初めて作ったゲームに賞を頂きました+大変だったことを振り返りました【ティラノゲームフェス2023】
こんにちは!物欲で身を滅ぼしそうになりながらも東京の片隅でしぶとく生き延びているyukkiという者です。
3月から4月にかけて転職先が決まったり、作ったゲームに賞を頂いたりと、嬉しい事が立て続けに起きウキウキしてます。
年末から家族の病気でずっと続いていたバタバタが落ち着いたタイミングでもあったので、今の自分はホッとしているのか嬉しいのか緊張してるのか良くわからず、何かここ最近ずっとお腹を下してました。
……ただ、浮かれ散らかしてる心の片隅で「果たして5月・6月も同じ心境でいられるかな?」と何者かが囁き続けているので、その声を振り払うため今更ですが嬉しかった事を記録しておこうと思います。おお怖い。
ティラノゲームフェス2023にて、佳作+スポンサー賞を2つ頂きました
先月3/24日、ノベルゲームコレクション様にて毎年開催されている「ティラノゲームフェス」というノベルゲームの祭典にて、初めて作ったゲームであるアンガー・マネジメント・ファンタジーが佳作とスポンサー賞を頂きました!やったぜ。
しかもスポンサー賞につきましては2名の方から頂きました!!
本当にありがとうございます!!!!!!!
ちなみにスポンサー賞とは、コンテストの主催側とは別で、ティラノフェスの『応援スポンサー』権を購入した方が一つだけ選んで送れるという賞です。
ティラノフェスは初参加。というかそもそもゲームを作って配信するという事自体が初めて。
加えてフリゲは作者とファン・作者と作者同士の繋がりが強いと知ったのは作り終えてだいぶ経ってからで、ゲームの配信当初はゲーム制作をしている知り合いもおらず、「ゲーム作ったよ」と宣伝していたXのアカウントもゲーム制作用ではなく雑多な個人アカウント。
多分最初の数ヶ月で届いていたのはTRPGを遊ぶ仲間内位のものだったと思います。
それでも応募総数625作品という恐ろしい作品数の中からこのゲームを見つけて遊んで下さる方がじわじわ増え始め、最終的にDL数も1000を超え、たくさんの名作の中から2名の方が推しとして選出して下さって、もう本当に嬉しくって嬉しくって、ご飯いっぱい食べました。
また、内容的には一本道&選択肢も少なめな簡単なもので、プレイ時間も30分程度、EDも1種類と、正直ゲーム性は薄味のシンプルな作品でした。
じゃあお前が敷いた一本道はゲーム性やボリュームを犠牲にしてまで研ぎ澄ましたものなのか?井上尚弥の右ストレート位の威力がある一本道なのか?と問われると「い、いやすみません、技術不足で一本道しか作れず…」と口ごもってしまう感じでちょっと受賞は難しいかなと思っていた為、公式で賞を頂けた事もとっても嬉しかったです。私のゲームは井上尚弥の右ストレート位の威力があります。
もちろん賞だけではなく、感想も沢山頂いたり実況もして頂いたりファンアートを頂いたりと、自分の作った作品をダイレクトに褒めて貰えたり笑っていただいている所を見るのは新鮮でとても嬉しいことでした。遊んでくださった皆様に本当に感謝です。遊んで無い人は遊んでね。
私が作りましたと言える喜びと新鮮さ
これは余談になりますが、私は末端のクリエイターとして市場に出ている作品作りに携わった経験はあるのですが、下請け・もしくは下請けの下請けという身であったのでクレジットに名前も社名も載らず、守秘義務の関係上自分が携わった作品も公言出来ずという仕事なので、過去の実務実績を載せたポートフォリオは作れません。
こんな業界の隅っこでバタバタしている身では、クライアントからの評価はあれど、ユーザーからの直接の声を聞く機会なんて滅多に無いので、自分でエゴサしてネットの書き込みを見てひっそりニッコリしてました。
別にそれで(ポートフォリオに載せられない事以外は)不満は無かったのですが、今回きちんと「私が作りました」と前面に出せた事、「作者」としてフィードバックを頂けるのはこんな感覚なんだ、と脳汁が出ました。とても新鮮な感覚です。
