【レポート】 100人のラブライブ!愛が集結! 「ラブライブ!学会 第1回大会」 振り返り Part3/3
【注意事項】
本記事冒頭の「1. ラブライブ!学会とは」「2. 発表形式」
については、Part1, 2の記事と同内容となっております。
発表内容をすぐにご覧になりたい場合は、
「3. 第3セクション」から読まれることをお勧めします。
1. ラブライブ!学会とは
ラブライブ!学会(@LoveLiveAcademy)は、イベント「ラブライブ!学会 第1回大会」を2022年3月19日(土)に開催いたしました。
発表者20名を含め、現地(大阪市内)・オンラインで総勢約100名が参加。ラブライブ!に関する多様な発表と質疑応答が繰り広げられ、まさに「ラブライブ!愛が集まる場所」となりました。
本記事ではイベントレポートの第3弾として、当日の夕方に行われた発表を振り返ります。(午前〜昼に行われた発表については、第1弾・第2弾の記事をご覧ください。)
なお、ラブライブ!学会に関する詳細な情報は、下の動画やホームページ、Twitter(@LoveLiveAcademy)などをご覧ください。
また、2023年3月21日, 25日に開催する第2回大会の参加者も募集中です。発表者締切を2022年内としておりますので、興味のある方はお急ぎください。
2. 発表形式 - 15分+5分でスライド発表
当日は第1セクション〜第3セクションの3部構成で、各セクション6組ずつの発表というプログラム。各発表は、事前に作成したスライドを用いて発表(15分)→ 現地・オンラインからの質疑応答(5分)という流れで行いました。[* 第2回大会では冊子形式の発表も受け付けております。]
また、現地に来ることが難しい場合も、ZoomのチャットやTwitterのハッシュタグなどで双方向性を残せるような仕組みとしました。実際、オンライン参加者の中には、発表を聴きながら感想をツイートしてくださった方もいらっしゃいました。
3. 第3セクション
第3セクションの発表を順に振り返ります。
☆1. 津島善子は本当に堕天使が好きなのか? - ありす
第2セクションに引き続き、第3セクション前半はオンラインでの発表です。
ありす(@cocoa72alice)さんは、アニメ・漫画・SID*をもとに津島善子の堕天使観・周りの人間関係について考察しました。
* SID:「ラブライブ! School idol diary」の略。公野櫻子先生書き下ろしの小説。
まず、善子にとって「堕天使は嫌い」であり、「アイドル専用のキャラで普段は真面目」という解釈を提示。特徴的なほどの取り柄がない普通な自分を変える手段として堕天使キャラを始めたものの、他人が興味を持っていないことに気がつき後悔しており、「津島善子」を見てもらいたいのに見てもらえないという状況に陥っているという考察を展開します。
この考察に基づき千歌と善子の関係を捉えます。善子は「普通」を自称しているのに自分自身を見てもらえている千歌という存在は気になっているとし、悪い人ではないとはわかっていながら「私の何がわかるの?」という反感もあり、複雑な感情を抱いているのではないか、と論じます。一方、千歌は善子の堕天使嫌いを細かく知っており、堕天使だけを見て誘ったことをかなり後悔しているとし、「善子自身をよく見て、善子だけの取り柄を探してあげたい」と思っているのではないか、と論じます。
他のメンバーとの関係や2期5話「犬を拾う。」の解釈を加えて、発表を締めくくりました。
質疑応答では「よしルビ」「ようよし」関連の解釈のぶつかり合いを見ることができ、発表内容がより深まる形となりました。(質疑応答部分は会員限定公開としております。詳細はこちらをご覧ください。)
▼【ラブライブ!学会アーカイブ】津島善子は本当に堕天使が好きなのか?(発表者:ありすさん) [ https://youtu.be/Hdt09lE0EuI ]
☆2. 推しと推しのCPを結成したら思ったより良かった - うちこ
うちこさんの発表は「よしぱな」についてです。
