実物に会う
9月の半ば、lineがピコンとなった。
『ドーバーばばあ2』というドキュメンタリー映画を上映する。
叔母が出てるって、本人からのお知らせだった。
私がハタチになったとき「いいかい、飲みに行って勘定が足りなくなったときに、かたにおいてくんだよ」って、嵌めている金の指輪をくれたお姉ちゃんみたいな叔母。
古式泳法のコーチで、59歳の時に「来年ドーバー海峡を泳いで渡る」って友達に話してたら、後ろにいたドキュメンタリー映画の監督が話しかけてきた。
それで出来たのが『ドーバーばばあ1』
で、10年後またこのメンバーでドーバー海峡泳ごうって、できたのが
『ドーバーばばあ2』
で、『ドーバーばばあ2』の上映会行きました。早起きして。
60歳からの10年って、切ないことが沢山ある。
介護も、怪我も、病気も、自分も家族も、友人も。
そして親しい人を見送る事も。
だのに、ドーバー泳ぐ準備って冬の海で泳ぐんだわ。
叔母ちゃん、喘息が出たって上がってきて、
次には喘息の薬を水着に挟んでケロケロと海に入るんだわ。楽しそうなんだわ。
もうね、
私、覚悟が足りなかったわって思った。
何が足りないのかよくわからないけど、
とりあえず足りない。
で、もう、やりたかったことがダメになっちゃったから…
なんて言ってないで、とりあえず心惹かれたら出かけることにした。
実物に会いに。
池袋まで『金島書』のリーディングに出かけた。
民博に吟遊詩人のことを見に行った。
文章書きはじめた。
したいことをする。1番したいことじゃないなんて言わないで
とりあえずしたいと思えたことをする。
なんか、思ったよりいろんなことが私の中から出てくる。
夢中になる事もできる。
ガッカリしていたこと自体が、自分を削っていたことがわかった。
人に関心が薄くなっていた事も。
なんかね元気出た。
『ドーバーばばあ2』
好き放題やってます
もし、ご近所に回ってきましたら見てやってください