【童話】ちいさいモモちゃん
わたしは小学生時代、親の仕事の都合で2回転校をして3つの小学校へ通った。
まわりの顔色を見て行動する子どもだったけれど、転校生というだけで物珍しく、ちょっかいを仕掛けてくる子は男女共にいる。
今になって思えばHSC(ハイリーセンシティブチルドレン)だったので、ときたま一人になりたいこともあった。
低学年の頃は特に、よく図書室へ行って静かな部屋で本を選ぶことが好きだったのを覚えている。
小学2,3年の頃に好きだったちいさいモモちゃんシリーズ。
右は著者の松谷みよ子さんの童話集。
京都にある大好きな恵文社一乗寺店にて購入。
数年前に新潟からはるばる京都まで行った時に買った。
カバーもまたお気に入りなのだ。
ちいさなモモちゃんは、モモちゃんと妹のアカネちゃんの小さな姉妹を描く長編の物語。
わたしも幼いながら当時にしては細かい字を読んで、2年くらいかけて読破した。
内容はハッピーではなく、8歳くらいの子どもが読むには重い内容。
妹の誕生での葛藤、両親の離婚。
そして確か終盤ではお父さんは事故で亡くなった気がする。
年単位で長い間モモちゃん家族に寄り添っていたわたし。
家族の一員のような気持ちになっていただけに、その都度の衝撃は大きかった。
大体そのくらいの子が読む物語はファンシーで、正義が勝って、魔法でなんでも上手くいく世界だったので。
クラスメイトはこまったさんシリーズを読んでいた気がする。
この物語の中で離婚も人の死も、直接的な言葉では書かれていない。
確か、『パパのおくつはもう帰ってきません』のような言葉で抑えられていて、子どものわたしは一生懸命に想像した。
大人になったいまもそのインパクトは忘れられず、去年文庫本を改めて購入した。
わたしは割とそういうことがある。
昔読んだ内容が忘れられなくて、一度手放した本を再購入したり、
幼少の頃読んでもらった絵本の色づかいが好きでどうしてもまた見たくなり探し出して買ったり。
そうやって自分の大切にしていたものを思い出す作業が好きなのだ。