カップリング(CP)は、各グループ内に限ればμ's, Aqoursで$${_9C_2=36}$$通り, ニジガクで$${_{12}C_2=66}$$通りとなりますが、スクスタ時空でグループを問わずに考えると$${_{30}C_2=435}$$通りにも達することを指摘。この中で「メジャーなCPはどのように生まれるか?」という疑問に対し、供給型CP・需要型CPという観点から考察を展開します。
その中で、推しどうしのCP「よしぱな」を紹介。意外と共通点が多いのみならず、イベントストーリー・毎日劇場・生誕祭ボイスなど、スクスタでもそれなりに供給があることを示します。
しかし、pixivで検索したところ3件しか作品投稿がなかったとのこと。(一方、μ'sなかよし総選挙1位の絢瀬絵里×東條希は当時12,297作品。)「どうすりゃ人気になるんですか?」ということで、需給それぞれの増やし方を提案しました。
▼【ラブライブ!学会アーカイブ】推しと推しのCPを結成したら思ったより良かった (発表者:うちこさん) [ https://youtu.be/qqcRNK6lNd8 ]
☆3. ラブライブ!学会 幕間
発表者辞退に伴う休憩時間でした。1文で終わるのも寂しいので、当日の写真をいくつか。
☆4. がんばルビィとピギィから読み解く黒澤ルビィの人物像 - きなこもち
ここから再び現地発表です。きなこもち(@Oh1Uh)さんの発表テーマは、アニメ内での「がんばルビィ!」「ピギィ!」がどんな感情を表しているのか?についてでした。調査の方法は以下の通り。
「がんばルビィ」「ピギィ」をアニメ1, 2期中から探す。
秒数、セリフの原因・状況を記録する。
セリフの原因・状況から、感情を分類する。
以上よりルビィの人物像を考察する。
調べると、「がんばルビィ」は10件、「ピギィ」は54件という結果に。
感情を分類したところ、「がんばルビィ」はやる気・応援・自己PR・喜びに、「ピギィ」は怖れ・驚き・痛み・恥ずかしさ・嬉しさ・心地よさに分類できたとのこと。各々について解説を加えます。
これらから捉えられる黒澤ルビィの人物像を「神経質であったり臆病であったりしつつも、何事も前向きに取り組もうとする姿勢をもつ。その姿勢は仲間にも伝わり、一緒に前に進もうとするエネルギーとなる」として結論づけました。
▼【ラブライブ!学会アーカイブ】がんばルビィとピギィから読み解く黒澤ルビィの全体像 (発表者:きなこもちさん) [ https://youtu.be/veQTy41mJww ]
☆5. スクスタ~最強で最高のアイドルゲーム~ - 白虎
白虎(@byakko_lovelive)さんの発表は「スクスタのゲームが最強で最高となるために今後どうしていくべきか」を考察する、というもの。
発表前半では、スクスタの歴史・現在のユーザー数や売り上げを振り返った上で、スクスタのユーザー数減少傾向の理由を捉えるため、スクスタの長短を分析します。
ゲームシステムの難解さなど、人気低下に繋がりうる部分の存在は否定できない一方で、カスタマイズが自由自在なMV、数々の美麗なイラスト、キズナエピソードなど多くの魅力がある、と論じました。
この議論を踏まえた上で、後半では「スクスタは今後どうしていくべきか?」という点を考察。既存の魅力を活かす形で、「MV・カードイラスト鑑賞専用の別アプリを実装」「ストーリー観賞用の別アプリを実装」などの案を提示しました。
最後に、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 4thアルバム「 L!L!L!」の楽曲のMVが実装される可能性などにも期待して、「スクスタをやろう!」と呼びかけ、発表を締めくくりました。
▼【ラブライブ!学会アーカイブ】スクスタ〜最強で最高のアイドルゲーム〜(発表者: 白虎さん) [ https://youtu.be/H6O9EPD-wQw ]
☆6. TVアニメ『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』から紐解く”優木せつ菜/中川菜々”という人物 - 黎(レイ)
黎(@n__g_p)さんの発表は、アニガサキ1期3話の描写から優木せつ菜/中川菜々が抱える想いを解釈するというもの。