……その為、頂いた感想に対する返答に慣れておらず全部定型文みたいになってしまっている点を結構反省しています。
めちゃくちゃ悩みながら返信を考えたっぷり時間をかけた挙句、出力されるのは定型文。許して。
こちらから一方的に伝える文章はスラスラ書けるのに、頂いた感想に対する返信というコミュニケーションとしての文章になると一変して下手くそになり始めるのは、自分のコミュ障部分の新たなる一面を垣間見る事が出来ました。ちょっと書いてて悲しくなってきたぞ。
もぐらゲームスさんにも載せてもらったぞ
また、ノベコレという枠以外では、インディーゲームメディアのもぐらゲームスさんに載せて頂けたのが個人的大ニュースでした。
面白そうなフリーゲームやインディーゲームと一緒に並べてご紹介いただけた事も光栄でしたし、一本道ノベルゲームという題材をネタバレ無しですさまじく面白そうにレビューして頂けて、プロのライターさんの手腕を実感しました。
実際もぐらゲームスさんに掲載して頂いてからノベコレもふりーむもDL数がドヒューンと伸び、もぐらゲームスさんを見て遊びましたという声もいくつか頂いてます。足を向けて寝れないぜ。本当にありがとうございました。
一番大変だった事※一応ネタバレ注意
これまで嬉しいエピソードばっかり書いてましたが、たぶん人は苦しいエピソードの方が好きだと思いますので、苦労した事を振り返ってみようと思います。
ドラゴン(ラスボス)をどうやって倒すのか分からない
いきなり詰みそうな事を言いましたが、まずこのゲームのあらすじは、
怒りを力に変える能力を持つ主人公と、共に戦う仲間たち。彼らは激しい戦いで後遺症を負いながらも、破滅のドラゴンを討ち倒す。平和な日々が戻ったと思われたが、ある日主人公は健康診断に引っかかり怒ると死んでしまう事が判明する!その上昔倒したはずの世界を破滅に導く凶悪なドラゴンがあと3日で復活してしまう!
→→→みんなボロボロだがドラゴン倒すぞ!INT初期値パーティーが人に無理難題を押し付け行き当たりばったりで奮闘するコメディファンタジー!!
です。
が、実は初期の初期は、
怒りを力に変える能力を持つ主人公と、共に戦う仲間たち。彼らは激しい戦いで後遺症を負いながらも、破滅のドラゴンを討ち倒す。平和な日々が戻ったと思われたが、ある日主人公は健康診断に引っかかり怒ると死んでしまう事が判明する!
→→→怒らないで穏やかに生きる第二の人生を歩む為、街の人との交流を通じてアンガーマネジメントを学ぶハートフルコメディファンタジー🌇
という話を考えていました。
……ですが早い段階で「これ何も面白く無いぞ」という事に気付きまして、急遽「ドラゴンがあと3日で復活してしまう!」という展開に変更する事にしました。
変更を思いついた際は「これなら分かりやすいし、話の展開を作りやすくなったぞ!天才かもしれない」とテンションが上がったのですが、肝心な「ドラゴンをどうやって倒すのか」という点は何も思いついていませんでした。
その為、導入の「ドラゴンが復活する事を知った主人公PTが酒場で話し合い、エルフの知識人を頼りに行く事にする」というパートまではスラスラ書けたのですが、その後が行き詰まってしまいました。起承転結の起と結は決まってるけど承転が白紙という状態です。参った。
色々悩み悩んだ結果、私はベセスダゲーが好きなので色々ネットサーフィンをしている最中に「Falloutがドラマ化するらしいけど、ニック・バレンタインは出ないのかなあ」→「そうだ!Fallout4の主人公みたいに、クラフトが天才的なキャラを出そう!ファンタジーの超技術っぽい設定を考えてみよう」→「ハイ・ファンタジーのスカイリムと同じ会社のゲームだし、そのままでもいけるやろ」となんか唐突な論理の飛躍が3回くらい起き、解決の糸口になりました。
