【詩】あなたはやわらかい
まなざしをさえぎるように
目をつぶり あなたを頬張る
顔をうずめていれば
一抹のさみしささえ清涼に喉をぬけ
わたしのお腹のなかにゆっくりと落ちていく
あなたはとてもやわらかい
どんなに強くあろうとしても
わたしに触れるゆびさきに
まだ少年の含羞が宿っている
わたしはただ
あなたのなかにある
鈍色の渦にきづかないふりをして凭れるときの
――白々と夜が明けるのを待っているときの
まるで すきとおった粒子に還るような
まるで 「わたし」を遠くへなげすてるような
あわいにまぎれてまどろんでいる
そうしているうちに
ぼうっと うかびあがってくる
おそろしい おんなの輪郭が
ぼうっと うかびあがってくる
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