発表前半では、1期3話のセリフを紐解きます。
冒頭のセリフから、菜々にとっての『優木せつ菜』は「『ラブライブ』を目指すための存在」であるという前提を提示。前半のセリフから、『大好き』を否定したくない気持ちと、自分の本当の想い(わがまま)を我慢している姿勢の間に矛盾が生まれている、と指摘します。この心情が侑のセリフをきっかけに変化するとし、スクールアイドル『優木せつ菜』の『始まり』につながった、と論じました。
発表後半では、"物"に描かれた心情描写から菜々の心情変化を読み取ります。
スーツケースに閉じ込められた書籍の題名からせつ菜の本心について考察すると、話題は「DIVE!」のMVに。柵が取り払われたエンディングはファンとの境界がなくなったことを示しているとし、まさにスクールアイドル『優木せつ菜』の『始まりの歌』である、と述べました。
最後にアニメ2期への期待について語り、発表を締めくくりました。
▼【ラブライブ!学会アーカイブ】TVアニメ『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』から紐解く”優木せつ菜/中川菜々”という人物(発表者: 黎(レイ) さん)
☆7. 千歌の言葉が始まりと終わりで違うのは何故か - ピカ
いよいよ最終発表です。担当したのはピカ(@pika_saribe)さん。発表テーマは、高海千歌のセリフが1期1話冒頭と2期13話最終盤で微妙に違う件について、その理由を探るというもの。
発表前半では、1期1話冒頭の台詞について言及。劇伴音楽や台詞において1期1話Bパートと対応が見られることなどを根拠に、「訪れたキセキ」は映像通り梨子の転入を表していると論じ、これと「舞い降りたキセキ」は別の事象を指している、という解釈を提示しました。
後半では、2期13話最終盤の台詞の考察に移行。「WONDERFUL STORIES」よりも後の千歌がこの台詞を語っているという解釈から、同曲の間奏部分の描写に着目。台詞と映像の対応性から、羽根に関する描写や「輝き」「始まり」に関する台詞を1話から振り返ることで、「舞い降りたキセキ」の正体を掴もうとします。
最終的には、千歌や梨子に羽根が舞い降りた(=スクールアイドルの輝きを知った)という「始まり」と、1期1話・挿入歌前の「それ(=梨子の転入)が全ての始まりだった」という台詞の矛盾から、2つの「始まり」があると指摘。「舞い降りたキセキ」を「縦の始まり」、「訪れたキセキ」を「横の始まり」と表現し、それぞれ「Aqours 9人それぞれがスクールアイドルの輝きや夢を受け取ったこと」「そんなAqoursメンバーが9人揃ったこと」を指している、と論じました。
明らかに発表時間をオーバーする量のスライド枚数(15分で95枚……)で、本当に運営かよ!と突っ込みたくなるような発表でしたが、その熱意の大きさは最終発表にふさわしかったのではないでしょうか。
▼【ラブライブ!学会アーカイブ】千歌の言葉が始まりと終わりで違うのは何故か(発表者:ピカ)
4. 冊子持ち込み
本記事冒頭で「第2回大会では冊子形式の発表も受け付けております」と書きましたが、第1回でも冊子を持ち込んでくださった方がいらっしゃいました。
Ex. ラブライブ!今日のごはん - 春香
春香(@springrbrib)さんの冊子です。あれこれ文で語るよりも、実際に本誌をご覧いただく方が魅力が伝わると思います。会場でも大好評でした!
▼ラブライブ!今日のごはん(発表者: 春香さん) [ https://t.co/dc7Ajewmn2 ]
5. 閉会挨拶
朝から晩まで1日がかりのイベントでしたが、無事に終えることができました。ご協力くださった参加者の皆様、誠にありがとうございました!
6. 「ラブライブ!学会 第1回大会」レポート Part1, 2
「ラブライブ!学会 第1回大会」 第1セクション, 第2セクションを振り返ったレポートも公開しております。ぜひご覧ください。
また、2023年3月21日, 25日に開催する第2回大会の参加者も募集中です。発表者締切を2022年内としておりますので、興味のある方はお急ぎください。