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子どもとの関係が変わる

長年、親子関係・人間関係の悩みに向きあい続けてきた英国の心理療法士が、さまざまな親子の実例をもとに、親子の絆を深めるための秘訣をまとめた話題の書。

さあ、今すぐ本書を読んで、あなたと子どもとの絆を深めましょう!

きっと、あなたの子育てがより楽しく、充実したものになるはずです。



要約

・子育ての遺産は連鎖する
私たちはたいてい昔の感情にもとづいて行動し、子どもに間違った対応をしてしまうのです。
自分がどのように育てられたか、自分が何を受け継いだかをきちんと見つめないと、「過去」が私たちを攻撃します。
もちろんそれで子どもが、求められ、愛され、安全に守られていると感じられるような言葉ならかまいません。
しかしたいていは、その反対です。
自分が教えられたことを全部伝える必要はありません。
役に立たなかった物事は捨てればいいのです。
子どもがしたことや欲求してきたことに対して怒りを感じたら、あるいはマイナスな感情が湧いてきたら、それを「警告」と捉えるといいでしょう。
子どもが悪いことをしているという警告ではなく、「あなた自身のスイッチ」が押されたという警告です。

私のクライアントのオスカーは、1歳半の息子が床に食べ物を落としたり、食べずに席を離れたりするたびに、怒りがむくむくと沸き起こるのを感じました。
私はオスカーに、「あなたが子どもの頃、食べ物を落としたり食べなかったりしたらどうなったの?」と尋ねました。
すると彼は、祖父にナイフの柄で手を叩かれ、部屋から追い出されたことを思い出しました。
そのときの気持ちを思い出してからは、幼いころの自分に同情し、自分の子どもにも辛抱強く接することができるようになったといいます。

・子どもの環境を見直す
親が2人で子育てをしているなら、2人のあいだの愛情、善意、思いやり、敬意が子どもの安心感につながります。
目指すべきは、たとえ自分と違っても、相手がどう感じるかを理解すること、相手の立場を思いやって共感を示すこと、できれば自分も共感してもらうことです。
これを家庭内の最優先事項にすれば、家庭が子どもの成長を促す良い環境になります。

・感情に向き合う
あなたが子どもの感情にどう反応し、どう応答するかは重要です。
なぜなら人間にとって、人生で大事な人々に自分の感情を見てもらうこと、理解してもらうことは、とても大切なことだからです。

子どもが必要としているのは、親が自分の感情の受け皿になってくれることです。
つまり、あなたがそばにいて、子どもが感じていることを知り、受け入れ、それでいてあなたが圧倒されることはない状態です。
受け皿になるとは、子どもの中にある怒りを目の当たりにし、なぜ子どもが怒っているかを理解し、場合によっては子どもの代わりにその怒りを言葉にして、怒りを表現する適切な方法を示すことです。

子どもの感情を否定するのが近道になることは、ほとんどありません。
たとえば、急いでいるときの親はたいてい用事に無理やりコートを着せようとしますが、子どものほうはそれを嫌がります。
子どもがコートを着ることを拒むなら、「暑すぎて嫌なのね、だからコートを着たくないんでしょう。わかった、外に出て、寒くなったらきることにしよう」と言いましょう。
大切なのは、子どもの感情を真剣に受け止め、何かを決めるときに考慮に入れることです。
否定したり気を逸らしたりするのではなく、ありのままに受け入れ、理解してなだめ、逃げたり距離を置いたりしないことです。
喋れる年齢の子どもでも、大人ほど明確に感情を表現することはできません。
だからこそ、子どもは「なんでどこにも行かないの?」と言うのです。
「家に閉じこもってじっとしていられない、どうしたらいいかわからない」という現実をうまく言葉にできないのです。
親が子どもを観察して感情を言葉にすれば、子どもも自分の気持ちを話しやすくなります。

・心の健康を育む
子どもが親にくっつきたがる時期があるかもしれません。
心配しないでください。
これは良い兆候です。
子どもがとても強い結びつきを感じている証拠であり、強い結びつきを築くことは、幸せになる能力を育む助けになります。
あなたとの結びつきに対する安心感が強ければ強いほど、あなたから離れて他の人と繋がりを築くことも容易になります。
しかし、それはあくまで子どもの心の準備ができてからの話です。
急がすのはやめましょう。
「独立心を育む」鍵は、親が突き放すのではなく、子どもに心の準備ができて「自分から離れようとするまで」待つことです。

・子どもとの関係を宝物のように大切にする
安全で、愛情に満ち、頼りになり、受け入れてもらえる親子関係が、ほかの何より必要であることはご存知のとおりです。
何か問題が生じたとき、原因が子どもだけにあると思わないようにしましょう。
親子関係に目を向け、あなたと子どものあいだに何が起こっているか、見つめ直してください。
答えはそこにあるはずです。


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