ちなみにFallout4の事を知らない方がいるかも知れないので軽く解説しますと、ベセスダ・ゲーム・スタジオというアメリカのゲーム会社が作ったゲームです。Wikiから引用しますと、
こんな感じのゲームです。
そして、Fallout4の主人公のクラフトがどう天才的なのか簡単に説明すると、鉛筆を分解して家の壁を作ったり、その辺からセメント袋を回収してコンクリート製のビルを建てたり、レーザー砲台を大量生産したり、お猿のおもちゃやミニカー・目覚まし時計を分解してねじや核物質を集めて核融合炉を作ったり、他にも色々ありますがもう何でもアリです。核物質に関してはウランを素手で掘ったりプラズマ銃で塵になった敵から回収したりもできます。
しかもこれを全部一人で、材料さえあれば一瞬で作り出します。男女主人公通称世紀末ワクワクさんと呼ばれる始末です。このクラフト技術を活かして、連邦(ボストン)の各地にある「ここは人間が住めそうな土地だな〜」って場所を復興させて、人を集めて立派な街に仕立て上げます。一人で。
↓知らない人に向けに Fallout4のトレーラーを貼っておきます
このゲームの経験から、最終的に未来のアメリカから異世界ワープしてきたキャラが巨大兵器を作るという展開になりました。
当初はまんま作中のパワーアーマをパロディとして出そうと思ってたのですが、ノベルゲームコレクションのトップページを見てふと「Falloutのネタは万人受けするのか?」と冷静になり、わかりやすい巨大ロボにしました。
私はFallout4が大好きなのでこの話をもっと続けたい所ですが、これ以上続けるとティラノゲームフェスの事でも私のゲームの事でもなくFallout4の記事になってしまいそうなのでここでやめておきます。
最後に伝えたい事としては、ボロボロのトレンチコートとハットを身に纏う正義の心を燃やしながらも自分の存在に苦悩する激渋イケおじアンドロイド探偵ニックバレンタインというFalloutシリーズ屈指の人気を誇るキャラをドラマに出して欲しいな〜という事です。このゲームは異性も同性も構わずロマンス出来てしまう懐の深いゲームなのに彼はロマンスできないせいで全米を泣かせ
また、主人公達が頼ろうとするエルフの知識人である女王と騎士団長のキャラクターは、当初は「2人とも言い回しが難しく話も長いので、やりとりしてるうちに主人公がイライラして怒って死んでしまいそうになる」という予定でしたが、ふと
「主人公が短気キャラなのに怒ったら死んでしまうので短気キャラがいなくなってしまう!やばいどうしよう!」→「そうだ、主人公の代わりに騎士団長をキレキャラにしよう!」→「中華の達人ってキャラを出す予定だったけど、丁度いいから騎士団長を中華の達人にしよう」
と再び論理の飛躍が3回くらい起きたおかげで、無事いろんな力が合わさってドラゴンを倒す事ができました。
今思うと別に短気キャラを必ず作る必要性は特に無かったと思うのですが、その当時は何故か「怒りキャラは絶対必要」という思考に取り憑かれていました。結果的には良かったです。
今後お前はどうするんだ
今後の創作活動につきましては、他の記事で書きましたが「絵の練習」「UE5のお勉強」を中心にやってみようかと思っています。
ありがたいことにアンガー・マネジメント・ファンタジーの続編希望の声も頂いていますが、転職のバタバタが予想される事もあり、今年のTGF2024は見送ろうかと考えています。その為、いっそのこと仕事含め新しい事をゆっくり年単位で学ぼうかと思っています。
ただ、2024は見送りますが2025、2026あたりで構想が思い浮かんだら続編を作るかもしれません。その時は、今作を通らずとも初めてでも楽しめる作品にしたいなと考えています。
もしこの記事を読んでくださっていて、尚且つアンガー・マネジメント・ファンタジーをプレイしていないという方がいらっしゃいましたら、ぜひ遊んでみてください。
むしろゲームをプレイしてないのにこの記事を読んでくれているとしたら、それはそれで嬉しいかも知れない。そんな奇特な方はいるのだろうか。