところまできていても
皆がその言に耳を傾け、
期限内の家庭裁判所設立は
間に合うはずだという
確信があるのかもしれない。
崔さんが、家族を捨てて
愛する人について日本に来てしまった
ことを、後悔はしていないにせよ、
寂しく悲しく思っていることは間違いない。
ひっそりと家族写真を出して
抱きしめている姿には
涙を誘われました。
それに、ご近所さんと
お醤油の貸し借りとかも自然に
できている姿も、
ずいぶんと出てきたお腹に
ご近所さんが耳を当てている様子も、
彼女が『汐見香子という日本人』である
からこそ、成り立っている関係なのだと
思うと、それも悲しい。
でも、そんな細やかな幸せを
彼女は守りたいのでしょう。
おそらく、朝鮮人だとバレたら
こんなご近所づきあいはできないから。
さあ、明日は金曜日。
きっと、寅ちゃんは
純度の高い正論をぶちかましてくれるに
違いない。
いつも、最後に視聴者からの
写真が1枚掲載されるんだけど、
その隣に翼の生えた虎のアニメーションが
入るんだよね。
それが、今週は
おにぎりを前足で押さえて
必死に齧りつく虎がとっても可愛い。
月曜は花岡が餓死したというお話だったので、
おにぎりに齧りつく虎が
なんとも言い難い対比を醸していて
それもちょっと涙を誘いましたが。
明日、すっきり終われるといいなぁ。