利用者さんは認知症
認知症で不安の強い利用者Aさんは
夜の眠剤の時間が待ちきれない
夕食が終わると、皆と一緒に自室へ一旦戻るが
10分ほどすると、チャイムが鳴り始める
「眠剤はまだですか?」
「まだですよ、7時半までお待ちくださいね」
「7時半ね、持ってきてくれるのね」
「はい、7時半ですよ。時計見て待っててくださいね」
このやりとりが、18時15分頃から眠剤が届けられる19:30まで
5〜10分おきに、延々と続く
もう勘弁して〜と嘆きながら
「はい、どうしましたか〜?」のやり取りを続けるスタッフ
本当に、根気強い
今日はバレンタインデイ、手作りプレゼントを配っていると
ある男性利用者さんが、「ちょっと、相談したいことがあるんや」と呼ぶ
聞くと、夜になると女性利用者さんたちが徘徊し
時に部屋に入ってくるとのこと
「殴られるわけでもないし、物を持っていくわけでもないからええんやけど」
いやいや、ダメですよね〜、と傾聴していると
扉がパーンと開け放たれ
Aさんが、中に入ろうと立っている
「Aさーん!」と呼ぶと
中にCMがいると思わなかったのか、慌てて扉を閉めた
「Aさん、勝手に人の部屋に入ってはダメですよ」
「入ってないわよ」
「入っているって、聞きましたよ」
「誰が?」
「Aさんが」
「そうなの?困ったわねえ〜」
デイでは、促さないと椅子に座って目を閉じている
「Aさ〜ん、寝たらダメですよ?」
「寝てないわよ!」(下を向いて目を閉じたまま、でも間髪入れず)
夜のチャイムも、時々注意する
「ずーっと、ピンポン鳴らしてますよ〜」
「まあ、誰が?」
「Aさんが」
「そうなの?こまったわねえ」
なんとかならないのかなあ、と考えるスタッフたち
内服を変更し、主治医に相談し、家族の協力もお願いしながらも
毎日、こんな感じで、現場は大変
でも、スタッフは困っているが、笑っている
困ったことも、手がかかることも含めて
実は私も
Aさん大好き