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【マンガ業界Newsまとめ】LINEマンガのLDFとナンバーナイン資本業務提携、KADOKAWA年初の記事 など|1/19-183

マンガ業界ニュースの週1まとめです。
マンガ・アニメの業界カンファレンスIMARTを主催するMANGA総研代表の筆者が、マンガ・Webtoon関連のニュースを、ビジネス系を中心に、短時間でチェックしていただけるようにまとめています。

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LINE Digital Frontier株式会社、デジタルコミックエージェンシーの株式会社ナンバーナインと資本業務提携

LINEマンガを運営するLINE Digital Frontier(LDF)が、ナンバーナインと資本業務提携を結びました。投資額は不明です。韓国系NAVERグループと、日本のWebtoonスタジオの提携という見方もできます。

ナンバーナインは、Webtoon第一弾作品の『神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~(以下、「神血の救世主」)』が月商1億円を超えるなど、近年沢山生まれた国産Webtoonスタジオの中では、単独作品のヒットという意味でトップスタジオと言えます。続く『俺だけ最強超越者~全世界のチート師匠に認められた~』も結果を残してるようです。

LDF森取締役のコメントの中に「(前略)より多くの世界中のユーザーに日本のIPをお届けし、価値を最大化してまいります」とあります。日本から世界へ向けてWebtoonを発信するとなると、最も大きなチャネルであることは間違いなく、期待したいところです。

年始のKADOKAWA関連記事

2027年に出版点数を9,000点に

日経新聞の取材に対し、KADOKAWA夏野社長が、年間の出版点数を2027年度にも23年度比1.5倍の年9000点に増やす方針を明らかにしたとのこと。

創業者一族でもあり、元会長の角川歴彦氏からの文脈もあってか、IPメーカーとしても作品点数増に注力、わけても編集者を1000人規模に増やすことや、海外発IPを現状の1%→2‐3割に引き上げるなど、戦略・戦術が具体的に述べられています。

昨年は、システム障害や外資による買収など、マイナスなニュースもありましたが、好決算やソニーとの資本業務提携でしのぎ、今年に入って新たな目標を大きく掲げているようにも見えます。

100部からマンガ印刷、出荷へ

KADOKAWAの拠点、所沢サクラタウンを起点に、100部単位でもマンガを少部数印刷し、これを流通仕組みを整えたとのこと。

マンガの小ロット印刷は課題が多い中で、印刷機の技術的課題を解決した経緯や、既存流通を超えた書店からの直接発注に応える体制などが整備で来ていることも書かれています。

圏央道、外環道などの工事が一巡し、所沢という地は日本の物流のヘソとして好立地でもあります。これらを起点に紙出版の制作や流通を整えたKADOKAWAの動きが今後にどう繋がるか期待です。


国内News

主婦の友社の女性向け新レーベルが1年目から好調とのこと。女性向けで狙ってヒットを打つというのは、今の電子コミック優位の環境下では、とても重要なことなのだと思います。


3月末のAnimeJapanの情報が出始めています。LINEマンガからも、アニメ化して欲しい漫画のノミネートが発表されています。


文化庁が、個人クリエイターに向けて、ネット上の著作権侵害対策を支援開始するとのこと。


昨年はマンガ業界でもM&Aなどの多くの話題がありましたが、アニメ業界はより以上にそうした話がありました。ソニー・KADOKAWAの話題は勿論として、バンナム、東宝の動きや、日本のテレビ局が放送では無くIPの文脈で好調であることなど、総括記事として読み応えがありました。


ソニックはSEGAのゲームIPですが、ハリウッドで映画化された2020年第1弾は3.2億ドル、第2弾は4億ドルの大ヒットとのこと。そんなヒットしてるんですねぇ。


Webtoon・ショート動画関連

「韓日漫画・ウェブトゥーンフォーラム」とのことで、
1/21 14時~、四谷三丁目駅そば、Korea Center(韓国文化院)でお話をします。飯田一史さんや、SORAJIMAの前田さんなどと一緒です。

文脈的には、日本のマンガやWebtoonは好景気ですけども、韓国のWebtoon周りは今下降気味で、そうなると韓国の優秀なクリエイターが新たな仕事をする余力があるので、日本のマンガ仕事を韓国のクリエイターに担ってもらうのはどうか?というような感じで理解しています(合ってるのか?)

日時:2025年1月21日(火)14時~17時(終了後交流会あり)
場所:韓国文化院 -  東京都新宿区四谷4丁目4−10

参加方法:お申し込み不要、入場無料
交流会:終了後に交流会があります。ご希望の方は最寄りのSNSで私宛か、こちらまでお問い合わせください。お繋ぎします。

大きな会場で、まだ参加人数に余裕があるようです。

海外News

*: 海外記事も紹介します。自動翻訳など活用ください。

米国のコミック流通は、一般書店向けの流通と、コミック専門店向けの流通と、大きく2つの流れがあります。そのコミック専門店向けの流通において、コロナ前までは「コミック業界の配給の唯一の王者」であったそうです。

コロナを境に、ファンの囲い込みを企図したDCにより契約が打ち切りに。また、流通網と同時にシステムなども抑えてSaaSサービスの提供などをしていたペンギンランダムハウスに、マーベルコミックの流通を取られるなど、米国の2大コミック版元が相次いで離脱。今回の破産に繋がったようです。


タイトル訳:モルガン・スタンレー、ウェブトゥーンの目標株価を17.50ドルから16ドルに引き下げ

引き続きWBTN株への指標の動きありですね。先週紹介した、底値確定とはいかなかったようです。


タイトル訳:カプコンのモンスターハンター ワイルドのウェブトゥーンを作成すれば大金を獲得できる

モンハンをIPの元として、Webtoon作品のコンテストを実施とのこと。なかなか筋の企画なのじゃないかなぁと気になった記事でした。


libroさんの北米エンタメニュースまとめです。
以下のあたり、面白かったです。


取材受けまして、クランチロールのマンガ展開についてコメントしました。
Webtoon文脈では無く、マンガ文脈だと、英語圏のマンガの総合書店ということだと、一躍一番ユーザー層が近い大きなサービスと言えるかなーと。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等

新宿クロスビジョンで、飛び出るBL広告!

BookLiveのマカデミー賞、キャラだけでは無く広く審査する賞に刷新


記事のみ紹介

だれうまw


決算情報

「オルクセン王国史」も好調

「孤独のグルメ」も出足が良いみたいですね。

告知関連

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菊池健
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