見出し画像

まあまあ、こんな感じ



実母の術前検査の為、綜合病院に受診同行した

コロナ禍の中でも、患者さんは多いし

普段見ない人の数に緊張する


殆どが高齢者なので、ほぼ皆ワクチン済みと思いつつ、

息を潜めて距離をとる



こんな緊張感の中なのに、母はいつも通りマイペースである



何度も来ている病院でも、受付や検査の仕方はわからない

主治医からの説明には、元気に笑顔で答えるため

理解していると思われてしまうが

診察室から出た途端

「あんなに早口で言われても、わからへんわ。なんやった?」

と聞いてくる


目を離すと、知らない人とにこやかに談笑しているし

しっかりして見えるが、会計方法はわからない



帰宅途中に寄った買い物では、あれこれ買った後、

「ご飯食べて帰ろう」と言い出した



コロナ感染が怖いから、家でご飯を食べようと話すと

「そうやな、今一番怖いのはコロナやな」と強く頷いている



一人で暮らす母にしたら

用事であろうが、病院であろうが、娘とのお出かけは

きっと楽しい出来事なんだろう




参観日に、白いスーツで来た母は、誰よりもカッコ良かった

そんな母は、先月よりも歩くペースが遅くなり

以前よりも小さくなった



「あんまり、いろんなことがよくわからなくなってきたわ」と

素直に話す母に

老いていくことの現実を、毎日教えられている



先に亡くなった父の時には

医療現場での家族の決断を体験し、家族が死ぬことの意味を

教えられた



親は自分の身をもって、最後まで子どもに生きる意味を教えてくれる



そこには

直視したくない現実も、綺麗事ではない毎日も存在するけれど

時に腹を立てながら

親たちの最後の教育を受けとっていこうと思う




いいなと思ったら応援しよう!