狭いアパートから古い一軒家へ
広く自然豊かな団地に引っ越してきた。
賃貸なので、何年いるかわからないけど、広い庭がある。
写真はその庭です。
朝起きると、庭では食物連鎖が起きている。
ダンゴ虫が枯れた葉や虫の死骸を食べて糞をし、土を肥やしている。
肥えた土を栄養に、芝も雑草も元気いっぱいに生える。
そこにあつまるいろんな虫たちを食べに、キジ鳩がやってくる。
アゲハ蝶も蝉も蜻蛉も飛んでいる。
木には蜘蛛が虫を待ち構えている。
それを食べに蜥蜴やカナヘビがやってくる。
蜥蜴やカナヘビを捕まえに猫がやってくる。
猫を触りたくて子どもたちが裸足で駆けていく。
一斉に鳥や猫や虫たちが逃げ回る。
この自然の連鎖が、起きた瞬間から目の前で起こる。
実に豊かだと毎朝感動する。
まだ朝露がある時間に、裸足で外に出る。
あんなに苦手だった蜘蛛も、平気で掴めるようになった。
この小さな自然の営みの中に浸るのも束の間、
「かぁちゃ~ん、お腹すいた~」
この声で一日が始まる。
実に豊かだなと、心底思う。
家に入れば、引っ越したばかりのダンボールの山と、
散らかった床。
子どもたちの次から次へ飛んでくる大渋滞の会話。
こっちの現実も、外の現実も、
わたしの「うるさ~い!」の声も、
すべてが自然で、おもしろい。
全てを受け入れるとは、
自分にとって心地よいものだけを、
「ある」とするのではなく、
全てを「ある」とすること、
等しく同じテーブルに並べること。
その意味が何となく分かってきた気がする。