書庫冷凍　＃毎週ショートショートnote

バレンタインには必ず想いを届けようと小学生みたく手作りチョコに挑戦する香織。大好きな樋口主任にピーナッツ入りチョコを作りなんとか間に合わせた。

前日の夜にこっそりとオフィスに戻った香織は樋口主任の机にチョコとメッセージを置こうとすると人の気配がする。咄嗟に香織は書庫に隠れた。

「OK、誰もいないね、じゃ、始めます」

気配がなくなり書庫を出ようとすると照明が落ちた。空調も止まり電子ロックの扉はカードキーをかざしても開かない。

外気が－5℃の中、空調が切られた設備点検の夜に書庫へ閉じ込められ一夜をあかす。

次の朝、出勤した社員は大騒ぎ。
「樋口主任！香織さんが書庫の中で」
「えー！なんで？　香織ちゃん大丈夫か」
「ひ……あ……ちょ……こ……れ……いと」
「しっかり香織ちゃん！なに？書庫冷凍？寒かったのか？ダメだ、低体温症だ、救急車！！」
「あ……　ちが……う」

書庫の中に放置されたチョコの袋は皆に気付かれず、掃除のおばさんの胃袋へと。

完410文字

木枯しに抱かれて　小泉今日子

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たらはかにさんの毎週ショートショートの企画、今週のお題「書庫冷凍」に参加させていただきました。
お題そのまま、言葉遊びそのままで書いてみました。なんか後になるとネタ切れで書けなくなるので早めに。ちょっと他の方と被るシチュエーションはあるとは思いますが良しなに。

キョンキョンのこの歌はすごく好きな曲で、一度使いたいと思ってました。ネタ、歌詞などちょうどいい塩梅だと思います。

連載もやってます。どーか長い目で見て欲しいのよね。

おもろいやーつ👆

泣けるやーつ👆